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資料管理ID syu05700280378
タイトル 欧州委員会(EC)、硝酸塩による水質汚染対策のさらなる必要性を示した委員会報告書を公表
資料日付 2021年10月11日
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概要(記事)  欧州委員会(EC)は10月11日、硝酸塩による水質汚染対策のさらなる必要性を示した委員会報告書を公表した。概要は以下のとおり。
 2016年~2019年のデータに基づき作成された硝酸塩指令の実施状況に関する最新の欧州委員会報告書は、EU域内で硝酸塩は依然として有害な水質汚染を引き起こしていると警告している。水中の過剰な硝酸塩は、酸素の減少と富栄養化を引き起こし、ヒトの健康と生態系の双方に悪影響を及ぼす。国の当局や農家が水域の浄化を行なったところでは、飲料水の供給や生物多様性、そしてそれらに依存する漁業や観光等の産業部門に良い影響を与えている。とは言え、EUの多くの地域では、過剰施肥が依然として問題となっている。
 ヴィルギニユス・シンケヴィチュウス環境・海洋・漁業担当委員は次のように述べている。「過去30年にわたる硝酸塩指令の実施によって、EU全域の水質が向上したことは間違いない。また、持続可能な方法に移行するための真の努力が実を結んでいることもわかる。しかし、ヒトの健康への被害を防ぎ、脆弱な生態系を保護するためには、変化のペースが十分ではない。欧州グリーンディールに沿って、持続可能な農業を実現し、貴重な水の供給を守るために、より緊急性の高い対策が今求められている」。
 EUでは、1991年に硝酸塩指令が採択される前の状況と比較して、地表水と地下水の両方で硝酸塩濃度が低下している。しかし、当該報告書では過去10年間でほとんど進展がなく、農業による栄養素汚染は多くの加盟国にとって依然として深刻な問題であることが明らかになった。
 2016年から2019年の期間において、加盟国全体で地下水の14.1 %が依然として飲料水に設定された硝酸塩濃度の制限値を超えていた。調査結果によると、EU域内で海洋水の81 %、沿岸水の31 %、河川の36 %、湖沼の32 %が富栄養化と報告された。
 欧州委員会は、2030年までに栄養損失を少なくとも50 %削減するという欧州グリーンディールの目標達成の前提条件である硝酸塩指令の順守状況を改善するために行動する。そのためには、ほとんどの加盟国で国や地域レベルでの対策を強化する必要がある。
 背景:欧州では数十年にわたり、家畜糞尿や無機質肥料由来の硝酸塩が水質汚染の主な原因となっている。欧州で散布される肥料や家畜糞尿に含まれる窒素の約半分が周辺環境に流失している。硝酸塩は、特に飲料水を汚染することでヒトの健康を脅かす。
 硝酸塩指令に関するQ&Aは以下のURLから閲覧可能。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/qanda_21_5110
 2016年から2019年の期間における硝酸塩指令の実施に関する委員会報告書は以下のURLから入手可能。
https://ec.europa.eu/environment/pdf/nitrates/implementation_nitrates_directive.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州委員会(EC)
情報源(報道) 欧州委員会(EC)
URL https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_21_5109