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資料管理ID syu05700400301
タイトル 論文紹介:「2018年及び2019年のドイツにおける熱波に関連したビブリオ属菌感染症」
資料日付 2021年10月14日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  Eurosurveillance (2021
, 26(41):pii=2002041)に掲載された論文「2018年及び2019年のドイツにおける熱波に関連したビブリオ属菌感染症(Heatwave-associated Vibrio infections in Germany
, 2018 and 2019)、著者TT Brehm (Division of Infectious Diseases
, I. Department of Internal Medicine
, University Medical Center Hamburg-Eppendorf
, ドイツ)ら」の概要は以下のとおり。
・背景
 ビブリオ属菌(Vibrio spp.)は、適度な塩濃度の温暖な海水を好む水生細菌である。ヒトにおいては、この細菌は胃腸炎、創傷感染症及び耳の感染症の原因となり得る。ドイツのバルト海沿岸では2018年及び2019年の夏、前例のないほど高い海面水温を記録した。
・目的
 著者らは、2018年及び2019年のドイツにおけるビブリオ属菌感染症の臨床経過及び微生物学的特性の記述を目的とした。
・方法
 2018年及び2019年にドイツで国内感染(domestically-acquired)のビブリオ感染症と診断された患者を対象とした、多施設共同後ろ向きコホート観察研究を実施した。人口動態、臨床及び微生物学的データが評価され、分離株の全ゲノムシークエンス解析及び抗菌性物質感受性試験が実施された。
・結果
 63人のビブリオ感染患者のほとんどが6月から9月までの間に、主にバルト海で感染していた。44人(70 %)が男性で、年齢の中央値は65歳(範囲:2~93歳)であった。38人は創傷感染症、16人は耳の感染症、6人は胃腸炎、2人は肺炎(海水誤嚥後)及び1人は原発性敗血症を発症していた。感染症の大部分は、V. cholerae(非O1/非O139)(n=30、48 %)或いはV. vulnificus(n=22、38 %)によるものであった。入手可能であった12分離株の系統解析により、創傷感染の原因となったV. vulnificusの3つの相同な株(訳注:バルト海沿岸の異なる地域に由来する)がクラスターを形成することが分かり、いくつかのクローン系統がバルト海中に広がり得ることが示唆された。
・結論
 2018年及び2019年の夏の間、ドイツでは厳しい熱波によりビブリオ属菌感染症の増加が促された。気候変動はこれらの細菌の増殖を助長する可能性が高いため、ビブリオ属菌関連疾患のさらなる増加が予想される。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) Eurosurveillance (2021 26(41):pii=2002041)
URL https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2021.26.41.2002041