食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05820320294
タイトル 世界保健機関(WHO)、欧州及び米国におけるチョコレート製品に関連した複数国にわたるSalmonella Typhimurium集団感染について公表
資料日付 2022年4月27日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は4月27日、欧州及び米国におけるチョコレート製品に関連した複数国にわたるSalmonella Typhimurium集団感染について公表した。概要は以下のとおり。
・概要
 2022年3月27日、英国はWHOに単相性Salmonella Typhimurium sequence type(ST)34感染による症例のクラスターを報告した。調査により、集団感染はベルギーで製造されたチョコレートに関連付けられた。チョコレートは少なくとも113か国(※訳注)に流通されている。4月10日に国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)からグローバル警告が発出され、世界的な製品リコールが開始された。これまでに、関係するチョコレート製品の摂取に関連していると疑われる、遺伝的に関連した合計151症例が11か国から報告されている。製品の完全なリコールに関する情報が得られるまで、WHO欧州地域及び世界的に広がるリスクは中程度と評価されている。
 英国健康安全保障庁(UKHSA)の分析によると、集団感染株は6種類の抗菌性物質、ペニシリン系、アミノグリコシド系(ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、カナマイシン、及びゲンタマイシン)、フェニコール系、スルホンアミド系、トリメトプリム、テトラサイクリン系に耐性がある。
 2022年4月25日の時点で、関係するチョコレート製品の消費に関連していると疑われる、遺伝的に関連するS. Typhimuriumによる合計151症例が、ベルギー(26例)、フランス(25例)、ドイツ(10例)、アイルランド(15例)、ルクセンブルグ(1例)、オランダ(2例)、ノルウェー(1例)、スペイン(1例)、スウェーデン(4例)、英国(65例)及び米国(1例)の11か国から報告されている。
 発症日は2021年12月21日から2022年3月28日までの範囲であった。感染者は10歳未満の子供(n=134; 89 %)に偏っており、女児が報告された症例の66 %(n=99)を占めた。報告された症状と重症度に関する情報は21例で得られ、そのうち12例(57 %)が出血性下痢を報告し、9例(43 %)が入院した。2022年4月25日の時点で、当該集団感染に関連する死亡者は報告されていない。
・WHOのリスク評価
 サルモネラ感染症は典型的には軽度で治療を必要としないが、子供や高齢者は関連する脱水症に関係した重篤な合併症のリスクが高くなる。これまで、症例の大部分は10歳未満の子供であり、これは関連する製品が子供を対象としていることが原因である可能性がある。
 2022年4月25日現在、当該集団感染に関連する死亡者は報告されていないが、症状と重症度に関する情報が得られた症例(n=21)の中で、高い入院率(43 %; n=9)が見られた。症状に関するデータ等、本事案に関連する重症度のより正確な評価を可能にするには、さらなる情報が必要である。
 当該集団感染は、ベルギーで生産され、全てのWHO地域にわたる113を超える国と地域へ世界的に流通しているチョコレートと疫学的及び分子学的に関連している。151件の既知の症例のうち150件が欧州で報告されている一方、米国では1例が報告されている。イースター休暇は関係する製品の摂取や、休暇関連の旅行の結果として関係製品の別の場所への輸送の増加を招く可能性があり、イースター休暇中において同製品が広く流通していることを考えると、他の国から追加の症例が報告される可能性がある。
 既存の症例の特定は、全ての国で日常的に使用されているわけではない高度な分子技術によって行われたことを考えると、症例の一部は検出されない可能性がある。
 最も影響を受けたWHO地域であるWHO欧州地域、及び世界的に広がる当該事案のリスクは、関係する製品の完全なリコールに関する情報が得られるまでは、中程度と評価される。症例を報告した国は、症例管理のための優れた機能を有している。ただし、当該事案に関連付けられている疾病の重症度に関する情報はまだ限定的である。
(※訳注) 4月25日時点で、関連製品が流通していることが判明した国のリスト中に日本は含まれていない。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON369