食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05680380470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、ECDC感染症脅威報告(CDTR)において、インドで発生したニパウイルス感染症例に関する情報を公表
資料日付 2021年9月10日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は9月10日、ECDC感染症脅威報告(CDTR)第36週号(9月5日~11日)において、インドで発生したニパウイルス感染症例に関する情報を公表した。
・疫学的概要
 2021年9月4日、インド国ケララ州Kozhikodeにおいて、12歳の男児のニパウイルス感染症例が報告された。当該症例は2021年8月29日に入院し、その後死亡した。2021年9月8日時点で、保健当局を引用したメディアによると、男児の両親や治療にあたった医療従事者など、当該症例の濃厚接触者30名の検査結果は陰性であることが確認された。その他の濃厚接触者の検体は引き続き検査のため送付されている。2021年9月7日の政府の公式発表によると、合計122名の濃厚接触者が確認され、68名がKozhikode Medical Collegeにて隔離され、安定した状態にある。2021年9月5日以降ケララ州により実施されているニパアウトブレイク管理計画の一環として、プネ(Pune)にあるNational Institute of Virologyのチームが、ウイルスの発生源を明らかにするためのコウモリなどの動物からの検体採取を担当している。
 背景:ニパウイルス(NiV: Nipah Virus)は、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)ヘニパウイルス属(Henipavirus)の高病原性ウイルスである。当該ウイルスは、1999年にマレーシア及びシンガポールで発生した集団感染で初めて分離同定された。それ以降、南アジアや東南アジアでいくつかの集団感染が報告されており、そのほとんどがバングラデシュからのものである。当該事例以前では、インドでは2001年、2007年(西ベンガル州)及び2018年(ケララ州)にNiV集団感染が発生している。NiVは、自然宿主であるオオコウモリ(fruit bat)から、その排泄物との直接的又は間接的な接触により伝播することが最も多い。感染患者のケア時の、ヒトからヒトへの伝播が報告されている。また、豚が感染する場合があり、マレーシア及びシンガポールでは、ヒトにおけるNiV感染は感染豚との密接な接触が関連していた。致死率は40%~75%と推定されている。治療は支持療法に限られ、ワクチンはない。
・ECDCの評価
 現時点で、当該事例は局地的であり、当該地域ではニパアウトブレイク管理計画が実施されている。ケララ州Kozhikodeに渡航又は居住している欧州連合/欧州経済領域の市民のリスクは低い。渡航者は、風土病化している地域や流行地域の(病気の)豚やコウモリとの直接的及び間接的な接触を避けるべきである。また、ナツメヤシの樹液はNiVに汚染されている可能性があることが知られているため、生のナツメヤシの樹液を飲むことは避けるべきである。
・行動
 ECDCは疾病の流行に関する情報収集活動を通し、当該事例を監視している。
 当該報告書(13ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/communicable-disease-threats-report-10-09-2021-public.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/communicable-disease-threats-report-5-11-september-week-36