食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06070530104 |
タイトル | 米国疾病管理予防センター(CDC)、MMWR Surveillance Summariesにて小売食品施設における集団食中毒に関する調査報告を公表 |
資料日付 | 2023年5月30日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 米国疾病管理予防センター(CDC)は5月30日、MMWR Surveillance Summaries (2023, 72(No. SS-6):1-11、doi: 10.15585/mmwr.ss7206a1)にて「小売食品施設における集団食中毒 - 米国環境評価報告システム(NEARS)、米国25州及び地方保健局、2017年~2019年」と題する調査報告を公表した。概要は以下のとおり。 1. 問題/状況 州及び地方の公衆衛生局は毎年、小売食品施設(飲食店又はケータリング施設等)に関連する何百件もの集団食中毒をCDCへ報告している。通常、その調査には疫学、検査及び環境衛生の要素が含まれる。保健局は、集団食中毒調査から得られた疫学的データ及び検査データを、全米集団発生報告システム(NORS)を通じて自主的にCDCへ報告しているが、NORSに報告される集団感染調査に由来する環境衛生データは最小限である。本報告では、集団感染調査で収集され、米国環境評価報告システム(NEARS: National Environmental Assessment Reporting System)(仮訳)に報告された環境衛生データについてまとめている。 2. 対象期間 2017年~2019年 3. システムについて 2014年、CDCはNORSによるサーベイランスを補完し、これらのデータを利用して予防活動を強化するためにNEARSを立ち上げた。州及び地方の保健局は任意で、小売食品施設の集団食中毒調査で得られたデータをNEARSに入力している。これらのデータには、集団食中毒の特徴(病因や集団食中毒に寄与した要因など)、集団食中毒が発生した施設の特徴(1日に提供する食事数など)、及びこれらの施設の食品安全方針(病気の従業員に関する要件など)が含まれる。NEARSは、集団食中毒が発生した小売施設の環境の特性を収集する唯一の利用可能なデータソースである。 4. 結果 2017年から2019年の間に、875か所の小売食品施設に関連する合計800件の集団食中毒が25の州及び地方の保健局によりNEARSに報告された。病原体が確定又は推定された集団食中毒(800件中555件(69.4%))のうち、最も多く見られた病原体はノロウイルスで、次いでサルモネラ属菌であり、それぞれ集団感染の47.0%及び18.6%を占めた。62.5%の集団感染で寄与した要因が特定された。寄与した要因が特定された集団感染の約40%では、病気や感染症の食品従事者による食品汚染に関連する要因が少なくとも1件は報告されていた。 調査員は、679件(84.9%)の集団感染で施設管理者の聞き取り調査を実施した。聞き取り調査を受けた725人の管理者の大部分(91.7%)が、施設には食品従事者が病気になった場合に管理者に通知することを求める決まりがあったと答え、66.0%がこれらの方針は文書化されていると回答した。23.0%のみが、従業員が管理者に通知する必要がある5つの疾病症状(すなわち、嘔吐、下痢、黄疸、発熱を伴う喉の痛み、膿を伴う病変)すべてをその方針に記載していると答えた。ほとんどの管理者(85.5%)は、自身の施設に、病気の従業員の仕事を制限又は禁止する方針があると答え、62.4%がこれらの方針は文書化されていると回答した。しかし、仕事の制限又は禁止を要する5つの疾病症状すべてをその方針に記載していると回答したのは17.8%のみであった。また、集団食中毒が発生した施設の16.1%のみが、病気又は感染症の従業員に関する4つの要素すべてに対応した方針を有していた(すなわち、従業員が病気になった場合に管理者への通知を求めること、従業員が管理者に通知する必要がある5つの疾病症状すべてを明記していること、病気の従業員の仕事を制限又は禁止すること、仕事を制限又は禁止する必要がある5つの疾病症状すべてを明記すること)。 5. 解釈 ノロウイルスはNEARSに報告された集団感染の原因として最も多く特定され、病気又は感染症の食品従事者による食品の汚染が、寄与要因が特定された集団感染の約40%に寄与していた。これらの結果は、他の全国的な集団感染データから得られた知見と一致しており、集団食中毒における病気の従業員の影響を強調している。管理者の大多数が、自身の施設には病気の従業員に関する方針があると回答したが、これらの方針はしばしば、食中毒のリスクを軽減するための構成要素が欠けている。病気又は感染症の食品従事者による食品の汚染は、集団感染の重要な原因であるため、既存の方針の内容や実施について再検討し、改善する必要があるかもしれない。 6. 公衆衛生対策 小売食品施設は、適切な手指衛生や病気又は感染症の従業員の仕事を禁止することにより食品を汚染から守ることで、ウイルスによる集団食中毒を減らすことができる。従業員による食品の汚染を防止する方針の策定と実施は、集団食中毒を低減するために重要である。NEARSのデータは、食品安全方針と実践(特に病気の従業員に関する事項)の間のギャップを特定するのに役立つ可能性がある。特定の集団感染の病因・食品と集団感染の寄与要因を関連付ける層別化されたデータをさらに分析することは、施設の特徴や食品安全方針・慣行が集団食中毒とどのように関連しているかを説明し、効果的な予防アプローチを策定するための指針として役立つ可能性がある。 |
地域 | 北米 |
国・地方 | 米国 |
情報源(公的機関) | 米国/疾病管理予防センター(CDC) |
情報源(報道) | 米国疾病管理予防センター(CDC) |
URL | https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/ss/ss7206a1.htm |