食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06180560475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、植物保護製剤の使用がマルハナバチの個体群に及ぼす有害影響を明らかにした研究を紹介 |
資料日付 | 2023年11月30日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は11月30日、植物保護製剤の使用がマルハナバチの個体群に及ぼす有害影響を明らかにした研究を紹介した。概要は以下のとおり。 ANSESが貢献した研究が、植物保護製剤の使用に関連したマルハナバチの個体群に対する有害影響を明らかにした。実際、植物保護製剤の残留物の量が最も多く測定された場所では、コロニーの子孫数は少なくなり、体重の低下がみられた。この研究成果は、2023年11月29日にNature誌に掲載された。 ・研究はどの枠組みで行われたのか? この研究作業は、2018年~2023年に、ANSESを含む欧州14か国のパートナーを招集したPoshbeeプロジェクトの枠組みで実施された。その目的は、花粉媒介者(ポリネーター)の化学製品へのばく露と、その健康への影響をより良く実証することであった。セイヨウミツバチ(Apis mellifera)、セイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)(以下、「マルハナバチ」とする)、野生のミツバチであるツツハナバチの3種の花粉媒介者を研究対象とした。そのねらいは、生態学的・生物学的にはっきり異なる特性を有する花粉媒介種を研究に組み入れることであった。セイヨウミツバチに加えて、マルハナバチとツツハナバチが選ばれたのは、同じ植物に授粉しないからである。 ・マルハナバチに関する研究の主な結論とは? Nature誌に掲載された本研究結果は、特に農薬の使用がマルハナバチに及ぼす影響にかかわるもので、8か国の106か所で実施された測定によるものである。それぞれの場所について、マルハナバチが巣に持ち帰った花粉に含まれる植物保護製剤を特定し、定量化した。これらの製品のうち、マルハナバチにとって最大のリスクとなるのは殺虫剤である。農薬ばく露が最も少ない場所に定着したコロニーは、他のコロニーよりも50%多く子孫を残している。 また、研究対象のマルハナバチのコロニーの60%で、体重が10%以上減少した。10%の減少という値は、植物保護製剤にばく露される花粉媒介者の保護に関する欧州のガイダンス文書の改訂において、欧州食品安全機関(EFSA)によって閾値として提案されていた。同機関は、マルハナバチの生育を脅かさないように、マルハナバチのコロニーは体重を10%以上減らすべきではないと考えた。 (中略) ・これらの研究成果は、植物保護製剤の評価とその影響のモニタリングの改善にどのように貢献するのか? 研究成果は、植物保護製剤の規制評価を改善し、上市された製品の有害影響のモニタリングを向上させるのに有益である。当該論文等、Poshbeeプロジェクトから生み出された研究論文は、ANSESの 植物保護製剤監視(フィトファーマコビジランス(phytopharmacovigilance))によって分析され、観察された影響が、より詳細な調査の実施やモニタリングの強化等の対策を必要とする警告に相当するかどうかを決定する。また、マルハナバチに関する研究は、植物保護製剤の評価に使用される方法論と、それらと花粉媒介昆虫の健康との関連性について検討の材料を提供する可能性もある。 当該プレスリリース(英語)は以下のURLから閲覧可能。 https://poshbee.eu/news/5597_commonly-used-pesticides-are-still-harming-bees/ 当該論文は以下のURLから閲覧可能。 https://anses.hal.science/anses-04315918 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/bourdons-usage-pesticides |