食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05760630149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、バイオテクノロジー由来の食品及び飼料のアレルゲン性評価及びタンパク質安全性評価に対する開発ニーズに関する科学的意見書を公表
資料日付 2022年1月25日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は1月25日、バイオテクノロジー由来の食品及び飼料のアレルゲン性評価及びタンパク質安全性評価に対する開発ニーズに関する科学的意見書を公表した(2021年12月2日採択、PDF版38ページ、DOI: https://doi.org/10.2903/j.efsa.2022.7044)。概要は以下のとおり。
 本科学的意見書は、アレルゲン性評価及びタンパク質の安全性に関する研究要件を含む、特定の開発ニーズ、さらに一般的には、より持続可能な食品システムを要求する世界において喫緊に必要とされる開発ニーズの定式化に対処している。現在のアレルゲンリスク評価戦略は、2003年に初版が公表された「現代の」バイオテクノロジーに由来する食品の安全性評価に関する、コーデックス委員会の原則及びガイドラインに基づく。
 過去20年にわたる継続的な科学的進歩により、安全性基準の利用可能性と同時に達成される科学的発展の間には、機能上の非同期性が存在する。EFSAはこの点に関して積極的であり、アレルゲン性予測分野の更なる前進のためにリソースを投資してきた。しかしながら、重要となる知識のギャップが残されており、アレルゲン性評価に対処する新たなアプローチの開発をこれまで以上に追求する必要がある。本科学的意見書の目的は以下である。
(i) アレルゲン性予測に関する知識のギャップを定義する
(ii) バイオテクノロジー由来製品のアレルゲン性リスク評価の改善を目的とする具体的な研究ニーズを特定する
(iii) 基礎研究から得られた新たな知見及び技術開発が、現行のリスク評価手法を如何に改善できるかを決定する
(iv) 基礎研究に優先的に資金を配分する
 食物アレルギーに関わる複雑性及び要因の多様性、さらに、現在の最先端技術を考慮すると、短期/中期の単一試験により、タンパク質の潜在的アレルゲン性を予測することは非現実的である。したがって、アレルゲン性評価に対する「エビデンスの重み」アプローチは引き続き有効である。しかしながら、必要となるエビデンスは、評価対象が従来のGMOであるか、あるいは、別種の新たなバイオテクノロジー食品であるのかにより、異なる可能性がある。
 コーデックス委員会及びEFSAのガイダンス文書は、シングル/スタック・イベントのGM申請におけるアレルゲン性評価への対処に成功してきたが、獲得した経験や本分野において達成された新たな発展により、以下に挙げる重要となる要素の近代化が求められている。
(i) 遺伝子供給源及びタンパク質自体に関する利用可能な知識の活用の更なる標準化 - 臨床的関連性、ばく露経路、食物アレルゲンの潜在的閾値の文脈において
(ii) 標的化を向上させたデータベースで使用するin silicツールの最新化
(iii) タンパク質の安定性及び消化が評価に提供する情報に関する明確なガイダンス、及び、ヒト血清の使用に関する明確なガイダンスを伴う、in vitro試験の統合化の促進
(iv) タンパク質の安全性に対する包括的なエビデンスの重みアプローチ活用の更なる明確化、及び、専門家の判断に必要となる側面の更なる明確化
 加えて、今後開発される複雑性を増した製品は、新たに発現される数種のタンパク質の評価を主たる標的としている現行ガイドラインの包括的かつ実用的な実施を要求する可能性がある。将来的には、新ゲノム技術や合成生物学に由来する多数かつ多様なタンパク質等、より挑戦的な申請が予想される。したがって、アレルゲン性リスク評価全般の主たる目的の再検討及び明確化、さらに、既存の食物アレルギーから消費者の健康を保護する上で、新たな食物アレルギーの原因となる食品に対する可能性を評価する上で、アレルゲン性リスク評価が果たす決定的役割の再検討及び明確化は時宜を得ている。
 したがって、以下に挙げるリスク評価者及びリスク管理者に対する重要な質問に対処するために、アレルゲン性の安全目標及びリスク評価ニーズを(再)定義するロードマップ案が必要となる。
(1) アレルゲン性リスク評価の目的は何か
(2) アレルゲン性評価では何を評価する必要があるか
(3) 予測にはどの程度の信頼度が必要か
(4) アレルゲン性リスク評価において、許容不可能/許容可能なリスクとは何か
 EFSAのGMOパネルは以下を推奨する。
1. 獲得した経験や堅牢性の向上となり得る既存の及び新たな知識を検討し、評価の整合性及び再現性の欠如を回避するため、利用可能なツールの最新化にリソースへの投資を続行する。このような目的のために、一連の研究の優先順位が表1 - 4に提案されており、体系的、学際的かつ協調的なアプローチにおいて、アレルゲン性リスク評価分野を前進させる。現在及び将来のEFSA調達から得られる結果、欧州委員会からの任務、並びに、欧州連合及びその他のプロジェクトは、EFSAのパネルを導いていく。
2. 図1に概説された方針に則した進展は、欧州全域にわたる複数の機関による協働が確立された場合にのみ可能となる。この協働は、冗長性を減じ、データ信頼性を向上させる標準化されたツール及び品質管理の開発を意味する。将来に向けて上記の質問に対処するコンセンサスを見出だすため、EFSAが国際的なフォーカル・ポイントとして促進できる可能性、或いは、行動できる可能性を探究する。この活動には、加盟国、ステークホルダー、国際社会全体との協働を要する、広範かつ学際的な参加が必要となる。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7044