食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu05880510149 |
タイトル | 欧州食品安全機関(EFSA)、合成生物学により作出される遺伝子組換え植物由来食品及び飼料のリスク評価に対する既存のガイドラインの妥当性の評価した科学的意見書を公表 |
資料日付 | 2022年7月20日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州食品安全機関(EFSA)は7月20日、合成生物学により作出される遺伝子組換え植物由来食品及び飼料のリスク評価に対する既存のガイドラインの妥当性の評価した科学的意見書を公表した(6月20日採択、PDF版25ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2022.7410)。概要は以下のとおり。 合成生物学(SynBio)は、分子工学と生物学の境界領域にある学際的分野であり、新たな生物学的システムを開発し、生きている細胞・組織・生物体に新たな機能を付与することを目的とする。SynBio分野では、欧州連合(EU)遺伝子組換え生物(GMO)法に則った市販前認可が必要となる、農業食品システム領域における申請が提出される可能性がある。 本意見書は、分子特性評価(MC)及び環境リスク評価(ERA)に関する前回のGMOパネルの科学的意見書を補完し、SynBioにより作出される遺伝子組換え植物(SynBio GMPs)由来の食品及び飼料のリスク評価に関して欧州委員会から要請された以下の委任事項(ToRs)4件に対処するものである。 (1) SynBio GMP開発において想定される、農業食品システムの分野/進歩を特定する (2) SynBio GMPsがヒト及び動物(畜産用飼育動物とコンパニオン・アニマル)にもたらす可能性のあるリスク及び新たなハザードを特定する (3) 現時点で存在しているSynBio GMPs、及び、今後10年間にEU市場に投入される近い将来のSynBio GMPsのリスク評価に関して、既存のガイドラインの妥当性と充足性を評価する (4) ガイドラインの更新が必要となる領域を特定する 上記の目的を達成するため、最先端のSynBioアプローチを適用して作出され、今後10年以内に市場投入される可能性のある植物製品を対象とする、ケース・スタディ4件を実施し、既存のガイドラインを検証した。当該仮想ケース・スタディでは、既存の技術(遺伝子導入やゲノム編集)を用いて設計されたが、工学的プロセスや製品自体の技術的複雑性から、SynBioアプローチの適用が必要となる。4件のうち3件は、SynBio GMPsのMC及びERAのためのガイドラインの妥当性に関する評価において既に利用されている。4件目(野生種の新たな栽培化(de novo domestication))は、単一の適切なコンパレーターが利用できない事例におけるガイドラインの妥当性及び充足性を、更に深く評価するために選抜された。 EFSAは、EU加盟国及び利害関係者と公開協議を実施し、寄せられたコメントに対応している。 GMOパネルはToRsに対処し、以下のとおり結論する。 (1) SynBio GMPs開発における、農業食品システムの新たな分野/進歩に関する既存の結論は、引き続き有効である。 (2) 現在のSynBioアプローチ、及び、近い将来のSynBioアプローチにより作出されるGM植物由来の食品及び飼料がもたらす、ヒト及び動物(畜産用飼育動物とコンパニオン・アニマル)に対する新たな潜在的ハザード及びリスクは特定されない (3) 既存のガイドラインは、SynBioに関する一部の申請には適切かつ充分であるが、適切ではあるが更新が必要となるケースも認められる (4) 更新が必要となる領域は、新たなタンパク質の安全性評価及び比較分析に関する領域である リスク評価に使用される新たなアプローチが利用可能となりつつあり、タンパク質の安全性評価の合理化及び強化を図るためにガイドラインを更新する必要がある。既存のガイドラインにおいて要求される比較分析は、SynBioのGMPsの一部には、必ずしも適用可能ではない可能性がある。比較分析という戦略は、SynBio GMPsリスク評価に対して引き続き望ましいアプローチではあるが、ガイダンス文書の更新が必要となる(コンパレーターの選択、複数のコンパレーターの特定、比較分析プロトコル及び関連統計分析を対象として)。SynBioにより作出されるGMPsが及ぶ範囲を考慮し、GMOパネルは、リスク評価完了のためにはケース・バイ・ケースのアプローチが極めて重要となる点を強調する。 GMOパネルは、今後のガイダンス文書では、以下を推奨する。 1. 食品と飼料のリスク評価において、SynBioの設計及びモデリングから得られる知識を統合する手法を提示する 2. SynBio GMPsのリスク評価の円滑化を図り、必要となるデータ量を削減する手法として、SynBioの設計プロセスの段階から、食品及び飼料における安全性の側面に関して充分考慮する (訳注) コンパレーター: EFSAの評価書におけるcomparator(s)とは、評価対象となるGMOイベントと可能な限り近い遺伝的背景を有し、GMO栽培条件と同等の条件にて栽培され、以下のEFSAのガイドラインの規定を満たす特定の栽培品種(群)を指す。 Guidance on selection of comparators for the risk assessment of genetically modified plants and derived food and feed DOI: https://doi.org/10.2903/j.efsa.2011.2149 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
情報源(報道) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
URL | https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7410 |