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資料管理ID syu06400430294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/9/28~11/1)を公表(鳥インフルエンザA(H5)ウイルス)
資料日付 2024年11月1日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は11月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/9/28~11/1)を公表した(6ページ)。鳥インフルエンザA(H5)ウイルスに関する概要は以下のとおり。
・感染状況(A(H5)、米国)
 2024年9月27日の前回のリスク評価以降、米国において30人のヒトからインフルエンザA(H5)ウイルスが検出されている。20人はカリフォルニア州で検出され、このうち16人については部分ゲノム配列又は全ゲノムシークエンス解析により、乳牛で検出されたウイルスと近縁のクレード2.3.4.4bに属するA(H5N1)ウイルスであることが確認された。これらのうちの9株のウイルスの全ゲノム配列から、これらのウイルスは乳牛で検出されたものと同じ遺伝子型B3.13であることが示された。
 ワシントン州で報告された10人は、鳥インフルエンザウイルスに感染した家きんにばく露されたと報告されている。これらのうち3人の(検体の)遺伝子配列解析では、すべてがクレード2.3.4.4bに属するA(H5N1)ウイルスであり、また殺処分が行われた農場の家きんに感染を引き起こしたウイルスと遺伝的に近縁であることが確認された。米国疾病管理予防センター(CDC)は、ワシントン州の3人に由来するウイルスの部分的な遺伝子配列を得ており、他の症例についても配列解析中である。
 すべての患者は18歳超の成人であると報告されており、軽症で誰も入院はしておらず、全員が報告時点で回復していた又は回復中であった。全患者が軽度の症状を報告した。患者は2024年9月28日から10月26日の間に発症していた。
 以前にミズーリ州で報告されたばく露源が不明な症例に関する集中的な疫学的調査では、動物又は動物製品へのばく露との関連は確認できなかった。当該症例と6人の接触者の血清学的検査では、5人の接触者は陰性であり、当該症例及び症例と同一の症状の発症を報告した1人の家庭内接触者の検体で弱い免疫のシグナルが認められた。これらの結果は、ヒトからヒトへの伝播ではなく、依然として不明である単一の共通のばく露を支持するものである。
 米国では低病原性及び高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルスが鳥類から検出されている。2022年以降、HPAI A(H5)ウイルスは48州の商用及び裏庭家きん群から検出されており、1億羽以上の鳥に影響を及ぼしている。2022年以降、米国では現在までに37人がA(H5)ウイルス陽性と判定され、そのうち1例を除くすべての症例が2024年に発生している。ばく露源が特定できなかった1例以外の症例はすべてA(H5N1)に感染した家きん又は乳牛へのばく露に関連している。米国では乳牛や野鳥、飼育鳥類のA(H5N1)ウイルス感染が引き続き報告されている。
 WOAHへの報告によると、アジア、欧州及びアメリカ大陸の野鳥及び飼育鳥類において、様々なインフルエンザA(H5)亜型のウイルスが継続的に検出されている。また、海生哺乳類や陸生哺乳類を含め、ヒト以外の哺乳類の感染も報告されている。HPAI A(H5)ウイルスに罹患した鳥類及び哺乳類種のリストはFAOが保持している。
・リスク評価
(1)鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染による更なるヒト症例の現在の世界的な公衆衛生上のリスクは?
 現在までのヒト症例のほとんどは、例えば感染した家きん又は生きた家きん市場等の汚染された環境、また時には感染した哺乳類や汚染された環境との接触を通じてA(H5)ウイルスにばく露された人々の感染である。当該ウイルスは、ヒトが接触する動物や関連環境中で検出され続けており、このようなばく露に関連する更なるヒト症例の発生が予想されるが、それは稀である。更なる症例が検出されたとしても、公衆衛生上の影響はごく小さい。新たなヒト症例による全体的な現在の世界的な公衆衛生リスクは低い(low)。
(2)鳥インフルエンザA(H5)ウイルスがヒトからヒトへ持続的に伝播する可能性は?
 最近報告された鳥インフルエンザA(H5)のヒト感染に関連した持続的なヒトからヒトへの伝播は確認されていない。2007年以降、A(H5N1)ウイルスのヒトからヒトへの伝播は報告されていないが、調査においてはギャップが存在する可能性がある。2007年以前では、医療従事者が関係したものも含む、ヒトにおける小規模なA(H5)ウイルス感染クラスターが報告され、これらにおいては限定的なヒトからヒトへの伝播は否定できなかったが、持続的なヒトからヒトへの伝播は報告されていない。
 入手可能なエビデンスでは、蔓延しているインフルエンザA(H5)ウイルスはヒト間での効率的な伝播能力を獲得していないことが示唆されているため、今のところ、現時点で持続的なヒトからヒトへの伝播の可能性は低いと見られる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment--1-november-2024