食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05760220149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、有効成分フルピラジフロンに関する声明を公表
資料日付 2022年1月24日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は1月24日、有効成分フルピラジフロン(flupyradifurone)に関する声明(2021年11月29日採択、55ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2022.7030)を公表した。概要は以下のとおり。
 フルピラジフロンは新たなブテノリド殺虫剤であり、植物保護製剤に使用する有効成分として欧州委員会施行規則(EU) 2015/2084の規定により初めて認可された。当該物質がヒト及び環境に対して高いリスクを及ぼす可能性があるとの懸念を受けて、フランス政府は2020年11月、欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009第69条に基づき、その用途を制限するよう欧州委員会に要請した。この要請を裏付けるため、フランスの管理当局はヒト及び環境への当該有効成分のハザード及び(又は)ばく露量を研究する一連の文献を引用した。さらに、2020年6月、オランダの当局は欧州委員会に対して、規則(EC) No 1107/2009第56条に基づき、野生種のアルファルファハキリバチ(Megachile rotundata)に対するフルピラジフロンの新たな情報を通知した。本通知は、フルピラジフロンに関するフランスの通知においても言及されている。このため、EFSAの「植物保護製剤及びその残留物に関する科学パネル」(PPRパネル)は、ヒト又は環境への深刻なリスクの証明を構成する一連のエビデンスの可能性を定量化するよう委任された。
 PPRパネルは、ヒト及び環境への新たなハザード及びばく露量、又はそれらが以前のEUの評価と比較してより高いことを示すこれらの研究の可能性を評価した。段階的な手法が設計され、それには、(1) 最初のスクリーニング、(2) 健康評価及び解釈局(OHAT)(※訳注)/米国国家毒性プログラム(NTP)の原則に基づくデータ抽出及び批評的評価、(3) EUの以前の評価の検討を含むエビデンスの重み付け、(4) 不確実性分析、関連する場合には常にその後の専門家の知識引き出し、を含む。
 ヒトの健康に関して、一件の試験のみがフルピラジフロンのin vitroにおける遺伝毒性の可能性に関連すると見なされた。これらのデータは、in vivo試験ですでにフルピラジフロンの遺伝毒性の可能性に対応しているため、EUの評価を覆すには十分な情報を提供しなかった。環境に関して、利用可能な全てのデータはハチ種におけるハザードを研究した。ミツバチに関して、以前のEU評価より高いハザードを示す新たなデータの可能性は低~中程度であり、いくつかの不確実性を伴った。しかしながら、以前のEU評価において対応されなかった単独性のハチ類(solitary bees)の中では、アルファルファハキリバチがフルピラジフロンへの感受性が不釣り合いに高い可能性があるとのエビデンスがあった。この感受性は、部分的には当該種の低体重により説明可能であるが、不十分な体内代謝過程と機構的に関連していた。
(※訳注)米国国家毒性プログラム(NTP)及び米国環境保健科学研究所(NIEHS)は、一般市民及び規制・保健機関への環境健康情報を提供する機関として健康評価及び解釈局(Office of Health Assessment and Translation: OHAT)を設立した。OHATは、環境中の化学物質、物理的物質、又は混合物(総称して「物質等」)が有害健康影響を引き起こすというエビデンスの評価を実施し、現在のヒトのばく露量に関する知見を考慮し、これらの物質が懸念されるものがどうかに関する意見を提供する。
OHAT手法を用いた文献に基づく健康評価を実施するためのハンドブック(2015年1月9日、98ページ)は、以下のURLから入手可能。
https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/ohat/pubs/handbookjan2015_508.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7030