食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06020070378
タイトル 欧州委員会(EC)は、水政策枠組み指令(Water Framework Directive)における優先物質(トリブチルスズ化合物)の環境基準案についての科学的意見書を公表
資料日付 2023年3月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州委員会(EC)は2023年3月9日、水政策枠組み指令(Water Framework Directive)における優先物質(トリブチルスズ化合物)の環境基準案についての科学的意見書を公表した。概要は、以下のとおり。
 トリブチルスズ(Tributyltin (TBT))化合物の環境基準(Environmental Quality Standards (EQS)) (訳注※1)に関する書類は、EQS書類に関する一般的な指令に従って、保健衛生・環境及び新興リスクに関する科学委員会(SCHEER)によって審査される。
 TBTについては、SCHEERへの依頼は底生生物のQSを精査することに限定された。SCHEERは、実験毒性値の最低値15.8 μg/kg乾燥重量(dw)にアセスメント係数(Assessment Factor (AF)) (訳注※2)として50を適用して算出されるQSの提案値0.3 μgTBT/kg(dw)を支持しない。代わりに、SCHEER は、2018年のEQS技術的ガイダンスに従って、AF = 10を適用し、丸めた値1.6 μgTBT/kg(dw)をQS堆積物,淡水(eco) (訳注※3)として算出する。SCHEERは、1.6 μgTBT/kg(dw)をQS堆積物,海水(eco)としても支持するが、最も影響を受けやすい分類群(泥底の堆積物中に棲息する軟体動物)の海洋データが入手できるまでは、この値を予備的とみなす。
 海水と淡水の試験システムは、感度が異なる。その理由としては、海底堆積物中のTBTの生物学的利用能(bioavailability)が低いことが考えられる。そのため、海水と淡水のデータを利用して、共同で種の感受性分布(species sensitivity distribution (SDD))を推定することはできない。海洋生物と淡水生物それぞれに関して収集されたデータ量は、それぞれのSSDを推定するには不十分であるため、SCHEERは、現在、堆積物中のTBTについて確率的QS(probabilistic QS)を導き出すことはできないとの見解を示している。堆積物の最も重要なEQSは、QS堆積物,淡水(eco)とQS堆積物,海水(eco)の確定値(deterministic value) 1.6 μgTBT/kg(dw)である。指令に伴い、他のQSとの比較はこれ以上行われなかった。
(訳注※1) EQSは、「水、堆積物、生物相において特定の有害物質または有害物質群が、ヒトの健康と環境を保護する上で超えてはならない濃度」と定義されている。
(訳注※2) 底生生物の長期毒性試験によって得られた無影響濃度(No Observed Effect Concentration (NOEC))または10%影響濃度(EC10)から、QS堆積物,淡水(eco)、QS堆積物,海水(eco)を推定するために用いられる係数。2018年のEQS技術的ガイダンスでは、AFとして100、50、または10の適用が推奨されている。
(訳注※3) 記事原稿では、QSsediment,fw,ecoと表記されている
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州委員会(EC)
情報源(報道) 欧州委員会(EC)
URL https://health.ec.europa.eu/publications/scheer-scientific-opinion-draft-environmental-quality-standards-priority-substances-under-water-18_en