食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06150340475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、2017年以降に同庁が実施したプロスルホカルブに関する研究について要約的説明を報告 |
資料日付 | 2023年10月3日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は10月3日、2017年以降に同庁が実施したプロスルホカルブ(Prosulfocarb)に関する研究について要約的説明を行った。概要は以下のとおり。 プロスルホカルブは、フランスで二番目に多く販売されている除草剤有効成分である。プロスルホカルブを主成分とする製品は主に穀類、ジャガイモ、一部の野菜作物に使用されている。ANSESは2017年以降、以下の2つの主な理由により、これらの製品に関連する複数の作業を行ってきた。 ・フランスでは、散布面積が広く1ヘクタール当たりの散布量が多いため、大量のプロスルホカルブが使用されている。 ・本有効成分の揮発性の高さが、散布後も大気中の飛散を促している。 こうした状況を考慮して、ANSESは、同庁の2020年の懸念物質に関する報告書の中で、プロスルホカルブを特別な注意に値する植物保護物質のリストに加えた。毒性学的な観点から、本物質は発がん性、変異原性、生殖毒性として分類されていない。しかし、ばく露されたヒトに皮膚反応を引き起こす可能性がある。 フランスを含む複数の欧州諸国が、非散布作物由来の食品におけるプロスルホカルブの残留物の存在を報告している。植物保護製剤監視(フィトファーマコビジランス(phytopharmacovigilance))の分析の結果、ANSESは2018年に製品の散布条件を強化した。特に、散布時のドリフトを少なくとも66%低減するノズルの使用を義務付けた。 有効成分プロスルホカルブは現在、欧州レベルで評価中である。その承認は、欧州委員会(EC)によって、2027年1月31日まで延長されたところである。 1. プロスルホカルブに関する報告書の分析レビュー ・非標的作物における残留物 ANSESはフランスにおいて、植物保護製剤監視システムの枠組みで、特にリンゴ、クレソン、キバナクレソンに対して、プロスルホカルブが使用されていないのに、これらの作物にプロスルホカルブが残留しているという複数の報告を分析した。製品の使用条件が強化された後、ANSESは食品中のプロスルホカルブの存在に関する最新データを用いて本分析を更新した。分析では、いくつかの非標的作物におけるプロスルホカルブの望ましくない存在が依然として観察されていることが確認された。食品中で測定された濃度レベルは、消費者に対するリスクの基準値(seuil)を超えていない。しかし、非標的作物におけるこのような残留物の異常な存在により、一部の生産物は廃棄処分とされ、もはや販売することはできない。 ・環境大気中のピーク濃度 植物保護製剤監視の枠組みにおけるANSESのパートナーであるAtmo Nouvelle-Aquitaine(※訳注: ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏の大気観測所)は2022年に、Plaine d’Aunis (フランス西部、シャラント=マリティム県)で大気中のプロスルホカルブについてピーク濃度が2021年秋に観測されたことを報告した。これらの測定値を分析するため、ANSESは2018年~2019年の環境大気中の農薬測定値に関する全国探索的調査活動の結果の解釈に用いられた手法の一つを拠り所とした。その結果、同庁は、環境大気中のこれらの濃度レベルは健康上の脅威とならないと結論した。 2. 周辺住民のリスク評価の更新 この背景の中で、ANSESは製品散布時のばく露に関する方法論の最近の発展を考慮し、周辺住民のリスクに関する新たな評価を行った。この更新は、プロスルホカルブに関する農業省の評価要請(saisine)の一環を成すものである。 ばく露量を推算するために、ANSESは、住民と現場に居合わせる人々の保護をより一層強化するため、欧州食品安全機関(EFSA)が2022年に再更新したばく露量推定方法を用いた。 この評価の結果、ANSESは、散布時に作物から10メートル以内にいる子供について、主に経皮ばく露の場合に安全性の基準値を超える可能性を否定できなかった。 したがって、ANSESは2023年10月に、これらの即効性のある製品の新しい使用条件を義務付けることを決定した: ・1ヘクタール当たりのプロスルホカルブの最大認可使用量を少なくとも40%削減すること。 ・散布時のドリフトを90%低減可能な農薬散布農業資材(ノズル)を使用し、住宅地区から10メートルの安全距離を遵守することを義務付けること、又はこのようなより性能の良いノズルを備え付けるまでの間は20メートルの安全距離を適用すること。 2024年6月30日までに、これらの製品の販売認可の所持者は、この新しい使用条件が周辺住民のばく露低減に及ぼす影響に関するデータを必ず提出しなければならない。説得力のある証拠がない場合、認可は即刻取消される。 当該報告書「プロスルホカルブによる非標的作物由来の食品の汚染の報告に関する分析報告書」(57ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能。 https://www.anses.fr/fr/system/files/PPV2017SA0150Ra.pdf プロスルホカルブの代替品とその活用の研究に関するフランス国立農業食品環境研究所(INRAE)の報告書は以下のURLから閲覧可能。 https://hal.inrae.fr/hal-04050806 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/prosulfocarbe-point-travaux-anses |