食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06280770532
タイトル メキシコ農業・農村開発省(SADER)、食品の選択肢として昆虫卵の養殖技術を推進することを公表
資料日付 2024年5月11日
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概要(記事)  メキシコ農業・農村開発省(SADER)は5月11日、食品の選択肢として昆虫卵(ahuautle)の養殖技術を推進することを公表した。概要は以下のとおり。
 SADERの公立教育機関であるチャピンゴ自治大学(UACh)の専門家らは、メソアメリカ文明において採取されていたプレヒスパニック時代の食品であるahuautleを、人工池において清潔かつ持続可能な方法で養殖することに成功した。
 その名は、ナワトル(nahuatl)語の「atl(水)」及び「huautli(喜びの種またはアマランサス)」に由来し、アマランサスの穀粒に似ていることから「水のアマランサス」を意味しており、「メキシコのキャビア」としても知られている。
 チャピンゴ温室水族館の担当者であるHiginio Francisco Arias Velazquez氏は、この食品が昆虫卵、中でもaxayacatl(ミギワバエ(Ephydridae)科の水生のハエまたは昆虫(chinche)の幼生)に由来し、プレヒスパニック時代から食生活の一部を成してきたと説明する。
 同氏は、ahuautleがメヒコ州にある水域に特有であり、歴史的・文化的に価値があり、また、80%はタンパク質から成り無脂肪であるため栄養的に価値がある。これらの品質から、国民の食生活にとって栄養価の高い選択肢になると強調する。
 とはいえ、この食品が、汚染や水域の消失による生息地の喪失、土壌の変化、繁殖、消費者の嗜好の変化などの課題を抱えていることを、同氏は指摘する。
 この状況を踏まえ、UAChは、現在及び将来の世代に対して、健康的な食品としてのahuautleの永続性を確保するために、その繁殖・保存のための特別な人工池を設計したとArias Velazquez氏は話す。
 これらの人工池においてahuautleを養殖した後に研究規模を拡大し、その後、El Caracol(※訳注1)、El Fusible(※訳注2)、Nabor Carrillo湖(※訳注3)、及び水利用可能な共有農地(ejidos)などの場所で持続可能な方法によって再現することが可能になると、同氏は強調する。
 汚染物質が確認されたケースもあるが、研究の結果、大学の研究施設において実施されたバイオアッセイで示されたように、卵が清潔な方法で繁殖すれば摂取可能であることが明らかになったと、同氏は話す。
 一方、この専門家は、UAChにおいて実施されたフィールドワークにより、現在6種のahuautleが存在しており、そのうちの1種はcorisella texcocana(訳注:カメムシ目ミズムシ科)であることも判明したと言う。
 また同氏は、UAChにおいてはahuautleを生息地外で繁殖させ、その生態系を再現するだけでなく、この水生昆虫に関して根付いた技術及び文化的知識についても調査していると強調する。
また、温室水族館にはahuautleを繁殖再現するために必要となる要素が全て揃っていると、付け加えた。
※訳注1:メキシコシティの北東、テスココ湖連邦地区北部に位置する国有貯水池
※訳注2:メヒコ州にある潟
※訳注3:テスココ湖連邦地区に位置する湖
地域 中南米
国・地方 メキシコ
情報源(公的機関) メキシコ農業・農村開発省(SADER)
情報源(報道) メキシコ農業・農村開発省(SADER)
URL https://www.gob.mx/agricultura/prensa/fomenta-agricultura-tecnologia-para-cultivar-ahuautle-como-alternativa-de-alimento