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資料管理ID syu05560340160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、食品を介したアナフィラキシーに関する英国レベルのデータを分析した結果に関する論文を紹介
資料日付 2021年2月18日
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概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は2月18日、食品を介したアナフィラキシーに関する英国レベルのデータを分析した結果に関する論文を紹介した。概要は以下のとおり。
 COVID-19パンデミックで注目すべき公衆衛生上の教訓の一つは、状況を正確に伝える上でデータの正しい解釈が非常に重要であるということである。
 データの正確な分析は、食物アレルギーを有する人たちの現段階での状況を理解する上で非常に重要である。また、当事者を支援するために行われる政策決定に関する情報提供の一助となる。
 しかし、多くの場合、データの理解は限定的であり、より広範な一般消費者からはほとんど理解されず、食物アレルゲン問題の報告においては往々にしてデータの誤った解釈が見受けられる。
 今般、英国国民保健サービス(NHS)のデータを使用してFSAが行ったプロジェクトは、こうしたデータの誤った解釈を把握することに重点が置かれた。同プロジェクトは、アナフィラキシーに関する英国レベルのデータの理解を改善することであり、データ利用の改善が食物アレルギーに関するFSAの取組みにおいてどのような支援となり得るかを調べることが狙いであった。
1.アレルギーデータの誤解釈の原因
・アナフィラキシーによる入院件数の増加が、全て食物アレルギーに起因すると誤報道されている。
・定期検診等が、アレルギーによる入院と誤解釈される。
・致命的となった食物アレルギーの報道が、食物誘発アナフィラキシーが一般的となっているという印象を与えている。
2.アナフィラキシーの誤報に関する研究
 FSAが資金提供しインペリアル・カレッジ・ロンドンが行った当該調査研究から、英国における1998年から2018年の食品誘発アナフィラキシーの入院事例及び入院事例が関連する死亡率の傾向が特定された。
3.食物アレルギーの影響への理解
 本活動から、FSAは食物アレルギーの影響に関する知識、及びデータへのアプローチを改善し、食品過敏症である消費者の体験への理解を深めた。
4.食品が関連するアナフィラキシーの死亡率
 死亡率は近年上昇しているとの印象を与える見出しが見受けられるが、本調査研究の結果、実際はその逆であることが明らかになった。食品誘発アナフィラキシーに由来する死亡は稀である。入院率は増加したが(年率で6%又は1998~2018年で3倍)、食品誘発アナフィラキシーの死亡率(入院事例の死亡者の割合)は半分以上低減した(同時期、0.7%から0.3%)。
 入院が最も増加したのは15歳未満の若年層であり、特に5歳未満において顕著であった。英国における食品誘発アナフィラキシーが原因の死亡者数は年間10人未満であると推定される。死亡率は10代において最も高かった。
5.最も致命的なアレルギー反応の原因となったアレルゲン
 一部の人たちにとっては驚きであろうが、最も致命的な反応を引き起こすアレルゲンとして特定されたのは、ピーナッツ又はナッツ類ではなく牛乳であった。同期間に報告された小児における死亡者は全部で66人で、原因別の割合は、ピーナッツ14%、ナッツ類9%及び牛乳26%であった。
 食品事業者及び一般消費者の間で、ピーナッツ及びナッツ類が関連する食物アレルゲンへの認知度は高まっているが牛乳に関してはそうではないことが一因として考えられる。
 もう一つの要因として、牛乳はたん白質に富む、欧米型の食生活に広く取り入れられている、また、多くの形での存在が可能であることが考えられる。即ち、重篤なアレルギー反応を引き起こし得るレベルでのばく露リスクが高まる。
6.致命的なアレルギー反応における性による差異(gender split)
 本研究から、思春期前の食品誘発アナフィラキシー入院事例において男性が優勢であることも確認された。しかしながら、これは15歳から逆転した。
 興味深いことに、多くの科学研究から、乳幼児期では男児の方が女子よりもアレルギーに関連する状況の影響を受けやすいことが報告されている。しかし、この傾向は、男性よりも女性の方が食物過敏症として記録される思春期後に変化する。ほとんどの科学的研究は、青年期及び成人期の女性は男性よりもアナフィラキシー入院率が高いことを示唆している。この傾向の理由は明らかとされていないが、遺伝的要因、ホルモン的要因、環境的要因の組み合わせが関連している可能性が考えられる。この傾向への理解を深めるためには、食品誘発アナフィラキシーと性差に関する更なる研究が必要となる。
7.英国における食品誘発アナフィラキシーの更なる研究
 FSAの資金提供による本研究は、調査結果の拡充を計画している。現在、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームは、一部の人たちが他の人たちと比べ、重篤なアレルギー反応に対して感受性がより高い理由を調査している。
 この重要な問題に取り組むためには、英国におけるアナフィラキシー反応に関する詳細情報を収集するためのレジストリを確立する必要がある。
 FSAはウェブサイト上で、本分野において実施されたFSAの研究の詳細を提供している。
 論文「英国における食品誘発アナフィラキシー:英国レベルのデータの分析(1998~2018年)(Food anaphylaxis in the United Kingdom: analysis of national data, 1998-2018)(British Medical Journal(BMJ)に2021年2月17日公表)は以下のURLから入手可能。
https://www.bmj.com/content/372/bmj.n251
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://food.blog.gov.uk/2021/02/18/food-anaphylaxis-in-the-uk-what-weve-learnt-by-analysing-national-data/