食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06470640149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、遺伝子組換えトウモロコシDAS1131の評価に関する科学的意見書を公表
資料日付 2025年3月19日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は3月19日、遺伝子組換えトウモロコシDAS1131の評価に関する科学的意見書を公表した(申請GMFF-2021-1530、2月5日採択、PDF版31ページ、https://doi.org/10.2903/j.efsa.2025.9282)。概要は以下のとおり。
《背景》
 規則(EC) No 1829/2003に基づき、Corteva Agriscience LLCから申請GMFF-2021-1530が提出されたことを受け、EFSAの遺伝子組換え生物に関するパネル(GMOパネル)は、規則(EU) No 503/2013に従い、遺伝子組換え(GM)害虫抵抗性及び除草剤耐性トウモロコシ(Zea mays L.)DAS1131(Unique Identifier DAS-O1131-3)の安全性に関し、科学的意見を表明するよう求められた。申請GMFF-2021-1530の対象範囲は、トウモロコシDAS1131の欧州連合(EU)域内における輸入、加工、食品・飼料用途であり、EU域内における栽培は含まれない。
 本科学的意見書において、GMOパネルは、申請GMFF-2021-1530の対象範囲に則した、トウモロコシDAS1131のリスク評価結果に関し報告する。
《分子特性評価》
 トウモロコシDAS1131は、Agrobacterium tumefaciens(別名Rhizobium radiobacte)媒介性形質転換を用いて遺伝子組換えされており、Cry1Da2タンパク質の発現により特定の感受性鱗翅目害虫抵抗性、ならびに、DGT-28 EPSPSタンパク質の発現によりグリホサート系除草剤耐性が付与されている。
 形質転換に用いたプラスミドPHP88492には、以下の配列等から構成される発現カセット2種が含まれる。
 ・ Cry1Da2発現カセット: 殺虫性コア毒素をコードするcry1Da2遺伝子由来配列及びcry1Ab遺伝子の改変断片を含む、植物内発現用にコドンを最適化したキメラ・コーディング配列
 ・ dgt-28 epsp発現カセット: Brassica napus及びBrassica rapa由来キメラ葉緑体トランジット・ペプチドTraP8を融合させた、Streptomyces sviceus由来5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(epsps)遺伝子のコドン最適化コーディング配列
 分子特性評価データから、トウモロコシDAS1131は、cry1Da2発現カセット及びdgt-28epsps発現カセット各々1コピーから構成される単一のインサートを含むことが確証された。配列決定手法及びデータセットの品質はGMOパネルにより評価され、EFSAのテクニカルノート記載の要件に準拠していることが確認された。以下のバイオインフォマティクス解析からは如何なる懸念も提起されない。
 ・ 新たに発現するタンパク質群をコードする配列
 ・ インサート内オープンリーディングフレームに相当する配列
 ・ インサート - ゲノムDNA連結部に渡るオープンリーディングフレームに相当する配列
 ・ インサート両側の隣接領域
挿入DNA及び導入形質の安定性は、数世代にわたり確認されている。Cry1Da2タンパク質及びDGT-28 EPSPSタンパク質の発現量の定量手法は適切であると判断される。植物内で産生された又は微生物内で産生されたCry1Da2タンパク質及びDGT-28 EPSPSタンパク質の生化学的・構造的・機能的特性を比較するタンパク質特性評価データから、植物産生タンパク質と微生物産生タンパク質は同等であり、微生物由来タンパク質を安全性研究に使用可能であることが示される。
《比較分析》
 試験材料の選択、圃場試験地、関連する管理慣行、圃場試験全般の品質の指標としての農学的・表現型的特性評価を考慮し、GMOパネルは、圃場試験は比較分析を適切に証拠立てると結論する。
 トウモロコシDAS1131と対応する従来栽培品種の間で試験された農学的・表現型的・成分組成的特性において確認された差異は、穀粒に含有される粗脂肪画分を除き、さらなる評価を必要としなかった。穀粒に含有される粗脂肪画分において検出された差異は、さらなる評価の結果、安全性上及び栄養学上の懸念を提起しないと判断された。
《食品/飼料の安全性評価》
 GMOパネルは、トウモロコシDAS1131にて発現する、Cry1Da2タンパク質及びDGT-28 EPSPSタンパク質の毒性・アレルゲン性に関し、安全性上の懸念を特定しておらず、遺伝子組換えがトウモロコシDAS1131のアレルゲン性を全体的に変化させる可能性を示すエビデンスは確認されない。
 本申請の文脈において、トウモロコシDAS1131由来の食品及び飼料の摂取は、ヒト及び動物において栄養学上の懸念を提起しない。
 GMOパネルは、トウモロコシDAS1131は、対応する従来栽培品種及び試験された非GMトウモロコシ栽培品種と同等に安全であり、食品/飼料の市販後モニタリングは必要ないと結論する。
《環境リスク評価及びモニタリング計画》
 導入形質、農学的・表現型分析の結果、ばく露経路・ばく露量を考慮すると、発芽可能な穀粒を含め、GMトウモロコシ由来の物質が偶発的に環境に放出された場合でも、トウモロコシDAS1131は安全性上の懸念を提起しないと判断される。市販後環境モニタリング(PMEM)計画及びその報告間隔は、トウモロコシDAS1131の意図された用途に則している。
《文献のシステマティック・レビュー》
 文献検索により特定された関連出版物から、GMOパネルは、トウモロコシDAS1131の意図された用途と関連する如何なる安全性の問題も特定していない。
《結論》
 GMOパネルは、トウモロコシDAS1131は、ヒトの健康・動物衛生・環境への潜在的影響に関して、対応する従来栽培品種及び試験された非GMトウモロコシ参照栽培品種と同等に安全であると結論する。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9282