食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06460340301 |
タイトル | 論文紹介:「2023年2月から3月にかけてドイツで発生した病院におけるデリミートの喫食に関連するリステリア症集団発生」 |
資料日付 | 2025年2月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | Eurosurveillance(2025, 30(7):pii=2400316、doi: 10.2807/1560-7917.ES.2025.30.7.2400316)に掲載された集団感染報告「2023年2月から3月にかけてドイツで発生した病院におけるデリミートの喫食に関連するリステリア症集団発生(Outbreak of listeriosis associated with consumption of deli meats in a hospital, Germany, February to March 2023)、著者L Feige, A Schoeps(Federal State Agency for Consumer & Health Protection Rhineland-Palatinate, ドイツ)ら」の概要は以下のとおり。 リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)は、免疫機能が低下した人に重篤な疾患を引き起こす可能性がある。2023年3月、ドイツの3次病院で合成グルココルチコイドの投与を受けている発熱患者3人の血液(n=2)又は胸水(n=1)からリステリア・モノサイトゲネスが分離された。食品提供記録から、薄切りにしたパーボイルド・ソーセージ(parboiled sausage)が原因である可能性が示唆され、リステリア・モノサイトゲネスは、1つの製造業者に由来する密封包装済み薄切りソーセージ及びハムの4検体から分離された。患者及び食品に由来する分離株はアレルの差異が0~4のクラスターを形成した。4つの食品検体すべてにおいてリステリア・モノサイトゲネスの数は、特定条件の非加熱喫食用調理済み(ready-to-eat)製品の欧州連合(EU)規則の閾値である100 CFU(コロニー形成単位)/g未満であった。 本調査結果は、これまでのエビデンスと同様、免疫機能が低下している人は食品中のリステリア・モノサイトゲネスにばく露されるべきでないことを強調する。著者らは、免疫機能が低下している人が侵襲性リステリア症のリスクを減らすために食事を調整できるよう、デリミートが高リスク食品であることを明確に伝えることを推奨する。また、免疫機能が低下している人に向けた食品を調理・取り扱い・保管する介護施設や個人宅のための食事と衛生に関するガイドラインの更新を推奨する。 ・この研究/調査で取り上げたかった事及びその理由は何か? リステリア・モノサイトゲネスは環境中に一般的に存在する細菌であり、特に免疫機能が低下した人に侵襲性リステリア症と呼ばれる重篤な疾患を引き起こす可能性がある。この重篤な疾患は死に至る場合もある。感染は通常、汚染された食品の摂取によって起こる。著者らは、3人の患者が関係する病院での侵襲性リステリア症集団発生の感染源を特定することを目的とした。 ・この研究/調査から何が得られたか? 3人の患者はすべて、同じ日に病院で薄切りの家きん肉のモルタデッラ(mortadella)を喫食していた。同一の製造者に由来するソーセージとハムの未開封包装品4検体からリステリア・モノサイトゲネスが検出された。全ゲノムシークエンス解析により、包装済み薄切りソーセージが3人の患者全員の感染源となったことが確認された。 ・この結果は公衆衛生にどのような意味を持つか? 薄切りソーセージやその他のコールドカット(※薄く切った冷製調理済み肉)は、たとえ完全に加熱調理されていても、高リスク食品として扱われるべきである。免疫機能が低下している人は、これらの食品を完全に避けるか、薄切りにしたばかりのものだけを喫食すべきである。本結果は、免疫機能が低下している人の食品を調理・取り扱い・保管する介護施設や個人宅のキッチンに向けた、明確な食事と衛生に関するガイドラインを提供する必要性を強調する。 |
地域 | その他 |
国・地方 | その他 |
情報源(公的機関) | その他 |
情報源(報道) | Eurosurveillance(2025, 30(7):pii=2400316) |
URL | https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2025.30.7.2400316 |