食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06470431470 |
タイトル | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第12週号(3月15日~21日)において、米国の鳥インフルエンザA(H5N1)ヒト症例に関する情報を紹介 (後半2/2) |
資料日付 | 2025年3月21日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | (前半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06470430470) CDCは、鳥インフルエンザA(H5N1)に関連する既存免疫、軽症後の免疫反応、抗ウイルス薬感受性に関する最近の4つの研究の分析についても公表している。 1. 既存抗体 動物モデルを用いた最近の研究は、季節性インフルエンザA(H1N1)pdm09の過去の感染が、A(H5N1)疾患の重症度を軽減する可能性を示唆している。2025年2月21日にEmerging Infectious Diseases誌に発表されたCDCの研究(※参考1)によると、事前にA(H1N1)pdm09を感染させたフェレットは、交差反応性の抗体を産生し、A(H5N1)ばく露後のウイルス複製及び伝播の軽減を示すことが分かった。2025年3月17日にThe Lancet Microbe誌に発表された2番目の研究(※参考2)でも、事前にA(H1N1)pdm09ウイルスに感染したフェレットが、その後A(H5N1)ウイルスに感染した場合、より軽症で、ウイルスを拡散する可能性が低かったことが報告された。著者らは、この結果は米国で報告されたA(H5N1)症例における致死率の低さを説明する可能性があるとの仮説を述べ、交差防御免疫に関する更なる研究を支持している。しかし、インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染した場合の転帰にばらつきがある理由は複数の要因に基づく可能性が高く、ウイルスの遺伝子型、ばく露期間、ウイルス量、伝播経路、個人の健康状態、個人の防御措置の実施、提供された医療処置に起因する可能性がある。このLancet誌の研究では、A(H5N1)(A/Texas/37/2024株)への眼のばく露が重篤な感染性疾患につながることも示されており、眼の保護の重要性が強調されている。 2. 軽症による免疫反応 2025年3月7日にEmerging Infectious Diseases誌に発表された報告(※参考3)では、A(H5N1)ウイルスに感染した牛にばく露されたミシガン州の2人の酪農作業者の免疫反応が評価された。A(H5N1)クレード2.3.4.4bウイルスが分離された作業者の1人は、結膜炎などの軽い症状を呈し、中和抗体が生じていた。2人目の作業者はインフルエンザA(H5)陽性であったが、当人からはウイルスは分離されず、抗体も生じていなかった。これは、ヒトのA(H5N1)感染による軽症が免疫反応を引き起こし得ることを示した最初の研究である。それ以前は、軽症事例後の免疫に関するデータは限られていた。 3. 抗ウイルス薬感受性 2025年3月7日にEmerging Infectious Diseases誌に発表された研究(※参考4)によると、2023年及び2024年にカンボジア、チリ及び米国で散発的に発生したヒト症例から分離されたクレード2.3.2.1c及びクレード2.3.4.4bのHPAI H5N1ウイルスは、承認されているNA阻害剤及びPA阻害剤バロキサビルに感受性があることが示唆された。これらのウイルスは、2023年にカンボジアで分離された2つの非遺伝子再集合ウイルス株を除き、M2ブロッカーにも感受性であった。CDCは引き続き、A(H5N1)感染が確認された又は疑われる場合、速やかに(理想的には発症後2日以内に)、オセルタミビルによる治療を開始することを推奨している。 背景:2024年4月1日以降、2025年3月21日時点で、CDCにより、13州から70例の鳥インフルエンザA(H5N1)感染によるヒト症例(うち死亡例1例)が確認されている。計41例は以下の州において乳牛へのばく露を報告した:カリフォルニア州(36例)、コロラド州(1例)、ミシガン州(2例)、ネバダ州(1例)、テキサス州(1例)。24例は以下の州において家きん農場及び殺処分作業へのばく露を報告した:コロラド州(9例)、アイオワ州(1例)、オハイオ州(1例)、オレゴン州(1例)、ワシントン州(11例)及びウィスコンシン州(1例)。2例はその他の動物(裏庭飼育動物群(backyard flocks)、野鳥、又はその他の哺乳類など)へのばく露を報告した:ルイジアナ州(1例、後に死亡)、ワイオミング州(1例)。さらに、ばく露が不明な症例が3例確認されている:カリフォルニア州(2例)、ミズーリ州(1例)。 ・ECDCの評価(省略) ・行動(省略) 当該報告書は以下のURLから入手可能。 https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/Communicable-disease-threats-report-week-12-2025.pdf (※参考)各研究結果は以下のURLから閲覧可能。 (1)Emerging Infectious Diseases(2025, 31(3):458-466、doi: 10.3201/eid3103.241489) https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/31/3/24-1489_article (2)The Lancet Microbe(2025年3月17日電子版、doi: 10.1016/j.lanmic.2024.101070) https://www.thelancet.com/journals/lanmic/article/PIIS2666-5247(24)00338-0/fulltext (3)Emerging Infectious Diseases(2025, 31(4):876-878、doi: 10.3201/eid3104.250007) https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/31/4/25-0007_article (4)Emerging Infectious Diseases(2025, 31(4):751-760、doi: 10.3201/eid3104.241820) https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/31/4/24-1820_article |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
情報源(報道) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
URL | https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/communicable-disease-threats-report-15-21-march-2025-week-12 |