食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06320050108 |
タイトル | 米国環境保護庁(EPA)、パーフルオロデカン酸(PFDA)及び関連塩類についての統合リスク情報システム(IRIS)毒性評価の最終版を公表 |
資料日付 | 2024年7月16日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 米国環境保護庁(EPA)は7月16日、パーフルオロデカン酸(Perfluorodecanoic Acid、PFDA)及び関連塩類についての統合リスク情報システム(IRIS)毒性評価(Toxicological Review)の最終版を公表した。概要は以下のとおり。 EPAは、パーフルオロデカン酸(CAS登録番号:335-76-2)及び関連塩類のIRIS評価を終了した。当該評価は、PFDA及び関連塩類へのばく露に起因する潜在的ながん及び非がんのヒトの健康影響について述べるものである。EPAのプログラム及び地域事務局は、当該評価を用いてヒトの健康を保護するための決定を通知する場合がある。 (以下、エグゼクティブ・サマリーより抜粋) ・発生状況と健康影響の概要 パーフルオロデカン酸(PFDA)及び関連塩類は、パーフルオロ及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)のグループに属する。この毒性学的評価は、PFDAと、pH 4~9の水溶液(例えば、人体内)で完全に電離すると予想されるPFDAの塩類(非金属塩又はアルカリ金属塩を含む)に適用される。したがって、この毒性学的評価は、PFDAに依存しない毒性の寄与の可能性があるため、PFDAの非アルカリ金属塩類には必ずしも適用されないが、パーフルオロデカン酸アンモニウム(PFDA NH4、CAS登録番号:3108-42-7)及びパーフルオロデカン酸ナトリウム(PFDA-Na、CAS登録番号:3830-45-3)を含むPFDA塩類、並びにPFDAの他の非金属又はアルカリ金属塩類には適用される。この毒性学的評価の中で示されたエビデンスの統合及び毒性値の導出は、現在利用可能な毒性データを考慮して、PFDAの遊離酸に焦点を当てている。 PFDAをはじめとするPFASに対する懸念は、これらの化合物が加水分解、光分解、及び生分解に対して耐性があり、これが環境中における難分解性につながっていることから生じている。PFASは環境中に自然に発生するものではない。それらは、熱、油、汚れ、油脂、及び水への耐性があるため、工業用途及び消費者製品で過去数十年にわたって広く使用されてきた合成化合物である。環境中のPFASは、工業用地、軍の消防訓練区域、廃水処理施設、及び商用製品に関連している。(PFDAに特有の情報についてはセクション1.1.3を参照) 全体としては、利用可能なエビデンスにより、PFDAへのばく露は、十分な(sufficient)ばく露条件が与えられた場合、ヒトにおいて肝臓、免疫、発達、及び男女の生殖への影響を引き起こす可能性が高いことが示されている。具体的には、肝臓への影響については、このハザードの結論の主な裏付けとして、ラットにおける相対的な肝臓重量の増加、肝臓損傷の血清バイオマーカー(血清酵素等)の変化、及び病理組織学(壊死を含む)のエビデンスが含まれていた。免疫への影響については、小児における抗体反応の低下が主な裏付けとなるエビデンスに含まれていた。発達影響は、主にマウスにおける胎児体重の用量依存的減少という一貫した所見に基づき、ハザードとして特定され、ばく露によって妊娠中にPFDAが測定されたヒトの研究から得られた出生時体重減少のエビデンスによって裏付けられた。雄の生殖への影響に関するハザード判定の主な根拠は、雄の成体ラットにおける精子数、テストステロン値、雄の生殖組織病理学及び臓器重量にわたる首尾一貫した反応であった。雌の生殖への影響については、雌の成体ラットにおける子宮重量の減少及び発情周期の影響に基づき、ハザード判定を行った。これらの特定されたハザードから選択された定量的データは、生涯及び亜慢性の臓器特異的参照用量(lifetime and subchronic organ-specific reference doses(osRfD))、並びに総合的な生涯及び亜慢性参照用量(overall lifetime and subchronic RfD)の導出のために使用された。 利用可能なエビデンスにより、PFDAへのばく露が、十分なばく露条件下で、ヒトにおける心代謝系及び神経発達系への影響を引き起こす可能性のあることが示唆されている。同様に、内分泌、泌尿器、及びその他の健康影響(血液学的等)についても、ヒト及び動物でのエビデンスがいくつか確認されたが、PFDAがヒトにおいてこれらの健康影響を引き起こす可能性があるかどうかを評価するにはエビデンスは不十分(inadequate)であり、毒性値の導出には用いられなかった。 当該毒性評価全文(2024年7月、444ページ)は、以下のURLから入手可能。 https://ordspub.epa.gov/ords/eims/eimscomm.getfile?p_download_id=549465 |
地域 | 北米 |
国・地方 | 米国 |
情報源(公的機関) | 米国/環境保護庁(EPA) |
情報源(報道) | 米国環境保護庁(EPA) |
URL | https://iris.epa.gov/document/&deid=361797 |