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資料管理ID syu06290330294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/3/29~5/3)を公表(鳥インフルエンザA(H9)ウイルス)
資料日付 2024年5月3日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は5月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2024/3/29~5/3)を公表した(7ページ)。鳥インフルエンザA(H9)ウイルスに関する概要は以下のとおり。
A(H9N2)、ベトナム
 2024年3月28日の前回のリスク評価以降、ベトナムからインフルエンザA(H9N2)ウイルス感染によるヒト症例1例が2024年4月9日にWHOへ通知された。
 患者はベトナムのTien Giang省の基礎疾患を有する37歳の男性で、2024年3月10日に発熱を呈し、3月16日に入院した。重症の肺炎と診断され、3月21日に集中治療室(ICU)に移送され、オセルタミビルと抗菌性物質による治療を受けた。4月15日時点で、患者は重篤な状態で集中治療下にある。
 患者は重症ウイルス性肺炎サーベイランス(SVP)を通じて検出された。3月21日に採取された鼻咽頭スワブ検体は、4月1日にホーチミン市のパスツール研究所(PI HCMC)でRT-PCRにより鳥インフルエンザA(H9)ウイルス陽性と判定された。その後、4月8日に当該ウイルスが鳥インフルエンザA(H9N2)ウイルスであることが確認された。
 症例調査の結果、患者は家きん市場の近くに居住しており、家の前で日常的に家きんの取引が行われていることが明らかとなった。患者の自宅付近で死んだ又は病気の家きんの報告はなく、また患者の家庭や近隣の家庭で病気や死んだ家きん、あるいは未加熱調理の家きん製品を摂取したという報告はない。4月2日、患者の居住地と同じコミューン内の2か所の生きた鳥の取引所から7点の家きん検体が採取された。1検体はA(H5N1)陽性で、残りの検体は鳥インフルエンザA(H5N1)、A(H5N6)、A(H5N8)、A(H7N9)、及びA(H9)ウイルス陰性であった。4月4日、患者宅の2羽のガチョウから採取した検体は、A(H5)及びA(H9)ウイルス陰性であった。
 当該患者の濃厚接触者15人に対し、自宅での健康状態の自己監視が要請された。4月15日時点で、当該患者の接触者の間で呼吸器症状を呈した新たな患者の報告や、当該患者が居住する地域での感染発生の報告はない。
 これは、ベトナムで報告された初めての鳥インフルエンザA(H9N2)によるヒト感染例である。
 鳥インフルエンザA(H9N2)ウイルスは、ベトナムを含むアジアの家きんで風土病化している。
・リスク評価
(1)鳥インフルエンザA(H9N2)ウイルス感染による更なる散発的なヒト症例の公衆衛生上のリスクは?
 ヒト症例のほとんどは、感染した家きん又は汚染された環境との接触を通してA(H9N2)ウイルスにばく露された後に発生している。ヒトの感染では、ほとんどの場合、軽度の臨床疾患となる傾向がある。少数の症例は重症又は死に至っており、その多くは基礎疾患を有していた。当該ウイルスは家きん集団において検出され続けているため、更なるヒト症例の発生が予想されるが、それは引き続き稀である。新たに散発的な症例が検出されたとしても、公衆衛生への影響はごく小さい。更なる散発的なヒト症例の全体的な公衆衛生上のリスクは低い(low)。
(2)鳥インフルエンザA(H9N2)ウイルスが持続的にヒトからヒトへ伝播する可能性は?
 上述の事例に関連した持続的なヒトからヒトへの伝播は確認されていない。現在の疫学的及びウイルス学的エビデンスでは、世界インフルエンザ・サーベイランス及び対応システム(GISRS)により評価された現在循環するインフルエンザA(H9N2)ウイルスはヒト間での持続的な伝播能力を獲得していないことが示唆されている。従って、今のところ、持続的なヒトからヒトへの伝播の可能性は低いと見られる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment-3-may-2024