食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06040400301
タイトル 論文紹介:「プロバイオティクスに頻繁に用いられる細菌の薬剤耐性遺伝子の調査、1901~2022年」
資料日付 2023年4月6日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  Eurosurveillance (2023, 28(14):pii=2200272、doi: 10.2807/1560-7917.ES.2023.28.14.2200272)に掲載された論文「プロバイオティクスに頻繁に用いられる細菌の薬剤耐性遺伝子の調査、1901~2022年(A survey on antimicrobial resistance genes of frequently used probiotic bacteria, 1901 to 2022)、著者AG Toth, N Solymosi (Centre for Bioinformatics, University of Veterinary Medicine Budapest, ハンガリー)ら」の概要は以下のとおり。
・背景
 薬剤耐性(AMR)は、主に細菌のゲノム上に存在する遺伝子(ARG)であるAMR決定因子により引き起こされる。バクテリオファージ、組み込み型可動性遺伝因子(iMGE: integrative mobile genetic element)又はプラスミドは、水平遺伝子伝達(HGT: horizontal gene transfer)により細菌間のARGの交換を可能にする。ARGを有するものも含め、細菌は食品中から検出される。従って、消化管内では、腸内細菌叢を構成する細菌が食品からARGを取り込み得ると思われる。
・目的
 本研究の目的は、非発酵食品、発酵食品又はプロバイオティクス栄養補助食品とともに人体に入る可能性のある、一般的に使用されているプロバイオティクス細菌が保有するARGについての知見を得ること、そしてARGの可動性について評価することであった。
・方法
 一般に利用されるプロバイオティクス細菌の12種579株の次世代シークエンス解析全ゲノムデータを公開リポジトリから収集した。バイオインフォマティクスツールを用いて、ARGを分析し、可動性遺伝因子との関連を評価した。
・結果
 薬剤耐性遺伝子は8つの細菌種で検出された。各細菌種のARG陽性/陰性サンプルの割合は以下のとおり:Bifidobacterium animalis (65/0)、Lactiplantibacillus plantarum (18/194)、 Lactobacillus delbrueckii (1/40)、Lactobacillus helveticus (2/64)、Lactococcus lactis (74/5)、 Leucoconstoc mesenteroides (4/8)、Levilactobacillus brevis (1/46)、Streptococcus thermophilus (4/19)。ARG陽性サンプルの66%(112/169)において、少なくとも1つのARGがプラスミド又はiMGEに関連付けることができた。バクテリオファージに関連付けられたARGは見つからなかった。
・結論
 ヒトの消費を意図したプロバイオティクス細菌株中に潜在的な可動性ARGが見つかったことは、消化管におけるARGの水平伝播の可能性を想起させる。既存の勧告に加え、発酵食品又はプロバイオティクスに用いられる細菌株に対するARGの内容や移動特性についてのスクリーニングの実施も検討され得る。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance (2023, 28(14):pii=2200272)
URL https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2023.28.14.2200272