食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06430310314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食品中のブルセラ菌の感染源の認識と回避に関するQ&Aを更新 |
資料日付 | 2025年1月9日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は1月9日、食品中のブルセラ菌の感染源の認識と回避に関するQ&Aを更新した。概要は以下のとおり。 (2014年6月12日版の情報の更新) ブルセラ症は、世界中で動物からヒトに感染する最も一般的な細菌性疾患の1つである。最も重要な感染経路は、(未加熱殺菌の)生乳及び生乳チーズの摂取であり、まれに生肉の摂取により感染することもある。 中欧及び北欧では、家畜群におけるブルセラ症の撲滅に成功しており、現在ではまれにしか発生しない。従って、これらの国では感染する人がほとんどいない。ドイツでは、2000年以降、牛、めん羊、山羊群ではブルセラ症清浄であることが公式に確認されているが、豚群では散発的な発生が報告されている。 しかし、地中海沿岸の一部、アラビア半島、中東、アフリカ、中南米などの地域で生産された動物由来の食品を摂取する際には、ブルセラ症の感染リスクが存在する。これらの地域に旅行する際には、ブルセラ菌感染を予防するために、生乳、生乳製品、生肉を摂取しないようにすることが推奨される。また、感染が定着している地域から輸出される山羊やめん羊のチーズなどの食品についても同様である。 Q1. ブルセラ菌とは何か? A1. ブルセラ菌は芽胞を形成しないが、耐性の高い細菌である。特に、冷やした生乳やヨーグルト中では数日間、室温の水中では数週間から数か月間、宿主外でも生存することができる。ブルセラ菌はヒトにも動物にも同様に感染症を引き起こす可能性がある。しかし、すべての種がヒトへの病原性をもつわけではない。ブルセラ属の種であるBrucella melitensis(めん羊及び山羊のブルセラ症)とBrucella abortus(牛のブルセラ症)は、ヒト感染症の原因の大半を占める。豚のブルセラ症の原因病原体であるBrucella suisは、ヒトで検出される頻度ははるかに低い。 Q2. ブルセラ症とは何か A2. ブルセラ菌による感染症はブルセラ症と呼ばれる。ブルセラ症は、動物からヒトに感染する(「人獣共通感染症」)世界的で最も一般的な細菌感染症の1つである。感染したヒトには、発熱、悪寒、食欲不振、疲労を伴うインフルエンザ様の症状が現れる。未治療のブルセラ症では、長期にわたる発熱の波が典型的に見られる。未治療のブルセラ感染症で死亡する確率は2%未満と低い。しかし、ブルセラ症が慢性化すると、心内膜炎などの臓器疾患を引き起こす可能性がある。 Q3. ブルセラ菌はどのようにヒトに感染するか? A3. ブルセラ菌は主にめん羊、山羊、牛からヒトに感染し、まれに豚によっても感染する。感染は、動物からヒトへ直接感染する場合と、動物由来の食品を介して感染する場合がある。ヒトからヒトへの感染は非常にまれである。 Q4. ブルセラ菌感染の原因となる可能性のある食品は何か? A4. ブルセラ菌は、感染した動物から得られた生の食品を介してヒトに伝播する可能性がある。感染のほとんどは、山羊やめん羊の生乳の摂取、または生乳から作られたチーズやその他の製品の摂取により引き起こされる。 Q5. 当該病原体はドイツにも存在しているか? A5. ブルセラ症に罹患する人の数は、その国の家畜群がどの程度ブルセラ菌の影響を受けているかによる。ドイツでは2000年以降、牛、めん羊、山羊群はブルセラ症清浄と認識されている。豚群ではブルセラ菌感染事例が時々発生する。しかし、これはB. suisという細菌種によるもので、ヒトへの感染はまれである。B. suis Biovar 2は主にイノシシとノウサギに見られるが、ヒトや飼育豚にも感染する可能性がある。ブルセラ症は届出義務のある疾患である。2001年から2022年まで、ドイツでは毎年20~60例のブルセラ症疾患が報告されている。2023年には71例の新規感染者が報告された。ほとんどの患者は、海外の流行地域での滞在時に感染した。多くの場合、山羊の生乳やめん羊の生(未加熱殺菌)チーズの摂取が感染原因であった。 Q6. どの地域で生の食品による感染リスクが存在しているか? A6. ブルセラ症は主に地中海沿岸地域、アラビア半島、中東、アフリカ、中南米で発生する。世界中で毎年最大50万人の新規感染者が報告されている。 ヒトのブルセラ症疾患を持続的に予防するための最も重要な対策は、動物群のブルセラ症の撲滅である。北欧と中欧では、一貫したモニタリングと管理により、動物のブルセラ症はほぼ根絶されている。これらの国々では、ヒトの感染者数はそれに応じて少ない。しかし、地中海沿岸諸国では、動物群のブルセラ症が依然として頻繁に生じている。欧州内では、ポルトガル、スペイン、南イタリア、ギリシャ、トルコが特に被害を受けている。 Q7. 消費者が食品経由のブルセラ菌感染から身を守るにはどうしたらよいか? A7. 消費者は生乳や生肉を摂取しないことにより食品経由のブルセラ菌感染を防ぐことができる。食品は72℃で少なくとも2分間加熱する必要がある。これらの勧告は、流行地域で生産される山羊やめん羊の生乳やそれらから作られるチーズなどの生乳製品に特に関連する。また、この勧告はこれらの地域への旅行だけでなく、これらの地域からドイツ等へ輸出される食品の摂取にも当てはまる。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | https://www.bfr.bund.de/de/brucellen_in_lebensmitteln___infektionsquellen_erkennen_und_vermeiden-190431.html |