食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06010100141
タイトル ブラジル保健省、ロライマ州(アマゾン熱帯雨林地域)の魚において高濃度の水銀を検出した研究結果を公表
資料日付 2023年2月14日
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概要(記事)  ブラジル保健省は2月14日、ロライマ州(アマゾン熱帯雨林地域)の魚において高濃度の水銀を検出した研究結果を公表した。概要は以下の通り。
 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)、社会環境研究所(ISA)、エバンドロ・シャガス研究所、ロライマ連邦大学(UFRR)の研究者が行った調査では、ブランコ川流域の4地点中3地点で採取した魚において、国連食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が定めた基準値(※)と同等かそれ以上の水銀濃度が検出された。
 本調査は、Filhote(訳注:Brachyplatystoma filamentosum、ナマズの一種)などの肉食魚の一部の種では汚染が極めて高く、摂取上の安全レベルが摂取量に関わらず、もはや存在しないことを警告する。
 本調査によると、ボア・ヴィスタのブランコ川(25.5%)、ブランコ川下流域(45%)、ムカジャイ川(53%)、ウラリコエラ川(57%)の各区域で高い汚染率が示されている。「ムカジャイ川及びウラリコエラ川付近に設置されている無数の違法な金採掘が原因であろう」と研究者は指摘する。
 先住民ヤノマミ族の土地に最も近いウラリコエラでは、採取された魚10匹のうち6匹がWHOの定める基準値(※)を超える水銀値を示した。
 州都ボア・ヴィスタの高台にあるブランコ川では、採取した魚10匹のうちおよそ2匹が食用に適さないという結果が出ており、ヤノマミ族の土地から遠く離れたボア・ヴィスタの住民でさえ、違法採掘で使用される水銀の影響から解放されないことが示されている。
 本調査によると、違法な金採掘で使用された水銀の45%が、何の処理もケアもなく、アマゾンの河川に投棄されている。環境中に無差別に放出された水銀は100年もの間自然に残留し、ヒト及び動物にさまざまな病気を引き起こす可能性がある。
 子供の場合、妊娠中から問題が発生する可能性もある。汚染レベルが極めて高い場合、流産や脳性麻痺、奇形、先天性奇形の診断となる可能性がある。また、未成年者は言語や動きにおける制限を発症することもある。ほとんどの場合、症例は不可逆的であり、成人の生活に影響を及ぼす。
 本調査で使用された手法は、WHOの勧告に基づくものである。分析用検体の収集は、2021年2月27日から3月6日にかけて行われた。
「安全な摂取」
 この地域におけるmatrinxa(訳注:Brycon amazonicus)、aracu(同:Leporinus fasciatus)、jaraqui(同:Semaprochilodus spp.)、pacu (同:Piaractus mesopotamicus)、jandia(同:Rhamdia sebae)などの魚の摂取は、依然として可能である。しかし、子供や妊娠可能な年齢の女性は健康上のリスクを避けるために、これらの魚種の適度な消費が推奨される。
 Barba chata (訳注:Brachyplatystoma platynemum)、coroatai(同:Platynematichthys notatus)、filhote、piracatinga(同:Calophysus macropterus)、pirandira (同:Hydrolycus scomberoides) は非常にリスクの高い肉食魚であり、摂取は月に1回、最大50 gまでとするよう、本調査では指摘している。また、妊娠中の女性はこれらの魚の摂取を避けることが推奨される。
 Dourada (訳注:Sparus aurata、ヨーロッパヘダイ)、mandube (同:Ageneiosus brevifilis)、liro(同:Centrolophus niger)、pescada(同:Cynoscion acoupa)、piranha preta(同:Serrasalmus rhombeus)及びtucunare (同:Cichla ocellaris) もリスクの高い肉食魚であり、1週間に200 gを超えないように摂取すべきである。
 Curimata(訳注:Prochilodus lineatus)、jaraqui、matrinxa、pacuなどの非肉食魚のリスクは中・低度で、摂取の制限も少なくなっている。これらの魚は、1日300 gまでなら摂取可能である。
(以下、省略)
 本調査の詳細は以下URLから閲覧可能(Fiocruz、「ロライマ州の河川で違法な採掘が魚を汚染しているという調査結果」、ポルトガル語)
https://agencia.fiocruz.br/estudo-revela-que-garimpo-ilegal-contamina-peixes-de-rios-de-rr

(※)参考
 ここで言及されている「基準値」は、FAO及びWHOの合同食品規格計画の実行に関する事項を決定し、国際食品規格を作成している「コーデックス委員会」(Codex Alimentarius Commission)が定めたメチル水銀の基準値(2019年最終改訂)を指しているものと考えられる。
 魚に含まれるメチル水銀の最大基準値(Maximum Level)は、マグロ:1.2 mg/kg
、アカウオ:1.5 mg/kg、カジキ:1.7 mg/kg、サメ:1.6 mg/kg である。
地域 中南米
国・地方 ブラジル
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) ブラジル保健省
URL https://www.gov.br/saude/pt-br/assuntos/noticias/2023/fevereiro/estudo-revela-altos-indices-de-mercurio-em-peixes-e-aponta-riscos-para-consumo-de-diversas-especies-em-roraima