食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100620301
タイトル 論文紹介:「2023年3~4月に発生したイングランドにおける地域的な飲食店に関連するSalmonella Enteritidis集団感染の調査により、広範な国際的クラスターの感染源としての卵に関する追加的なエビデンスが提供された」
資料日付 2023年7月6日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance(2023, 28(27):pii=2300309、doi: 10.2807/1560-7917.ES.2023.28.27.2300309)に掲載された論文「2023年3~4月に発生したイングランドにおける地域的な飲食店に関連するSalmonella Enteritidis集団感染の調査により、広範な国際的クラスターの感染源としての卵に関する追加的なエビデンスが提供された(Local Salmonella Enteritidis restaurant outbreak investigation in England provides further evidence for eggs as source in widespread international cluster, March to April 2023)、著者HE Benson (East of England Health Protection Team, UK Health Security Agency, 英国)、E Heinsbroek (Field Service East of England, UK Health Security Agency, 英国)ら」の概要は以下のとおり。
 著者らは、イングランドのS. Enteritidisの5-SNP(一塩基多型)クラスター(訳注:分離株間のSNP差(閾値)を5とするクラスター )について報告している。このクラスターは、世界規模のS. Enteritidis ST11のクラスターの一部である。47例の確定症例が調査され、うち25例が1か所の飲食店と関連付けられた。また、飲食店ばく露のあった18例の可能性例(probable case)が見つかった。疫学的調査により、卵又は鶏肉が当該集団感染の原因である可能性が最も高いことが示唆されたが、この2つの食品媒介物を区別することはできなかった。現在継続中のフードチェーンの調査では、ポーランドから輸入された卵との関連が示されている。
(以下、「考察」より抜粋)
 サルモネラ属菌は集団食中毒の主要な原因であり、家きん製品はS. Enteritidisの集団感染にたびたび関係している。疫学データ、食品追跡データ及び微生物学的データの迅速な複数国間での共有には、公衆衛生上特筆すべき価値があり、全ゲノムシークエンス解析(WGS)の利用の増加は、菌株の識別能力の向上をもたらすだけでなく、国境を越えた脅威の検出力の向上や、疫学的及び食品供給チェーンの状況に基づいた追加的な分析オプションとなり得る。
 当該集団感染調査は、国際的な背景から高い重要性を持つ。2014年以降、欧州では、10-SNPクラスター「1.2.3.18.180.%」として英国健康安全保障庁(UKHSA)で定義された、EnteroBaseのcgMLST階層クラスター「HC5_2301」と一致する国際的に広がっているクラスターが確認されている。この大規模なクラスターは、欧州中の複数の起源に由来する鶏肉又は卵の消費と関連している。著者らが調査した集団感染株の塩基配列は、「1.2.3.18.180.7268.%」/「HC2_316378」として特定された5-SNPクラスターに属し、これは欧州で流行する10-SNPクラスター「1.2.3.18.180.%」/「HC5_2301」の一部を構成する。これらの症例は短期間での1か所の飲食店へのばく露が共通しており、このことは関与している可能性のあるフードチェーンを解明する機会を提供した。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance(2023, 28(27):pii=2300309)
URL https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2023.28.27.2300309