食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05800010314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、内分泌かく乱物質に関するFAQを公表
資料日付 2022年3月17日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は3月17日、内分泌かく乱物質に関するFAQを公表した。概要は以下のとおり。
 以下、抜粋(全10問、一部は質問のみ)。
Q1:内分泌かく乱物質とは?
Q2:内分泌かく乱物質はどのように機能するのか?
Q3:内分泌系に影響を与える可能性のある物質は?
A3:ヒト及び動物の内分泌系は、天然に存在する及び合成された種々の物質による影響を受ける可能性がある。天然の物質の例としては、大豆やクローバーから得られるイソフラボン等の特定の植物二次代謝物があり、特にエストロゲン作用があることが分かっている。食品中に存在する多くの天然由来の物質は内分泌系に影響する特性を有する可能性があるが、直ちに内分泌かく乱物質として作用するわけではなく、他の毒性物質同様、量に依存する。また、内分泌系の構成要素に特異的に影響する医薬品や、それ自体がホルモンである医薬品もある。他の物質においては、ホルモン系をかく乱させる影響は意図しない副作用である。
 内分泌に影響する特性を伴う合成物質として最も知られているのは、プラスチックに使われるビスフェノールA(BPA)や、特定の可塑剤としてのフタル酸エステル等である。また、ノニルフェノール等の界面活性剤や、ポリ臭化ジフェニルエーテル及びポリ塩化ビフェニル(PCB)のグループに属する一部の難燃剤、又は一部の農薬及び防腐剤(ブチルパラベン)も、様々な方法でホルモン系に影響を与える可能性がある。
Q4:内分泌かく乱物質はどのように特定できるのか?
A4:内分泌の作用機序に関する情報や、臓器系及びその機能への有害な影響が観察されることにより特定される。通常、これは「植物保護製剤及び殺生物性製品に使われる有効成分の認可プロセス」等において義務付けられている動物実験に基づく。内分泌作用の結果として生じる有害な影響を検出することが重要である。
 植物保護製剤及び殺生物性製品の内分泌かく乱物質に関する評価のための科学に基づくガイダンスには、欧州食品安全機関(EFSA)及び欧州化学品庁(ECHA)が共同で策定した「内分泌かく乱物質特定のためのガイダンス」(欧州連合(EU)の規則(EU)No 528/2012及び(EC)No 1107/2009の枠組みに基づく)がある。また、経済協力開発機構(OECD)による「内分泌かく乱物質の特性を持つ化学物質の評価に関する標準化された試験ガイドライン:改正ガイダンス文書150」もある。当該文書は、内分泌かく乱物質検出に関してこれまでに標準化された手法に関するものである。細胞培養システム(in vitro)及び動物モデル(in vivo)から、コンピューターを用いた計算手法(in silico)まで、種々の手法が含まれる。
 現在、内分泌かく乱物質の特定のため、EU全域の規則を網羅した調和された(harmonized)基準の策定作業が行われている。「1物質1評価」の原則の下、物質が判断される規制の枠組みに左右されない統一化された評価が狙いである。内分泌かく乱物質の特定においては、将来は、動物実験を最小化する、あるいは動物実験に代わる代替手法も使用頻度が高まると考えられる。ただし、メカニズムに関する試験がないことや、内分泌系が複雑であることから、課題が残る。
Q5:内分泌かく乱物質はどのように摂取されるのか?
A5:食事を介した経口摂取、あるいは経皮吸収等の多くの経路で体内に入る可能がある。まれに呼吸(吸入)を介して取り込まれることがある。
Q6:内分泌かく乱物質の考えられる健康影響を論じる上で考慮すべきことは?
A6:疫学研究における観察内容について議論されることは多い。観察研究では、疾病又は影響や、考えられる原因に関して、より大規模な集団が分析対象となる。しかし、特定の物質と影響との明確な因果関係を証明することは困難である。ある結果が表れる理論上又は計測上の頻度だけでは、因果関係があることにはならない。故に、原則として、内分泌かく乱物質及びその影響を明確に特定するためには、さらなるメカニズム(in vitro)研究が必要である。
Q7:消費者における内分泌かく乱物質の健康影響の評価はどのように行われるのか?
A7:内分泌かく乱物質へのばく露(用量)、つまりヒトが内分泌かく乱物質にどの程度接触するかは、健康影響評価における決定的な要素である。健康影響は、物質ごとに評価が行われる。
Q8:消費者が内分泌かく乱物質の考えられる健康影響から保護されるためには?
Q9:内分泌かく乱物質に関するBfRの取組みの現状は?
A9:BfRは長年にわたり、EUの研究機関等との協働を通して世界規模で、内分泌かく乱物質及びその影響を特定するための手法のさらなる開発に携わってきた。リスク評価では、消費者の健康保護及び物質の安全性が高レベルであることを保証するために、BfRは厳格な基準を採用している。
Q10:特定された内分泌かく乱物質に関するコミュニケーションは?
A10:出版物又はプレスリリースを介して、あるいは、一般的にはデータベース又は登録簿を介して行われる。
 FAQ(ドイツ語、6ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.bfr.bund.de/cm/343/fragen-und-antworten-zu-endokrinen-disruptoren.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zu_endokrinen_disruptoren-50513.html