食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05340510314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、食物アレルゲンの新たな参照用量に関する意見書を公表
資料日付 2020年3月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は3月9日、食物アレルゲンの新たな参照用量に関する意見書(2020年3月9日付け No.015/2020)を公表した。概要は以下のとおり。
 本意見書は、食品中の特定のアレルゲンに関する任意微量アレルゲン表示(VITAL:Voluntary Incidental Trace Allergen Labelling)に関する科学的専門家パネル(VSEP)が、「VITAL3.0」として公表した提言に関するものである。
1.初めに
 欧州連合(EU)は、主要な14種類のアレルゲンに関して、食品包装に表示するよう、メーカーに義務付けている。その一方で、最終製品に意図せず混入する微量のアレルゲンに関しての表示規制はなく、多くの場合、メーカーの任意で「XXX(アレルゲン名)を微量に含む可能性があります」のような予防的表記が食品表示に行われている。
 アレルゲンの微量混入の可能性に関する表示が様々な任意表現のみに依存していることに鑑み、アレルゲン物質に関して「閾値」を設定することにより、アレルギーを有する消費者の保護を真に向上させることができるのかという議論が生じる。また、閾値を超えた場合に製品への表示(どのような表示にするかは今後の議論を待つ)を義務付けるべきかを決めることも念頭に置くべきである。
2. 「VITAL 3.0」について
 「VITAL 3.0」は、2011年に公表されたVITAL 2.0を更新し、関連データをより発展させたものである。VITAL 2.0における参照用量は、限定的な臨床データベースを用いた3つの数学モデルに関するものであった。VITAL 3.0では、スタックモデル平均プログラム(Stacked Model Averaging Program)の枠組みにおいて5つの数学モデルが考慮された。VSEPは、これにより、代表的なアレルゲンの分布に関して更に緻密なマッピングが可能となり、抑制に繋がると考える。また、代表的なアレルゲンの誘発用量(ED:Eliciting Dose)を、より正確にかつより現実的に導出することも可能であると考えられる。今回決定された参照用量は、個々のアレルゲンのたん白質量で示される。
3. VITALに基づく新たな参照用量
 一部のアレルゲン物質は、以前の「VITAL2.0」と比較して、参照用量が更新又は新規に設定されている。
 ・卵、乳及びエビ:引き上げられた。
 ・ルピナス、大豆、小麦及びゴマ:引き下げられた。
 ・カシューナッツ、セロリ、魚及びクルミ:初めて決められた。
 ・ピーナッツ、ヘーゼルナッツ及びマスタード:以前と変わらず。
個々のアレルゲンの参照用量(抜粋)
・ピーナッツ:VITAL3.0では1
,306人のデータを基に計算が行われた。VITAL2.0では744人であった。ED01(訳注1)はたん白質0.2mg(VITAL0.2と変わらず)、また、ED05(訳注2)は2.1mgと特定された。
・卵:入手可能な臨床データベースの数が204人から431人に増えた(訳注3)。ED01はたん白質0.2mg、ED05はたん白質2.3mgが算出された。ED01に関しては、VITAL2.0の場合(たん白質0.03mg)と比べてより高い0.2mgが推奨される。
(訳注1) ED01は、食物アレルギー患者集団において1%の患者で症状が誘発される用量
(訳注2) ED05は、食物アレルギー患者集団において5%の患者で症状が誘発される用量
(訳注3) VSEPによる2019年サマリーのTable1では206とされている。
http://allergenbureau.net/wp-content/uploads/2019/09/VSEP-2019-Summary-
Recommendations_FINAL_Sept2019.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) -
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/vital-30-neue-und-aktualisierte-vorschlaege-fuer-referenzdosen-von-lebensmittelallergenen.pdf