食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05720480149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのニコチンアミドリボシド塩化物の使用拡張に関する科学的意見書を公表
資料日付 2021年11月12日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は11月12日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのニコチンアミドリボシド塩化物の使用拡張に関する科学的意見書を公表した(9月14日採択、PDF版47ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2021.6843)。概要は以下のとおり。
 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養、新食品及び食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品、ニコチンアミドリボシド塩化物の使用拡張に関する安全性について、科学的意見を表明するよう求められた。
 申請対象である当該新食品は、ニコチンアミドリボシドの合成形態であるニコチンアミドリボシド塩化物である。当該新食品はニコチン酸(ナイアシン)の供給源として使用することが提案されている。ニコチン酸は、ニコチン酸とニコチンアミドの総称用語であり、これらの物質はビタミンB群に属する水溶性有機化合物である。
 2019年、NDAパネルは、成人集団向け食品サプリメントにおける使用に関し、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としてのニコチンアミドリボシド塩化物の安全性、及び、指令2002/46/ECの文脈における当該供給源からのニコチンアミドの生物学的利用能を確証した。2020年、委員会施行規則(EU) 2020/16により、一般成人集団向け食品サプリメントにおけるニコチン酸(ナイアシン)の供給源としての使用に関し、ニコチンアミドリボシド塩化物は、新食品としてのEU市場投入が認可されている。同年、申請者は欧州委員会に、規則(EU) 2015/2283第10条(1)の意味範囲内において、新食品ニコチンアミドリボシド塩化物の使用条件を変更(使用対象となる食品カテゴリーの拡張)するよう要請を提出した。評価中の当該新食品は、以前に評価された新食品と同一であり、製造工程や成分組成データに変更はない。
 本評価では、以下の使用に対して対処される。
・ 一般集団に対し最高300 mg/日の用量において用いられる「食事代替製品(meal replacement products)」と「栄養ドリンクミックス」での使用
・ 成人集団に対し最高500 mg/日の用量において用いられる特定医療用食品(FSMP)と体重管理用総合食事代替品(TDRWC、規則(EU) No 609/2013により規定される)における使用
 安全性評価と関連するラットの90日間経口毒性試験のデータに対し、ベンチマークドーズ・モデリングが実施された。乳児においてニコチンアミドの許容上限摂取量(UL)が設定されていない点、及び、乳児における推定摂取量と当該モデルにより推定されたベンチマークドーズの下限信頼限界値(BMDL05)とのばく露マージンが狭い点を考慮し、NDAパネルは、提案された使用条件下において、「食事代替製品」及び「栄養ドリンクミックス」での使用に関して、当該新食品の安全性は確証されないと結論する。
 特定医療用食品及び体重管理用総合食事代替品の場合、提案された最高用量は、210 mg/日のニコチンアミドの摂取に相当し、これは、成人に対する現行のニコチンアミドのULである900 mg/日を下回る。
 当該新食品は、特定医療用食品及び体重管理用総合食事代替品における使用に対して、純粋なニコチンアミドと同程度に安全であると考える。しかしながら、NDAパネルは、生理学的要求量を相当に超過する用量におけるニコチンアミド(或いは、その前駆体)の摂取が、有害作用の原因となり得る数種の経路の存在を示唆する実験データに留意する。
 NDAパネルは、更なる調査が必要であり、ニコチンアミドに対するULの再評価が正当化される可能性があると考える。
 また、NDAパネルは、申請者が独自である主張する、「血中ニコチンアミドリボシドの代謝を評価するin vitro試験」を初めとする総計6件のデータがなければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関し、結論に達することはできなかったと考える。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6843