食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06440480470 |
タイトル | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌の迅速リスク評価書(第3回更新版)を公表 |
資料日付 | 2025年2月3日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は2月3日、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌の迅速リスク評価書(第3回更新版)を公表した。概要は以下のとおり。 1. 疫学的状況 肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)や大腸菌(Escherichia coli)などの腸内細菌目細菌(Enterobacterales)におけるカルバペネム耐性は、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)加盟国の患者及び医療システムにとって重大な脅威となっている。2019年にカルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)に関するECDCの迅速リスク評価の更新が公表されて以降、EU/EEAにおける疫学的状況が悪化し続けていることを示すさまざまな兆候が見られている。これらの兆候には以下が含まれる:(a)病院内でのカルバペネム耐性肺炎桿菌の高リスク系統の継続的な伝播による、EU加盟23か国におけるカルバペネム耐性肺炎桿菌血流感染症の発生率の増加、(b)カルバペネマーゼ遺伝子を有する高病原性肺炎桿菌ST23の医療関連拡散を含む、肺炎桿菌の病原性と耐性の収束、(c)新たに出現したカルバペネマーゼ遺伝子を有する腸内細菌目細菌種、(d)病院内及び医療ネットワークを横断するアウトブレイクの原因となるカルバペネマーゼ遺伝子のプラスミドを介した拡散、(e)市中で広まるリスクのあるカルバペネマーゼ遺伝子を有する大腸菌の高リスク系統分離株(分離症例及びクラスターを含む)の検出の増加。 2. リスク評価 疫学的状況が悪化していることから、EU/EEAにおいてCREがさらに広がる可能性は高い(high)。CRE血流感染症は、主に有効な抗菌性物質治療における投与の遅れや、新たに承認された抗菌性物質が存在するにもかかわらず、代替可能で容易に利用できる治療オプションが限られていることが原因で、高い死亡率に関連している。感染予防・管理(IPC)対策と抗菌性物質スチュワードシップ(管理責任)の一貫した適用により、CREの拡散の抑制は可能であるが、多くの病院でのこれらの実施状況は最適ではなく、カルバペネム耐性肺炎桿菌高リスク系統株やその他の腸内細菌目細菌の持続的な抑制を達成するには不十分となっている。現在の割合でCREの拡散が続けば、その影響は大きい(high)と予想される。CREの拡散を遅らせるために、EU/EEA全体で強力かつ一貫した国家的管理対策が実施された場合、その影響は中程度(moderate)となる。可能性と影響を合わせて考えると、EU/EEAにおけるCREのさらなる拡散のリスクは、高い~非常に高い(high-to-very-high)となる。 3. 勧告 EU/EEAにおけるCREの拡散に関連する危害を抑制・軽減するためには、以下のような取り組みの強化が必要である: ・病院と地域の間での管理対策の全国的な調整を強化し、管理対策の実施において病院を支援する。まだ存在しない場合は、適切な国家レベルでの分野横断的な専門の全国的管理チームを設置すべきである。 ・(薬剤耐性に関する国家行動計画、多剤耐性菌(MDRO)に関する行動計画の一部として、又は単独の文書として)CRE管理計画を策定し、行動と予算を概説し、進捗状況を定期的に公表する。明確な目標を設定し、スケジュールを定める必要がある。 ・カルバペネム耐性肺炎桿菌及びその他のCREの伝播を阻止するために、病院でのIPC対策を強化する。これには、過去12か月間にCREの保有割合が高いことが知られている又は疑われる国や病院に入院していた患者が(※別の病院に)入院する際の無症候性CRE保菌のスクリーニング及び予防的隔離を含む。詳細なIPC対策は「勧告」のセクションに概説されている。 ・選択圧を減らし、カルバペネム系及び新たに承認された抗菌性物質の有効性を維持するために、抗菌性物質スチュワードシップを適用する。これには、CRE感染症に対する国の治療ガイドラインとその実施状況の監査を含む。 ・CREの集団感染源を特定し、伝播の連鎖を明らかにすることで、IPC対策の手引きとするために、体系的なメタデータを伴う、ほぼリアルタイムでの全ゲノムシークエンス解析を含むゲノムサーベイランスを強化する。また、カルバペネマーゼ遺伝子を持つ大腸菌についても、市中関連の感染拡大の早期特定のためにゲノムサーベイランスが必要である。 ・新たに承認された抗菌性物質の的を絞った使用を可能にするために、表現型に基づく薬剤感受性試験やカルバペネマーゼ遺伝子の同定を含む、CREの迅速な検出と特性解析に向けた十分な検査能力を提供する。 ・CRE感染症に適応のある抗菌性物質の技術革新とアクセスを強化する。 (以下略) 当該リスク評価書公表に係るECDCのプレスリリースは以下のURLから閲覧可能。 https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/increase-carbapenem-resistant-enterobacterales-cre-poses-significant-threat-patients |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
情報源(報道) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
URL | https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/carbapenem-resistant-enterobacterales-rapid-risk-assessment-third-update |