食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05470130149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、補強データを考慮した有効成分プロピザミドの農薬リスク評価に関する欧州連合(EU)加盟国、申請者及びEFSAの協議結果を公表
資料日付 2020年10月8日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は10月8日、補強データを考慮した有効成分プロピザミド(propyzamide)の農薬リスク評価に関する欧州連合(EU)加盟国、申請者及びEFSAの協議結果(2020年9月21日承認、87ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2020.1935)を公表した。概要は以下のとおり。
 欧州委員会施行規則(EU)2018/755は、欧州議会及び理事会規則(EC)No 1107/2009(委員会施行規則(EU)No 540/2011により改正)の規定に基づき、プロピザミドの認可を更新した。認可は、申請者が以下の項目に関する補強データを欧州委員会に提出する義務を負う特別の規定であった。
(a) 主作物及び輪作作物中に高濃度で特定された代謝物の毒性学的プロファイルの評価の完成
(b) 主要な代謝物RH-24580の土壌分解
 本報告書は欧州連合(EU)の報告担当加盟国(RMS)のスウェーデンが実施した協議の結果を要約し、受理した個々の意見に関するEFSAの科学的見解及び結論を述べるものである。
 哺乳類毒性の領域において、上記(a)に対応するために補強データが提出された。特にプロピザミド及び植物の代謝物の遺伝毒性の評価に関するQSARが提出され、遺伝毒性に関する警告構造に基づき4グループが設定された。グループ1:プロピザミドを含有するもの、グループ2:代謝物Reg No. RH-24644、 RH-25891を含有するもの、グループ3:代謝物Reg. No. RH-26702 を含有するもの、 グループ4: 代謝物Reg. No. RH-26521、RH-26059、RH-24848、RH-25337を含有するもの。各グループから1物質を選びin vitro遺伝毒性試験(細菌復帰突然変異試験及びin vitro 小核試験)が実施された。RH-24644及びRH-26702に関して、Ames試験の結果、TA100株において陽性結果が出た。このためin vivo試験、すなわちPig-A遺伝子突然変異分析を用いたラットにおける28日間反復投与毒性試験が実施された。大半のEU加盟国(MS)(RMS含む)はRH-24644 及び RH-26702を用いたPig-A試験は、最大耐量(maximum tolerated dose:MTD)に達しなかったため有効ではないと考えた。しかしながら、いくつかのMSは有害影響がいくつか見られたとの見解を支持し、試験は有効であると考えた。EFSAはこれらの影響の有害性、代謝物RH-24644及びRH-26702に関するPig-A試験、及び薬物動態学的データを含む代謝物の全般的な毒性を議論するために更なるピアレビューが必要と考える。全体として、RH-24644 及び RH-26702で実施したPig-A遺伝子突然変異分析を用いたラットにおける28日間反復投与毒性試験はTA100株におけるAmes試験の陽性結果に対応するには不十分であると考えられた。
 植物のリスク評価のために提案された暫定的な残留物の定義は確定できなかった。特に、リスク評価のための残留物定義に含まれる全ての代謝物の含有量を分析する代表的な用途に従った残留物の圃場試験、及びプロピザミド、RH-25337のマンノシド抱合体、及びRH-26702のグルコシドの定量のための30日間の作付け禁止期間をおいた葉菜類、根菜類、小穀物に関する輪作作物の圃場試験に関してデータギャップが特定された。更に提出された毒性試験結果から、グループ2及び3の代謝物の遺伝毒性の可能性を排除できず、主作物及び輪作作物中に特定され、グループ2、3、4に分類された全ての関連する代謝物の全般的な毒性に関して結論を出すことができなかった。代謝物RH-24644及びRH-26702に関する消費者の摂食リスク評価を実施し、代謝データから油糧種子のナタネ中のこれらの代謝物の残留を考察した申請者から、毒性学的懸念の閾値(TTC)法が提案された。代謝データは、関連する代謝物の正確な残留レベルの定量のための要件である代表的な用途に準拠した圃場試験の許容される代用ではないという事実に加えて、EFSAは、「植物保護製剤及びその残留物に関する科学パネル」(PPRパネル)で提案された TTC 法は保健衛生・食の安全総局(DG SANTE)やMSの承認を得ていないため、今回の枠組みでは適用できないことも強調した。これらの検討事項また未確定のデータを考慮して、消費者の摂食リスク評価を確定できない。
 代謝物RH-24580に関する土壌分解モデルのエンドポイントに関するコメント及び新たな地下水ばく露評価により、RMSが完成し、修正された更新評価報告書(RAR)及び新たなエンドポイントのリストに示されている評価が確認された。更新された評価は、冬作油糧ナタネに関して評価された代表的な用途に関する5/6のFOCUS地下水シナリオにより代表される気候条件の地域における0.1μg/Lのパラメトリックな飲用水の基準値を上回るRH-24580(関連する地下水代謝物として結論付けられた) による地下水のばく露の可能性を確認している。地下水ばく露評価に関する状況は、代謝物RH-24580に関する新たなデータが利用可能になる前よりも悪化している。新たな地下水ばく露評価は、EFSA結論(2016年EFSA)で評価されたレタスの用途には利用できない。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) -
URL http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1935