食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06440580294 |
タイトル | 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/12/13~2025/1/20)を公表(鳥インフルエンザA(H5)ウイルス) (前半1/2) |
資料日付 | 2025年1月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 世界保健機関(WHO)は1月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/12/13~2025/1/20)を公表した(8ページ)。鳥インフルエンザA(H5)ウイルスに関する概要は以下のとおり。 2024年12月12日の前回のリスク評価以降、米国において9人のヒトからインフルエンザA(H5)ウイルスが検出され、カンボジアからはA(H5N1)ウイルス感染の検査確定ヒト症例1例がWHOへ報告された。 1. A(H5)、米国 2024年12月14日、米国はルイジアナ州の65歳超の成人のインフルエンザA(H5)感染の検査確定ヒト症例1例をWHOに通知した。基礎疾患を有する当該患者は、2024年12月初旬に症状を発症し、救急外来を受診した。患者は数日後に症状悪化のため、再び救急外来を受診、肺炎による重体で入院し、抗ウイルス治療が開始された。不幸にも、患者は死亡した。当該患者の家庭内接触者にインフルエンザウイルス陽性と判定された者はいなかった。当該人物は裏庭家きんを所有しており、発症前に敷地内での家きんや野鳥の死亡を確認していた。敷地内の家きんからA(H5N1)ウイルスが検出された。 当該患者に由来する2つの臨床検体から確認されたウイルスは、クレード2.3.4.4b及び遺伝子型D1.1に属するインフルエンザA(H5N1)ウイルスと同定された。これら2つの臨床検体から得られた遺伝子配列のディープシークエンス解析を行い、乳牛、野鳥、家きん、及び米国並びにカナダの他のヒト症例から得られたA(H5N1)ウイルス配列と比較した。これら臨床検体から得られたウイルスのヘマグルチニン(HA)遺伝子配列は、ルイジアナ州や米国の他の場所の野鳥や家きんで最近検出された他のD1.1遺伝子型ウイルスや、カナダや米国で最近検出されたヒト症例のウイルス株、さらには既存のインフルエンザA(H5N1)ワクチン候補ウイルスと近縁であった。 患者の臨床検体の1つのHA遺伝子セグメントにおいて、いくつかの変化が低頻度で検出された。これらの変化は、過去にA(H5N1)ウイルスに感染したヒトの検体でもほとんど確認されておらず、患者の敷地内の家きん由来の検体では検出されなかった。これらの変化は、感染したヒト症例においてウイルスが複製される過程で生じた可能性がある。哺乳類への適応に関連したポリメラーゼ遺伝子の変化は確認されなかった。抗ウイルス薬に対する感受性を低下させる既知の、あるいはそれが疑われるマーカーに関連する変化は確認されなかった。 2024年12月20日から21日にかけて、米国はアイオワ州及びウィスコンシン州の成人のインフルエンザA(H5)ウイルス感染による追加の検査確定ヒト症例2例をWHOへ通知した。これらの患者は2024年12月に症状を発症し、アクティブモニタリングの一環で公衆衛生当局に報告された。これらの患者は入院せず、回復している。両患者とも家きん施設で働いていた際にインフルエンザA(H5N1)にばく露されていた。 2025年1月15日、米国はカリフォルニア州のインフルエンザA(H5)ウイルス感染による検査確定ヒト症例1例を追加でWHOに報告した。当該症例は18歳未満の子供で、インフルエンザA(H5N1)ウイルスに感染した動物やヒトとの接触は確認されていない。報告時点では、当該症例に関する感染源の調査及び接触者のモニタリングが進行中であり、いまのところヒトからヒトへの伝播は確認されていない。報告時点で、当該症例の検体から得られたウイルスの遺伝子配列解析を含む更なる分析が進行中である。 カリフォルニア州では、牛から高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)(H5N1)ウイルスが検出された地域の商用酪農場で働いていた18歳超の人物におけるインフルエンザA(H5)による新たな5症例が検出された。これらの患者は軽症であった。 米国では、低病原性及び高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルスが鳥類から検出されている。2022年以降、HPAI A(H5)ウイルスは48州の商用及び裏庭家きん群から検出されており、1億羽以上に影響を及ぼしている。2022年以降、米国では現在までに67人がA(H5)ウイルス陽性と判定され、そのうち1例を除くすべての症例が2024年に発生している。ばく露源が特定できなかった2例を除き、すべての症例は、A(H5N1)感染家きん又は乳牛へのばく露に関連している。今のところ、米国でインフルエンザA(H5)ウイルスのヒトからヒトへの伝播は確認されていない。米国では、乳牛、野鳥及び飼育鳥類のA(H5N1)ウイルス感染が引き続き報告されている。 2. A(H5N1)、カンボジア 2025年1月10日、カンボジアはKampong Cham州の28歳男性のインフルエンザA(H5N1)感染によるヒト症例1例をWHOに通知した。当該症例は、2025年1月1日に発熱、咽頭痛、胸痛を発症した。患者は地域の2か所の私立診療所を受診し、症状が改善しなかったためプノンペンに行き、1月7日に息切れのため国立病院(重症急性呼吸器感染症(SARI)の定点把握対象施設)に入院した。当該患者は入院時に隔離され、オセルタミビルの投与と対症療法を受けたがその後、1月10日に死亡した。鼻咽頭(NP)及び口腔咽頭(OP)スワブ検体は、1月9日にカンボジア国立公衆衛生研究所においてリアルタイム逆転写PCR(rt-PCR)検査によりインフルエンザA(H5N1)陽性と判定された。カンボジア・パスツール研究所(IPC)は、1月10日に当該結果を確認した。HA遺伝子の塩基配列解析から、ウイルスはクレード2.3.2.1cに属し、2024年にカンボジアの鳥類の間で流行していたウイルスと近縁であることがわかった。系統学的及び分子学的解析が進行中である。 初期の調査によると、当該症例は、自身が居住し家族の消費のために家きんを飼育していた村の農場の監視を務めていた。患者の農場では病気の家きんの報告があり、農場の家きんから検体が採取された。当該症例の接触者からは、追加の症例は検出されなかった。 国際獣疫事務局(WOAH)への報告によると、アメリカ大陸、アジア及び欧州の野鳥及び飼育鳥類において、様々なインフルエンザA(H5)亜型のウイルスが継続的に検出されている。また、海生哺乳類や陸生哺乳類を含め、ヒト以外の哺乳類の感染も報告されている。HPAI A(H5)ウイルスに罹患した鳥類及び哺乳類種のリストはFAOが保持している。 (後半の内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440581294) |
地域 | その他 |
国・地方 | その他 |
情報源(公的機関) | 世界保健機関(WHO) |
情報源(報道) | 世界保健機関(WHO) |
URL | https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment--20-january-2025 |