食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05730020161
タイトル 英国毒性委員会(COT)、妊娠中における摂食由来のカドミウムのリスクに関するディスカッション・ペーパーを公表
資料日付 2021年11月30日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  英国毒性委員会(COT)は11月、妊娠中における摂食由来のカドミウムのリスクに関するディスカッション・ペーパーを公表した。概要は以下のとおり。
 「結論」から抜粋。
 カドミウムは、国際がん研究機関(IARC)がグループ1(ヒトに対する発がん性がある)に分類している。慢性ばく露は、腎障害、骨軟化症及び骨粗しょう症に繋がる可能性がある。カドミウムはビタミンD及びカルシウムの代謝に干渉し、その結果、吸収が増加し胎児への負荷となる可能性がある。妊娠中、カドミウムは胎盤に蓄積する可能性がある。
 妊娠中のカドミウムばく露は、母における高血圧、子癇症、微量栄養素欠乏症と、また、分娩後の胎児に対する有害な影響と関連性がある。動物試験では、非妊娠個体と比べ、妊娠個体において、カドミウムの毒性学的作用に対してより感受性が高いことが示されている。また、血中カドミウム濃度が高いマウスにおいて子癇前症が観察されている。
 食品は、非喫煙の母親における主なカドミウム源である。カドミウム寄与度の多い食品は、パン、雑穀及びばれいしょである。水、土壌及び粉塵など、食品以外の経路でのカドミウム摂取は、総ばく露における寄与度は僅かである。
 トータルダイエットスタディ(TDS)の総ばく露量を考慮すれば、平均パーセンテージ及び97.5パーセンタイル値は、欧州食品安全機関(EFSA)の耐容週間摂取量(TWI)である2.5 μg/㎏体重/週と比較すると、それぞれ22~58 %及び58~103 %であった。
 97.5パーセンタイル値を用いると、カドミウムに関するEFSAのTWIを僅かに超えた(103 %)。しかし、平均値を用いると当該TWIを超えなかった。TDSのデータを使用する際は注意が必要である。TDSのデータは妊娠可能な年齢の摂取データに基づいており、妊娠中の食事を代表するものではない可能性がある。
 以下の質問に関して、COTの意見が求められている。
・COTメンバーは、カドミウムばく露は妊娠中の健康に対してリスクとなる可能性があると判断するのか?
・COTメンバーは、妊娠中の食事におけるカドミウムに特化したコメントはあるのか?
・COTとしての更なるコメントは?
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2021-11/TOX-2021-60%20cadmium%20in%20maternal%20diet.pdf