食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06270100475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、REACH規制の枠内でリン酸トリフェニル(triphenylphosphate)を高懸念物質として特定するという同庁の提案について情報を提供 |
資料日付 | 2024年4月10日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は4月10日、REACH規制の枠内でリン酸トリフェニル(triphenylphosphate)を高懸念物質として特定するという同庁の提案について情報を提供した。概要は以下のとおり。 リン酸トリフェニルは、難燃剤及び/又は可塑剤として、ポリマー、接着剤、シーリング材、繊維、建築材料、コンピューターなどの電子機器、化粧品、パーソナルケア製品等、多くの用途で使用されている。本物質は、他の多くの有機リン系難燃剤にも不純物としても含まれ、住居内でもよく見つかる。 内分泌かく乱物質に関する国家戦略の枠内で、ANSESはリン酸トリフェニルの内分泌かく乱の可能性を評価した。入手可能な科学的データに基づいて、ANSESは、世界保健機関(WHO)の定義及び欧州委員会(EC)共同研究センター(JRC)の2013年の勧告に従って、本物質が内分泌かく乱物質として定義されるための全てのハザード基準を満たしていることを明らかにした。すなわち: ・内分泌活性、より正確にはエストロゲン活性、アンドロゲン活性及び/又はステロイド産生活性は、魚類においてin vitro及びin vivoの両方で明確に実証されている。 ・魚類の繁殖力及び生殖能力を損なう有害な影響 ・内分泌活性と前述の有害な影響との間に生物学的に妥当と思われる関連性があること。 したがって、リン酸トリフェニルは、魚類や、潜在的に他のいくつかの動物に対して深刻な影響につながる可能性があり、また、環境中に自然に存在する種の生存を損なう可能性がある。 魚類の生殖に対する有害な影響は、環境中に存在する可能性のある濃度で認められた。さらに、入手可能なデータは、リン酸トリフェニルが野生種から検出されるだけでなく、難燃剤に含まれる別の有機リン系生成物と結合してヒトの体液からも検出されていることを示している。これらの同時ばく露(co-exposure)は、さらなる懸念となっている。 リン酸トリフェニルの内分泌かく乱特性は、REACH規則の枠内で、高懸念物質(SVHC)として本物質が特定されるのに十分なレベルの懸念を示している。 この特定は、欧州連合(EU)域内で本化学物質の使用をより適切に規制することをねらいとしている。これにより、規制の観点から見て、このハザードの特性を認めることが可能となるため、本物質の安全な使用条件を規定するために企業が実施するリスク評価において、当該特性が考慮されるであろう。さらに、この規制上の承認により、欧州で製造又は輸入される製品中に質量パーセントで0.1%を超えて本物質が含まれることを通知する、及び本物質を0.1%以上含有する製品の使用者に対してその存在を表示する義務が生じるであろう。 また、フランスでは、2023年1月1日から、廃棄物対策と循環型経済に関する法律(通称: AGEC法)が、廃棄物を発生する製品の環境面の品質と特性、特に危険物質の存在に関する消費者向けの情報を定めているため、「SVHCを含有する」という文言は、SVHCを含有する市販品に適用されなければならなくなる。 ANSESの本提案は、欧州化学品庁(ECHA)のウェブサイトで4月15日まで公開協議に付されている。 当該意見書(12ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。 https://www.anses.fr/fr/system/files/REACH2023REACh0139.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/triphenylphosphate-pe-especes-environnement |