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資料管理ID syu05820470301
タイトル 論文紹介:「2021年10月から2022年2月までのアラバマ州における子供の急性肝炎及びアデノウイルス感染症」
資料日付 2022年5月6日
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分類2 -
概要(記事)  MMWR(2022, 71(18):638-640)に掲載された論文「2021年10月から2022年2月までのアラバマ州における子供の急性肝炎及びアデノウイルス感染症(Acute Hepatitis and Adenovirus Infection Among Children ? Alabama, October 2021?February 2022)、著者JM Baker (Division of Viral Diseases, National Center for Immunization and Respiratory Diseases, CDC, 米国)ら」の概要は以下のとおり。
 2021年10月から11月にかけて、アラバマ州の小児病院の臨床医は入院時に重症肝炎及びアデノウイルスによるウイルス血症であった5名の小児患者を確認した。2021年11月、病院の臨床医、アラバマ州公衆衛生局(Alabama Department of Public Health)、ジェファーソン郡保健局及び米国疾病管理予防センター(CDC)は調査を開始した。
 2021年10月1日以降に受診し、肝炎及び全血検体のリアルタイムPCR検査によりアデノウイルス感染が検出され、他に既知の肝炎の原因がない患者を特定するために、病院の臨床記録が調査された。さらに4人の子供が特定され、2021年10月から2022年2月までに、病因不明の肝炎及びアデノウイルス感染症を併発した患者は合計9人となった。
 9人の子供はすべて「Children’s of Alabama」の患者であった。これらの患者は、州内の地理的に異なる地域の在住者であり、患者間の疫学的関連は確認されなかった。入院時の年齢中央値は2歳11か月(IQR = 1歳8か月?5歳9か月)、7人が女性であった。すべての患者は、臨床的に重要な併存疾患のない免疫正常者であった。
 入院の前に、嘔吐、下痢及び上気道症状を呈したと報告したのは、9人の患者のうち、それぞれ7人、6人及び3人であった。入院時、8人が強膜黄疸、7人が肝腫大、6人が黄疸、1人が脳症を呈した。すべての患者でトランスアミナーゼの上昇が認められた(アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)範囲 = 603~4,696 U/L、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)範囲 = 447~4,000 U/L)。総ビリルビン値は正常から上昇(normal to elevated)の範囲であった(範囲 = 0.23~13.5 mg/dL、8 例で上昇)。すべての患者はA、B及びC型肝炎ウイルスについて検査陰性であり、自己免疫性肝炎、ウィルソン病、菌血症、尿路感染症及びSARS-CoV-2感染症を含む他のいくつかの小児肝炎及び感染症の原因が除外された。SARS-CoV-2感染の既往歴がある子供はいなかった。
 全ての患者の全血検体でリアルタイムPCR検査によりアデノウイルスが検出された(初期ウイルス量範囲 = 991~70,680 copies/mL)。5人の患者の検体でHexon遺伝子の高度可変領域(hypervariable region)の塩基配列を決定し、全ての検体でアデノウイルス41型が検出された。3人の患者ではウイルス量が少ないためシークエンス解析ができず、1人の患者についてはシークエンス解析のための検体が入手できなかった。7人の患者が他のウイルス性病原体に同時感染していた。6人はPCR検査でEpstein-Barrウイルス(EBV)陽性であったが、EBVに対するイムノグロブリンM(IgM)抗体検査では陰性であり(1人はIgM検査を受けず)、このことから、これらは急性感染症ではなく、過去の感染の低レベルの再活性化である可能性が示唆された。その他の検出ウイルスは、エンテロウイルス/ライノウイルス、メタニューモウイルス、RS(Respiratory Syncytial)ウイルス、ヒトコロナウイルスOC43であった。
 6人の患者の肝生検では、ウイルス封入体が観察されない、アデノウイルスの免疫組織化学的証拠が見られない、或いは電子顕微鏡でウイルス粒子が確認されない、様々な程度の肝炎が示された。3人の患者は急性肝不全を発症し、うち2人はシドフォビル(適応外使用)及びステロイドによる処置を受け、別の医療施設に移送され、肝移植を受けた。これら2人の患者の血漿検体は、受け入れ医療施設到着時のリアルタイムPCR検査ではアデノウイルス陰性であったが、全血検体を用いて同じリアルタイムPCR検査で再検査したところ、両者とも陽性の結果となった。移植を受けた2人を含め、すべての患者が回復した、または回復しつつある。
 アデノウイルス41型は、主に糞口経路で拡大し、多くの場合腸管に感染する。通常下痢、嘔吐及び発熱を呈し、しばしば呼吸器症状を伴う小児急性胃腸炎の原因として一般的なものである。アデノウイルスは、免疫不全の子供における肝炎の原因として認識されている。同ウイルスは、健康な子供の肝障害の原因として十分に認識されていないと思われるが、この関係性の大きさについては、調査中である。
 当該症例クラスターは、最近欧州で確認された可能性例とともに、子供における病因不明の急性肝炎の鑑別診断にアデノウイルスを考慮すべきことを示唆している。臨床医及び検査技師は、検体の種類によってアデノウイルス検査の感度が異なる可能性があることに注意し、全血を用いた検査は血漿検査よりも感度が高い可能性があることを認識する必要がある。CDCは、可能性のある疾病の原因を理解し、疾病の予防又は軽減のために採ることのできる取り組みを特定するために、状況を注意深く監視している。管轄の公衆衛生協力機関と連携してサーベイランスの強化が進められている。臨床医は、さらなる調査のために2021年10月1日以降に発生した病因不明の小児肝炎の可能性例を、公衆衛生当局に報告することが推奨される。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) MMWR(2022, 71(18):638-640)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7118e1.htm