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資料管理ID syu06310350384
タイトル フランス公衆衛生局、「フランスにおけるエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)感染症のゲノムサーベイランスのための新しいcgMLSTにより、2017年~2021年の集団感染事例の検出と調査が可能になった」と題する論文を紹介
資料日付 2024年4月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  フランス公衆衛生局は4月23日、「フランスにおけるエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)感染症のゲノムサーベイランスのための新しいcgMLSTにより、2017年~2021年の集団感染事例の検出と調査が可能になった」と題する論文を紹介した。概要は以下のとおり。
 腸管エルシニア症(enteric yersiniosis)は、欧州で三番目に多い食品媒介性人獣共通感染症であり、主に病原菌Yersinia enterocoliticaによって引き起こされる。フランスでは、エルシニア症の微生物学的サーベイランスは、エルシニア・ナショナルリファレンスラボラトリー(YNRL)で実施されている。2017年以降、分離株は全ゲノムシークエンス解析(WGS)とそれに続く500の遺伝子のYersinia-cgMLST(core genome Multilocus Sequence Typing)によって特性決定されている。
 ここでは、2017年~2021年のY. enterocolitica分離株に関するWGSに基づくサーベイランスのデータを報告する。YNRLは、系統1Aa及び系統1Abの2,497の非病原性分離株と8つの病原性系統に属する5,145の菌株にあたる7,642株のY. enterocoliticaの特性を決定した。病原性分離株のうち、系統4が最も多く(87.2%)、続いて系統2/3-9b(10.6%)、2/3-5a(1.2%)、2/3-9a(0.6%)、3-3b、3-3c、1B、3-3d(各0.1%)であった。
 重要な点は、Y. enterocolitica 種に特化した1,727遺伝子のcgMLST法と、それに続く分離株クラスタリングからなる新しいタイピング法に基づく所定のサーベイランスシステムを開発したことである。分離株のクラスタリングのために、アレル距離(allelic distances(AD))の閾値を特定し、決定した(系統4、系統2/3-5a、系統2/3-9aはAD ? 5、系統2/3-9bはAD ? 3)。
 クラスタリングプログラムは、病原性分離株の遺伝的クラスターを検出するために、2019年に所定のサーベイランスにおいて実施された。合計で、2つ以上の分離株を含む419のクラスターが同定され、これは2019年~2021年に特性決定された分離株3,503株のうちの2,504株に相当する。ほとんどのクラスター(n=325)は、2~5の分離株で構成されていた。
 この新しいタイピング法は、所定のサーベイランスにおける遺伝的クラスターの検出だけでなく、異常な症例群の分子的調査にも有用であることが判明した。
 当該論文(Microbiology Spectrum(2024, 12(6):e00504-24、doi: 10.1128/spectrum.00504-24)は以下のURLから閲覧可能。
https://journals.asm.org/doi/10.1128/spectrum.00504-24
 本記事の情報源のURLは以下のとおり。
https://www.santepubliquefrance.fr/maladies-et-traumatismes/maladies-infectieuses-d-origine-alimentaire/gastro-enterites-aigues/documents/article/a-novel-cgmlst-for-genomic-surveillance-of-yersinia-enterocolitica-infections-in-france-allowed-the-detection-and-investigation-of-outbreaks-in-201
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス公衆衛生局
情報源(報道) フランス公衆衛生局
URL https://www.fsc.go.jp/