食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06330950475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、アスリート向けの食品サプリメント及び栄養強化食品の摂取により引き起こされるリスクについて注意を喚起
資料日付 2024年7月17日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は7月17日、アスリート向けの食品サプリメント及び栄養強化食品の摂取により引き起こされるリスクについて注意を喚起した。概要は以下のとおり。
 食品サプリメントや、タンパク質、アミノ酸、植物抽出物を強化した食品は、筋肉量を発達させる又は脂肪量を減らすために、プロ、アマチュアを問わずアスリートに摂取されている。ANSESは、2016年に発出した最初の警告に続き、アスリートの健康のためにも、ドーピングコントロールの際にも、これらの製品の摂取によって引き起こされるリスクについて、アスリート、監督者、医療専門家に改めて警告する。
・アマチュアやプロのアスリートが使用する製品
 アスリートの中には、パフォーマンスの向上を図るために、筋肉量を発達させる又は脂肪量を減らす目的で、食品サプリメントや栄養強化食品に頼る人もいる。
 これらの製品は、従来ボディビルダーが使用してきたが、その摂取は、特にパフォーマンスが筋力や減量に左右されるスポーツに広がる傾向にある。この習慣は、設定されたパフォーマンスの目標を達成するには、普段の食事だけでは不十分であるという根拠のない信念によって助長されている。
 これらの食品サプリメントや栄養強化食品の一部は、インターネットやスポーツジム、薬局で販売されており、トレーニング時、競技前、競技中や競技の後だけでなく、単なる余暇活動の練習時にも摂取されうる。
 2009年~2016年に、アスリート向けの食品サプリメントの摂取に関連する可能性のある有害影響の報告49件が、栄養監視(nutrivigilance)システムに報告された。
 それ以来、ANSESは公衆衛生上の監視を継続している。2016年~2024年2月に、これらの製品の摂取による有害影響の新たな症例154例が報告され、そのうち18例は非常に重症とされた。2人が死亡し、4人が生命にかかわる症状に見舞われた。
 報告された多数の有害影響の中で、心血管系への影響が最も多く、頻拍、動悸、さらには心臓停止が発生した。気分の悪さ、疲労、発熱、めまい等の一般的な症状、消化器系だけでなく神経系への影響(脳卒中)等も記録された。
・禁止物質に注意
 タンパク同化ステロイド、クレンブテロール、エフェドリン等の特定の成分は、心血管機能に対する深刻な有害影響が多いため、摂取が禁止されている。したがって、食品サプリメントにこれらの成分が含まれていることは、不正行為になり、消費者であるアスリートは、健康に対するリスクのほかに、ドーピングコントロール時に異常な分析結果(「検査で陽性反応が出る」)を招きかねない。
 さらに、フランスの規制要件を満たしていても、成分が世界アンチドーピング機構(WADA)によって認可されていない場合がある。
 したがって、アスリートは、競技又はあらゆる状況において、WADAによって禁止されているこれらの物質を識別できる必要があり、摂取する製品の成分に細心の注意を払い、特に欧州規格EN17444:2021に適合する製品を選ばなければはらない。
・あらゆる有害影響を栄養監視に報告すること
 これらの新たな事例を受け、ANSESは2016年に発表したリスク評価作業を補完するために、新しい評価を開始することになった。事例の数と多様性が評価の質を決定するため、ANSESは、食品サプリメントや栄養強化食品の摂取に関連する可能性のあるあらゆる有害影響を栄養監視に報告することの重要性を、医療専門家及び消費者に改めて呼びかける。
 アスリート向け製品に関する勧告事項:
・複数の食品サプリメントや栄養強化食品を同時に摂取しないようにすること、或いはこれらの製品を医薬品と併用しないようにすること。
・これらの製品を摂取する前に、医療専門家、医師やスポーツ栄養士の意見を求めること。
・欧州規格EN 17444:2021に適合した製品を選び、インターネットでの購入は避けること。
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/complements-alimentaires-aliments-enrichis-sportifs