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資料管理ID syu06090370294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/4/25~5/31)を公表(豚インフルエンザウイルス)
資料日付 2023年5月31日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は6月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/4/25~5/31)を公表した(6ページ)。豚インフルエンザウイルスに関する概要は以下のとおり。
・感染状況
 インフルエンザA(H1N2)変異型ウイルス(A(H1N2)v)
 2023年4月24日の前回のリスク評価以降、2023年5月11日にインフルエンザA(H1N2)vウイルス感染によるヒト症例1例の情報を台湾疾病管理センター(TCDC)から受信した。
 患者は16歳の女子学生で最近の海外渡航歴はなく、3月13日にインフルエンザ様の症状を発症した。患者は3月14日に小児診療所で受診し、迅速検査によりA型インフルエンザ陽性と判定された。患者はオセルタミビルの処方を受け、3月16日に症状は治まった。当該診療所は、自治体の呼吸器病原体サーベイランスにおける監視対象診療所の一つであった。更なる検査のため、鼻咽頭スワブ検体がリファレンスラボラトリーへ送付された。4月21日、当該呼吸器分離ウイルス株が豚由来のインフルエンザA(H1N2)vウイルスであることが確認された。
 塩基配列解析の結果、そのヘマグルチニン(HA)遺伝子及びノイラミニダーゼ(NA)遺伝子の配列から、当該ウイルス株(A/Taiwan/1/2023(H1N2)vと名付けられた)は、数十年間地域的に循環している可能性がある豚インフルエンザA(H1N2)ウイルスに由来するHA及びNA遺伝子セグメントを有する新たな遺伝子再集合ウイルスであることが示された。その他の6つの内部遺伝子はヒトインフルエンザA(H1N1)pdm09ウイルスに由来する。そのHA(H1)はインフルエンザ・クレード1A(Eurasian Avian-like)に属し、A/Taiwan/2021(H1N2)vと94%の類似性を示した。NAタンパク質にはNAインヒビターに対する耐性に関連するアミノ酸の変化は見られず、未だNAインヒビターに対し感受性であることを示している。
 患者は、患者の学校に関連する農場において家きん及び豚と接触していた。これらの農場の豚はインフルエンザに陰性と判定された。その他の学生でインフルエンザ様症状を発症した者はいなかった。1人の接触者がインフルエンザ様症状を発症したが、インフルエンザ及びCOVID-19に陰性と判定された。3名の家族にはインフルエンザ様の症状はなく、血清学的検査で陰性が確認された。
・リスク評価
(1)豚インフルエンザウイルス感染の更なるヒト症例が発生する可能性
 豚インフルエンザウイルスは世界中の多くの地域の豚集団の間で循環している。地理的な位置により、これらのウイルスの遺伝的特性は異なる。ほとんどのヒト症例は感染した動物あるいは汚染された環境との接触を通じて豚インフルエンザウイルスにばく露されている。ヒトの感染はほとんどの場合、軽度の臨床疾患となる傾向がある。これらのウイルスは豚集団で検出され続けているため、更なるヒト症例が予想される。
(2)豚インフルエンザウイルスがヒトからヒトへ伝播する可能性
 現在のエビデンスでは、これらのウイルスはヒトの間での持続的な伝播能力を獲得していないことが示唆されているため、その可能性は低い。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment--31-may-2023