食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06420600149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)の冷凍・乾燥・粉末形態の安全性に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2024年12月16日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は12月16日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)の冷凍・乾燥・粉末形態の安全性に関する科学的意見書を公表した(10月30日採択、PDF版28ページ、https://doi.org/10.2903/j.efsa.2024.9101)。概要は以下のとおり。 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)の冷凍・乾燥・粉末形態の安全性に関し、科学的意見を表明するよう求められた。 1. 新食品としての安全性に関する結論 本申請の対象である当該新食品は、冷凍形態、乾燥形態、粉末形態のヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)である。当該新食品は、「ヨーロッパイエコオロギ」としても知られるA. domesticusの成虫の冷凍形態、乾燥形態、粉末形態から構成される。A. domesticusは、コオロギ科(Gryllidae)・コオロギ亜科(Gryllinae)・ヨーロッパイエコオロギ属(Acheta)に属する昆虫である。 当該新食品は、以下の形態にての市販が意図されている。 (A) ブランチング・冷凍したA. domesticus(冷凍AD) (B) ブランチング・乾燥したA. domesticus(乾燥AD) c ブランチング・乾燥・粉砕したA. domesticus(粉末AD) 製造工程は詳述されており、安全性上の懸念を提起しない。NDAパネルは、当該新食品は詳細に特性決定されていると判断する。当該新食品は主として、タンパク質、脂肪、食物繊維(主にキチン)、無機物から構成される。当該新食品のタンパク質含有量は、冷凍形態において19.7 - 20.9 g/100g、乾燥及び粉末形態において61.7 - 68.6g/100 gである。NDAパネルは、キチン由来の非タンパク質窒素が存在するため、窒素 - タンパク質換算係数6.25を適用した場合、実際に含有されるタンパク質含量が過大評価される点を認識している。当該新食品中に含有される汚染物質の濃度は、昆虫飼料中の含有量に依存する可能性がある。飼料に関して適用されるEU法が遵守される限り、当該新食品の摂取に安全性上の懸念は提起されない。 NDAパネルは、全保存可能期間(entire shelf-life)に渡り提案された規格限界が遵守される場合、当該新食品の安定性に関し安全性上の懸念はないことに留意する。 申請者は、当該新食品の各形態を複数の食用品の原材料として市販することを意図している。対象集団は一般集団である。キログラム体重当たりの最高推定摂取量(2 mg/kg体重/日)は、幼児(1 - 3歳未満)における当該新食品・乾燥AD形態に対して算出され、これは、摂取量分布95パーセンタイルにおける270 mg当該新食品/日の推定摂取量に相当する。 NDAパネルは、提案された用途及び用量における当該新食品の摂取は、タンパク質の栄養作用に悪影響を与えないと予想される点、さらに、分析された望ましくない物質類への食事性総ばく露量に実質的には寄与しない点に留意する。 提案された用途及び用量を考慮すると、分析された微量栄養素類に設定されている上限値の何れも超過しないと予想される。 当該新食品中に含有されると報告された抗栄養因子類の濃度は、他の食品中の濃度と同等である。NDAパネルは、キチンはヒトの小腸で有意となる程度には消化されないと予想され、主として、未変化のまま排泄されると想定している。当該新食品の成分組成及び提案されている使用条件を考慮し、NDAパネルは当該新食品の摂取は栄養学上の不利益はもたらさないと結論する。A. domesticusの使用歴及び毒性学的情報からは、さらに、当該新食品の成分組成データからは、如何なる安全性上の懸念も提起されない。NDAパネルは、当該新食品の摂取により、A. domesticusのタンパク質に対する一次感作が誘発される可能性があると判断する。また、甲殻類、ダニ類、軟体動物にアレルギーのある摂取者にもアレルギー反応が生じる可能性があると考える(交差反応性)。くわえて、NDAパネルは、当該新食品には、飼料由来のアレルゲン(グルテン等)が含有される可能性がある点に留意する。 NDAパネルは、提案された用途及び用量において、当該新食品は安全であると結論する。くわえて、NDAパネルは、摂取によりアレルギー反応が生じる可能性があることに留意する。 2. 推奨事項 NDAパネルは、他のアレルゲンとの交差反応性を含め、A. domesticusに対するアレルゲン性に関し、研究を実施することを推奨する。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9101 |