食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05520490105
タイトル 米国食品医薬品庁(FDA)、家畜豚系統において初めてとなる意図的ゲノム改変の、ヒト用の食品及び将来的な治療用途の両方での承認を公表
資料日付 2020年12月14日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  米国食品医薬品庁(FDA)は12月14日、家畜豚系統において初めてとなる意図的ゲノム改変の、ヒト用の食品及び将来的な治療用途の両方での承認を公表した。概要は以下のとおり。
 本日FDAは、食品又はヒトの治療に使用される可能性のある、GalSafe豚と呼ばれる家畜豚1系統における意図的ゲノム改変(intentional genomic alteration、IGA)について、初めての承認を行った。これは、FDAがヒトの食品消費と将来的な治療用途の供給源の両方について承認した動物における最初のIGAである。当該GalSafe豚でのIGAは、豚の細胞表面のα-gal(アルファ-ガル)糖を除去することを目的としている。α-gal症候群(AGS)の人々は、レッドミート(牛肉、豚肉及び子羊肉等)に含まれるα-gal糖に対して軽度から重度のアレルギー反応を示す可能性がある。
 GalSafe豚は、検出可能なα-gal糖を含まないヒト用医療製品を製造するための、ブタ由来の材料の供給源となる可能性がある。例えば、GalSafe豚は、検出可能なα-gal糖を含まない、抗凝血剤ヘパリン等の医療製品の供給源として使用できる可能性がある。α-gal糖が患者の拒絶反応の一因であると考えられているため、GalSafe豚の組織及び臓器は、異種移植を受けた患者の免疫拒絶反応の問題に対処できる可能性がある。
 FDAは評価の一環として、当該動物及びその動物由来の肉を喫食する人々に対するIGAの安全性、並びに豚細胞上のα-gal糖を除去する能力のために、当該IGAを市場に出す製品開発者の意図とともに評価した。FDAは、GalSafe豚由来の食品は一般の人々が安全に喫食可能であると判断した。FDAの評価では、複数世代に渡りGalSafe豚に検出可能なレベルのα-gal糖がないことを示すデータの評価を通じて、IGAの有効性を確保することにも焦点が当てられた。
 FDAは評価の一環として、GalSafe豚でのIGAの承認が米国の環境に与える潜在的な影響を分析し、従来の豚よりも大きくないと判断した。 GalSafe豚が飼育される条件は、従来の養豚場の豚よりもはるかに厳しいものである。更に、GalSafe豚については、適切に管理された商業的な豚の飼養で予想される以上の動物の安全性の懸念は認められなかった。
 FDAはまた、当該IGAについて、GalSafe豚の体中又は表面でヒトの健康に懸念のある薬剤耐性菌の出現又は選抜を促進するリスクを評価した。 FDAは、微生物による食品の安全性リスクは低く、また食品供給に参入するGalSafe豚の数が少ないこと、及び薬剤耐性の継続的な監視等によってリスクが低減されていると結論付けた。
 当該製品開発者のFDAへの申請には、食物アレルギーの排除又は予防に関するデータが含まれていなかったため、FDAの評価過程では、ほ乳類由来のレッドミート及びその他の製品に対する、最近特定された種類の食物アレルギーであるα-gal症候群の患者に特化した食品安全評価は行なわなかった。米国では、マダニ(Lone Star tick)に咬まれたヒトの体内にα-gal糖が到達したときに、その病状が最も頻繁に開始する。一部の人々では、これが免疫系の反応の引き金となり、後にレッドミート中に含まれるα-gal糖に対して軽度から重度のアレルギー反応を引き起こす。
 これらの豚は、ヒト被験者への移植(transplantation or implantation)のための異種移植製品としての使用については評価されていないことに注意することが重要である。このようなヒト用医療製品の開発者は、これらの製品をヒトの医療において使用する前に、まずFDAに申請書を提出し、FDAから承認を得る必要がある。 
 当該製品開発者は、最初はスーパーマーケットではなく、通信販売でGalSafe豚の肉を販売する予定であると述べた。

 FDAは、Revivicor社に対し、GalSafe豚での当該IGAを承認した。
 GalSafe豚の情報公開概要は、以下のURLから入手可能。
https://animaldrugsatfda.fda.gov/adafda/app/search/public/document/downloadFoi/10168
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/食品医薬品庁(FDA)
情報源(報道) 米国食品医薬品庁(FDA)
URL https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-its-kind-intentional-genomic-alteration-line-domestic-pigs-both-human-food