食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06320090149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、食品中の低分子量の有機ヒ素化合物のリスク評価に関する科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2024年7月2日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は7月2日、食品中の低分子量の有機ヒ素化合物のリスク評価に関する科学的意見書(2024年6月4日採択、89ページ、DOI: 10.2903/j.efsa.2024.8844)を公表した。概要は以下のとおり。 欧州委員会はEFSAに対して、食品中の低分子量の有機ヒ素化合物(small organoarsenic species)に関するリスク評価を要請した。モノメチルアルソン酸(monomethylarsoninc acid (MMA(V))に関して、ラットにおける下痢の結果生じる体重の減少が重大なエンドポイントとして特定され、18.2 mg MMA(V)/kg体重/日(9.7 mg ヒ素(As)/kg体重/日に相当)のBMDL10 (訳注 有害影響の発現率10%をもたらすベンチマークレスポンスの95%信頼区間の下限値)がリファレンスポイント(reference point(RP))として計算された。ジメチルアルシン酸(dimethylarsinic acid (DMA(V))に関して、ラットにおける膀胱腫瘍発症率の増加が重大なエンドポイントとして特定された。1.1 mg DMA(V)/kg体重/日(0.6 mg ヒ素(As)/kg体重/日に相当)のBMDL10がRPとして計算された。その他の低分子量の有機ヒ素化合物に関して、毒性学的データは、重大な影響とRPを特定するには不十分であり、リスク評価に含めることができなかった。MMA(V)及びDMA(V)双方に関して、毒性学上のデータベースは不十分であり、ばく露マージン(MoE)法がリスクの特性評価に適用された。 DMA(V)に対する最大の慢性食事性ばく露は「幼児」において推定され、人口集団全体でばく露に主に寄与したのは米及び魚肉であった。MMA(V)に関して、最大の慢性食事性ばく露は、「乳児」の年齢層においては魚肉の摂取の多い乳児、「高齢者」の年齢層においては加工/保存した魚類の摂取の多い高齢者において推定された。MMA(V)に関して、500以上のMoEは健康懸念を提起しないと結論された。MMA(V)に関して、平均的及び高い摂取者に関して全てのMoEは優に500を超えたため、健康懸念を提起しない。DMA(V)に関して、げっ歯類における説得力のある発がん性のエビデンスはあるが、どの程度まで遺伝毒性が発がん性に寄与する要因なのか明らかではない。DMA(V)へのばく露に関連する遺伝毒性の根拠になる機構は不明であるが、EFSAの「フードチェーンにおける汚染物質に関する科学パネル(CONTAMパネル)」は、DMA(V)は閾値がある又は閾値がない機構のどちらか一方、又は両方の機構によってDNA損傷を引き起こすことが考えられると結論した。これらの不確実性を認識して、CONTAMパネルは、遺伝毒性及び発がん性がある物質に関して定められた10,000 以上のMoEは懸念が低いレベルとして適切であると結論した。 DMA(V)に関して、MoEは、食事調査及び年齢グループにわたる多くの事例において、特に95パーセンタイルのばく露量において10,000を下回った。CONTAMパネルは、これは健康懸念を引き起こすと考える。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8844 |