食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06440042535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、ディスカッションペーパー「水銀が母体の健康に与える影響」を公表 (3/4)
資料日付 2025年1月29日
分類1 -
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概要(記事) (この記事は 3 / 4 ページ目です)
(前ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440041535)

 飲料水
 イングランドとウェールズ、スコットランド、NIの出産適齢年齢の女性の飲料水からの水銀摂取量(97.5パーセンタイル)はそれぞれ0.027、0.0091、0.0045 μg/kg体重/週である。飲料水に含まれる水銀がすべてMeHgの形態であると仮定すると、これらのばく露量はEFSAのTWI(1.3 μg/kg体重/週)の2.1%、0.70%、0.35%に相当する。
 飲料水のみからのばく露量はTWIをはるかに下回る。出産適齢年齢の女性の97.5パーセンタイルの飲料水摂取量が使用されたため、計算されたばく露量は保守的(conservative(多めの見積り))であると考えられる。
 空気(略)
 土壌(略)
 総合的な特性(Aggregate characterisation)
 複合ばく露評価では、すべてのばく露源からの平均レベルと高レベルの水銀ばく露が考慮された。すべてのばく露源(食品、飲料水、土壌、空気)から水銀に高濃度でばく露されるシナリオでは、推定総ばく露量は0.91 μg/kg体重/週であり、この量はEFSAのTWI(無機水銀(4 μg/kg体重/週)と有機水銀(1.3 μg/kg体重/週))を下回っている。すべてのシナリオでの総ばく露量推定値はEFSAのTWIを下回っているため、水銀による毒性のリスクは低い。
 結論
 水銀は、自然および人為起源の両方から環境中に放出される金属である。水銀はMeHgとして魚類、特にメカジキやマグロのような寿命の長い捕食種に生物濃縮される。魚類由来の食品を大量に摂取する集団は、水銀ばく露に対してより脆弱である。魚類や魚介類製品以外の食品にも水銀が含まれている可能性があるが、そのほとんどは無機水銀の形態である。
 ヒトが経口摂取すると、MeHgは無機水銀よりも広範囲かつ急速に吸収される。MeHgは毛包に入り、胎盤、血液脳関門および血液脳脊髄液関門を通過し、それぞれ毛髪、胎児、脳に蓄積する。食品中の無機水銀は、親油性が低いため、MeHgよりも毒性がかなり低く、これらの体液関門を容易に通過しない。
 MeHgばく露に関連する主な有害影響は、中枢神経系および末梢神経系への毒性である。MeHgは関門を通過できるため、胎児の神経発達期や幼児におけるばく露は非常に懸念される。したがって、妊娠中および授乳中の女性は影響を受けやすい集団である。
 水銀に関して導出された最も新しいHBGVは、以前のJECFAの導出値が依然として適切かどうかを判断するために、2012年にEFSAによって計算された値である。EFSAは、MeHgのTWIを1.3 μg/kg体重/週(JECFAのTWIは1.6 μg/kg体重/週)、無機水銀のTWIを4 μg/kg体重/週(JECFAのTWIと同一)とした。
 食品、水、土壌、空気からの水銀への高い個別および総ばく露評価はすべて、MeHgおよび無機水銀に関するEFSAのTWIを下回るばく露量を推定した。したがって、英国の国民にとって、出産適齢年齢の女性とその胎児に対するリスクは低い。
 委員会への質問
 a) 委員会は、現在の食事、飲料水、土壌、空気からの水銀へのばく露レベルは、妊婦やその胎児にとって懸念すべきものであると考えるか?
 b) 委員会は、MeHgと無機水銀に関するEFSAのTWIが、このリスク評価において受け入れ可能であると考えるか?
 c) 委員会は、このディスカッションペーパーについて他にコメントはあるか?
(参考文献1) SACN, (2011), The influence of maternal, fetal and child nutrition on the development of chronic disease in later life. https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5a7e0601ed915d74e33ef8d3/SACN_Early_Life_Nutrition_Report.pdf
(参考文献2) SACN, (2018), Feeding in the First Year of Life. https://assets.publishing.service.gov.uk/media/5b48c28aed915d481c04f1e2/SACN_report_on_Feeding_in_the_First_Year_of_Life.pdf
(参考文献3) EFSA, (2004), Opinion of the Scientific Panel on contaminants in the food chain related to mercury and methylmercury in food, EFSA Journal, 34, 1-14. https://doi.org/10.2903/j.efsa.2004.34
(参考文献4) COT, (2018), Statement on potential risks from methylmercury in the diet of infants aged 0 to 12 months and children aged 1 to 5 years. https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/cotstatementonmethylmercury.pdf
(参考文献5) ATSDR, (2022), Toxicological Profile for Mercury (Draft for Public Comment).
https://stacks.cdc.gov/view/cdc/117446
(参考文献6) ATSDR, (2024), Toxicological Profile for Mercury. https://wwwn.cdc.gov/TSP/ToxProfiles/ToxProfiles.aspx?id=115&tid=24

(次ページの内容:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu06440043535)
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/The%20effects%20of%20mercury%20on%20maternal%20health