食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu05740520505 |
タイトル | スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、食品に付着した多包条虫の虫卵の分離・同定を可能にする新しい方法を開発したことを公表 |
資料日付 | 2021年12月16日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | スイス連邦食品安全獣医局(BLV)は12月16日、食品に付着した多包条虫の虫卵の分離・同定を可能にする新しい方法を開発したことを公表した。概要は以下のとおり。 BLVが出資する科学プロジェクトの枠組みにおいて、食品に付着した多包条虫の虫卵の分離・同定を可能にする新しい標準化された方法が開発された。 当該科学プロジェクトは、多包性エキノコックス症を対象とし、食品中の寄生虫卵の存在と、その摂取に関連した潜在的な感染リスクに関わるものであった。その目的は、植物由来製品中の様々な成長段階の寄生虫(特に多包条虫(Echinococcus multilocularis))を明らかにするための標準化された方法の開発であり、当該方法により、これらの虫卵が生存しているかどうかを見極め、感染症を引き起こすか否かの判断もできなければならなかった。 BLVはチューリヒ大学寄生虫学研究所(Dr. C. Alvarezのチーム)に、これらの研究の実施を委託した。研究は2019年3月~2020年11月に実施された。 研究チームは、目的の寄生虫の卵を分離するための簡単な方法を開発し、分離された虫卵を分子生物学的手法で同定した。当該研究において、市販のサラダ157検体を分析した。その結果、10検体から様々な寄生虫の虫卵が検出された。その内の二つが多包条虫(E. multilocularis)の虫卵であった。これらの生存について検査した結果、虫卵は生存しておらず、感染も疾患も引き起こすことができないことが明らかになった。他の種類の寄生虫の卵は、ヒトの健康の観点から見て関連性がなかった。 当該方法は州の検査機関に提出され、食品中のこれらの寄生虫の検出をサポートするために利用できるようになった。当該方法を説明した科学論文(※訳注)は閲覧可能である。 当該研究により、多包条虫の虫卵は屋外栽培されたサラダ用葉菜に付着している可能性があることがわかった。しかし、汚染された食品に由来する感染から身を守るためには、簡単な衛生対策で十分である。つまり、露地栽培の野菜、サラダ用葉菜類及び漿果、地面に落ちた果物及び野生の産物(漿果、キノコ等)は土を落として、よく水洗いする必要がある。加熱調理は虫卵を死滅させる信頼度の高い方法である。 なお、スイスでは、ヒトにおける多包性エキノコックス症は稀であり、毎年登録される新たな症例数は20件のみである。 (※訳注)当該科学論文「遺伝的同定を目的としたレタスから条虫卵及び原虫オーシストを分離するための高感度一方向性連続ふるい分け法(A Sensitive , One-Way Sequential Sieving Method to Isolate Helminths’ Eggs and Protozoal Oocysts from Lettuce for Genetic Identification)」(Pathogens (2020 , 9(8):624))は以下のURLより閲覧可能。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32751811/ |
地域 | 欧州 |
国・地方 | スイス |
情報源(公的機関) | スイス連邦食品安全獣医局(BLV) |
情報源(報道) | スイス連邦食品安全獣医局(BLV) |
URL | https://www.blv.admin.ch/blv/fr/home/lebensmittel-und-ernaehrung/forschung/gesundheitliche-risiken/mikrobielle-risiken/neues-instrument-zurbekaempfung-der-alveolaeren-echinokokkose.html |