食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04600490482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、「ザリガニ、横紋筋融解症及びHaff病」に関するリスク情報を公表
資料日付 2016年11月11日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは11月7日、「ザリガニ、横紋筋融解症及びHaff病」に関するリスク情報を公表した。概要は以下のとおり。
1. 序言
(1)Haff病とは魚類を食べた後24時間以内に発症する原因不明の横紋筋融解症である。Haff病は1924年にバルト海沿岸のHaff海岸で初めて確認され、当該地区ではその後9年間で約1
,000人が発症した。
(2)その後、多くの国(スウェーデン、旧ソ連、米国、ブラジル、中国)においてHaff病の記録が残されている。ほとんどは加熱調理された淡水魚(カワメンタイ、ウナギ、ノーザンパイク、バッファローフィッシュ、メチニス、レッド・コロソマ等)及びザリガニの喫食と関連があった。
2. 安全性及び公衆衛生への影響
(1)Haff病でよく見られる症状は筋力低下、筋肉痛、筋の硬結、褐色の尿である。しかし、神経系の症状はみられないことから海産物による食中毒(麻痺性貝毒、シガテラ毒、フグ毒による中毒等)とは異なる。Haff病の潜伏期間は約8時間だが問題のある淡水魚やザリガニを食べた6~21時間後でも発症する可能性があると指摘する報告もある。
(2)Haff病の原因は未だに明らかになっていないが、原因食品中に蓄積された耐熱性毒素との関連を疑う人もいる。しかし、原因食品(魚類及びザリガニ)、患者の血液検体及び尿検体を化学分析しても、Haff病の原因となるような毒素、薬物、有害物質は何も確認されていない。不適切な洗剤(シュウ酸や水酸化ナトリウムを含む洗剤)でザリガニを洗うと横紋筋融解症になると疑う人もいるが、シュウ酸や水酸化ナトリウムが横紋筋融解症に似た症状を引き起こすことはない。
3. ザリガニとHaff病
(1)現在のところ、中国と米国でのみザリガニ(学名:Procambarus clarkii、アメリカザリガニ)によりHaff病を発症した症例が記録されている。最初に公表された症例は2000年に発生した北京の6症例である。翌年、米国のルイジアナ州においてもザリガニの喫食と関連のあるHaff病症例が8例確認された。2010年からは中国において更に多くの、淡水ザリガニの喫食によるHaff病の報告が立て続けにされている。
(2)2016年9月8日、香港衛生署衛生防護センターは食中毒が疑われる2つの事案を調査している旨公表した。患者は2人でそれぞれ深?市で購入した加熱調理済みのザリガニを喫食した後、両足の激しい筋肉痛等の症状を呈した。
4. 業界への助言
5. 消費者への助言
(1)信用できる供給業者から新鮮なザリガニを購入すること。野生のザリガニを捕まえて食べてはならない。
(2)ザリガニはきれいに洗い、十分に加熱調理すること。
(3)ザリガニは食べすぎないようにし、頭や内臓は食べてはならない(現時点での限られた資料によれば、ザリガニの喫食によるHaff病の集団発生事案では10匹以上食べるとHaff病のリスクが高まると指摘する研究論文もある)。
(4)ザリガニの喫食後に全身又は局所的に筋肉痛を感じた場合、直ちに医療機関を受診し医師に食べた物を伝えること。
 英語版は以下のURLから入手可能。
http://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fci_02_05.html
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL http://www.cfs.gov.hk/sc_chi/programme/programme_rafs/programme_rafs_fci_02_05.html