食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06420380104
タイトル 米国疾病管理予防センター(CDC)、有機にんじんに関連した腸管出血性大腸菌O121集団感染に関する情報を最終更新
資料日付 2024年12月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  米国疾病管理予防センター(CDC)は12月18日、有機にんじんに関連した腸管出血性大腸菌O121集団感染に関する情報を最終更新した。概要は以下のとおり。
1. 本集団感染は終息した。これらのにんじんは保存可能期間(shelf-life)を過ぎており、すでに販売されていない。進行中の病原性大腸菌の集団感染が発生していないときでも、病原性大腸菌による疾病から自身を守るための対策を講じることはできる。
2. CDC、複数州の公衆衛生及び規制当局、並びに米国食品医薬品庁(FDA)は、複数州にわたる腸管出血性大腸菌O121集団感染について調査をするために様々な種類のデータを収集した。
3. 疫学及び遡及調査のデータにより、Grimmway Farms社から供給された有機にんじんが大腸菌で汚染されており、病因となった可能性が高いことが示された。
4. 大腸菌の当該集団感染株に感染した48人が19州(カリフォルニア州、ワシントン州、他)から報告された。発症日は2024年9月6日から2024年11月10日までであった。情報が得られた47人のうち、20人が入院し、1人が腎不全を引き起こす可能性のある重症疾患である溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した。カリフォルニア州から1人の死亡が報告された。
5. 公衆衛生当局は、患者の年齢、人種、民族的帰属、その他の人口統計情報、及び患者が発症前の一週間に喫食した食品等、様々な種類の情報を収集する。この情報は調査員が当該集団感染の発生源を特定するのに役立つ手がかりを提供する。
 以下は、本集団感染の患者についての統計情報である(「n」は各統計のための情報が得られた人数)。
・年齢(n=48) 範囲: 1歳~75歳、年齢中央値26歳
・性別(n=48) 女性: 69%、男性: 31%
・人種(n=40) 白人: 90%、アフリカ系米国人/黒人: 8%、アメリカ先住民又はアラスカ先住民: 0%、アジア系: 2%、ハワイ先住民又はその他の太平洋島民: 0%、複数人種を報告: 0%
・民族(n=43) 非ヒスパニック系: 95%、ヒスパニック系: 5%
6. 州及び地方の公衆衛生当局は、発症前の一週間に喫食した食品について患者に聞き取り調査を行った。聞き取り調査を受けた37人のうち、33人(89%)がにんじんを喫食したと報告した。この割合は、FoodNet住民調査(下痢性疾患に関連する様々な食品の喫食頻度を推定するのに役立つ調査)でにんじんを喫食すると報告した回答者の63%よりも有意に高かった。この違いは、本集団感染の患者がにんじんを喫食して発症したことを示唆している。
7. 全ゲノムシークエンス解析(WGS)により、患者の検体に由来する細菌が遺伝的に近縁であることが示された。これは、当該集団感染の患者が同じ食品により発症したことを示唆する。45人の検体由来の細菌のWGS分析では、いずれの抗菌性物質への耐性も予測されなかった。詳細は全米薬剤耐性監視システム(NARMS)のwebサイトで閲覧可能である。志賀毒素産生性大腸菌(STEC)に感染した患者には抗菌性物質の投与は推奨されないため、これらの結果は治療ガイダンスに影響しない。
8. 患者は、複数の店舗から複数のブランドのにんじんを購入したと報告した。FDAは、これらの購入品の一部を遡及調査した結果、この集団感染において、Grimmway Farms社が有機栽培の丸ごとの(カットしていない)にんじん及びベビーキャロットの共通の供給者であることを特定した。FDAはGrimmway Farms社で検査を実施し、環境検体を採取した。屋外で採取された2つの環境検体はSTEC陽性であった。両検体から検出された大腸菌はいずれもヒトに病気を引き起こす可能性があるが、どちらも今回の集団感染で病因となった大腸菌とは一致していない。今回の集団感染で病因となった大腸菌の菌株は環境検体からは検出されなかったが、疫学的及び遡及調査のエビデンスは、リコール対象のにんじんが今回の集団感染で病因となった可能性が高いことを示している。
9. 本集団感染は終息した。これらの製品はもう店舗にはなく、保存可能期間を過ぎている。しかし、あなたの冷蔵庫や冷凍庫の中にあるかもしれない。冷凍庫にリコール対象製品がないか確認し、廃棄するか、購入先に返品すること。病原性大腸菌による疾病から自身を守るため、常に対策を講じること。
10. 2024年11月16日、Grimmway Farms社はこれらのにんじんの自主回収を開始し、販売業者に連絡した。2024年11月21日、リコール対象が拡大され、別のサイズの袋詰めの丸ごとの有機栽培にんじんが追加された。Grimmway Farms社から出荷された可能性のあるにんじんを使用又は再包装した企業により、追加のリコールが実施された。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/疾病管理予防センター(CDC)
情報源(報道) 米国疾病管理予防センター(CDC)
URL https://www.cdc.gov/ecoli/outbreaks/e-coli-o121.html