食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06410580301
タイトル 論文紹介:「集団食中毒調査時の原因生物の分離が困難となる理由:志賀毒素産生性大腸菌(STEC)をモデル病原体とした集団食中毒調査のシステマティックレビュー、2000年~2019年」
資料日付 2024年12月5日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance(2024, 29(49):pii=2400193、doi: 10.2807/1560-7917.ES.2024.29.49.2400193)に掲載されたレビュー「集団食中毒調査時の原因生物の分離が困難となる理由:志賀毒素産生性大腸菌(STEC)をモデル病原体とした集団食中毒調査のシステマティックレビュー、2000年~2019年(Reasons for difficulties in isolating the causative organism during food-borne outbreak investigations using STEC as a model pathogen: a systematic review, 2000 to 2019)、著者C Anthony, K Pearson (Food Standards Scotland, 英国)ら」の概要は以下のとおり。
・序論
 集団食中毒調査では、疫学的、微生物学的及びフードチェーンに関するエビデンスを用いて、関連食品を特定し、リスク管理措置に情報を提供する。
・目的
 志賀毒素産生性大腸菌(STEC)をモデル病原体として、集団食中毒調査における食品又は環境検体からの集団感染株の分離の成功事例を調査し、分離の可能性に影響を及ぼす要因を調べた。
・方法
 PRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(システマティックレビュー及びメタアナリシスのための優先的報告項目))ガイドラインに従い、査読済み文献及び灰色文献から、全世界を対象に食品由来STEC集団感染調査の報告を検索した。
・結果
 包含基準に適合した集団食中毒が合計223件見つかった。137件の調査で食品検体及び/又は環境検体の検査が可能であり、94件(42%)の調査で集団感染株が分離された。集団感染株の分離成功の可能性に対する、STEC血清型又は集団感染の規模の有意な影響は認められなかった。分離の成功率は、牛肉関連集団感染で86%、サラダ及び葉物野菜で50%と、関連する様々な製品で違いがあった。検査可能な検体が入手できた集団食中毒の20%では、集団感染株と同時に別のSTEC株が分離され、6.6%では別のSTEC株のみが分離された。21件の事例では、疫学的エビデンスのみに基づいてリスク管理措置が講じられた。
・結論
 集団感染株が分離されなかった主な理由は、検体が入手できなかったこと、及び検査室の分離に関する方法論的問題であった。疫学的情報に基づく迅速な検体収集など、分離の可能性を向上させることが可能な戦略が推奨される。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance(2024, 29(49):pii=2400193)
URL https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2024.29.49.2400193