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資料管理ID syu04540450314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、気温とヒトのサルモネラ症及びカンピロバクター症発生率との関係に関する論文を公表
資料日付 2016年8月16日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は8月16日、気温とヒトのサルモネラ症及びカンピロバクター症発生率との関係に関する論文について情報提供した(2016年8月16日付けBfR情報提供 No.32/2016)。概要は以下のとおり。
1.夏は病原菌の時期である。気温が上昇するにつれて細菌感染患者の数も増加する。昨年は、ドイツだけでもサルモネラ症患者が13
,823人、カンピロバクター症患者が70
,190人報告されている。いずれの病原体も、食品から検出される可能性のある典型的な病原菌である。
 BfRは、気温の上昇とサルモネラ症及びカンピロバクター症の患者数の増加との時間的相関関係が、Natureのジャーナル、Scientific Reports (doi:10.1038/srep28442)に公表された論文で明らかになった。BfRはこの研究において、特に統計的な分析で貢献した。
2.論文の結論
(1)週ごとの気温データ及び感染症データのモデリングにより、気温の上昇は、ドイツにおけるSalmonella Enteritidis、Camplobacter jejuni及びC.coli感染症患者の増加と明確な関連性があると示された。
 ドイツに関するこれらのデータはこれまで分析されてこなかった。気温の変化(3~4週間単位)は、ベルリン及びミュンヘンにおけるS.Enteritidisの患者数が10%以上増加する時期とは4~5週間の時間差があり、線形性が見られた。気温と患者数の時間的関連性に関するこの研究には、感染の時期、潜伏期間に関する知見の欠如及び感染報告の遅延を主な理由に、不確実性が残る。
(2)気温が上昇すれば、それだけで農場及び食品加工における懸念となる。食中毒による感染症患者数は4~6週間の遅延を以て報告されることから、公衆衛生当局は、患者数増加を早期に示す一つの手掛かりとして、平均気温の上昇を考慮すべきである。
 この期間にサーベイランスを強化すれば、予防措置を適切なタイミングで行うことが可能となると考えられる。サルモネラ症の発生率及び一次産品に多いサルモネラ属菌の抑制のための予防措置は、温暖期における疾病リスク増大を軽減するのに適切となりうる。
(3)著者らは、サルモネラ属菌又はカンピロバクターによる潜在的汚染が考えられる食品を摂取することによる健康影響、(特にアウトドアシーズンが始まる次期における)に関して、消費者教育が強化・改善されることを推奨している。
 当該論文「気温とサルモネラ感染症及びカンピロバクター感染症発生率との関係」(Josef Yunら、Scientific Reports 6、2016年6月21日公表)は以下のURLから入手可能。
http://www.nature.com/articles/srep28442
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2016/32/high_season_for_salmonella_and_campylobacter-198328.html