食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu04450260314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、コリスチン及び伝達性コリスチン耐性に関するQ&Aを公表 |
資料日付 | 2016年3月24日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は3月24日、コリスチン及び伝達性コリスチン耐性に関するQ&Aを公表した(2016年3月24日付け BfR FAQ)。概要は以下のとおり。 主なQ&Aは以下のとおり。 Q1:コリスチンとは? A1:ポリミキシン類に属するポリぺプチド系抗生物質である。 Q2:コリスチン耐性とは? A2:コリスチン耐性とは、コリスチンの細菌に対する最小発育阻止濃度でも細菌が増殖できることである。欧州委員会(EC)抗菌薬感受性試験(UCAST)の結果では、大腸菌及びサルモネラ属菌に対しては、2mgコリスチン/L栄養培地(疫学的閾値)を上回る濃度でも、細菌は増殖した。 「臨床及び検査規準に関する研究機関」は、臨床での基準を設け、8mg/L以下とした。この濃度で耐性を獲得した細菌による感染症には、コリスチンによる治療は効果的ではない。 Q3:動物用医薬品におけるコリスチンの重要性は? A3:コリスチンは、家畜の感染症、特に消化管疾患の治療において重要である。2014年、ドイツでは107トンのポリペプチド抗生物質が動物用医薬品として供給された。その多くがコリスチンであった。調査が始まった2011年と比べ、15.7%低減した(127トンから107トン)。 Q4:コリスチンはヒトに普通に使用されているのか? A4:コリスチンは、認容性が低いことから、ヒトにはほとんど使用されていない。腎臓又は神経系障害などの副作用が考えられる。カルバペネム系抗生物質などの通常使用される抗生物質が効かない、グラム陰性菌による重度の感染症の治療において重要である。ドイツでは、グラム陰性菌感染症の患者数は限定的であることから、このような治療の必要性はほとんどない。 Q5:コリスチン耐性は新しい現象か? A5:いいえ。動物のコリスチン耐性菌は数年前に分離されている。科学者らは、この分離株は、遺伝子が染色体に固定されている非伝達性耐性菌であると推測する。現在問題となっているコリスチン耐性の新たな問題は、プラスミド媒介遺伝子による、細菌から細菌への伝達の可能性である。この遺伝子はmcr-1と呼ばれ、中国で初めて確認された。 Q6:コリスチン耐性に関して新しく明らかになったことに対して、どのような行動が必要か? A6:BfRによる調査研究では、mcr-1遺伝子は数年前から家畜及び食品中に存在することが示された。この遺伝子媒介による伝達の頻度、伝達細菌の種類、耐性の伝達機序などを解明するための、更なる詳細研究が必要である。それにより、潜在リスクに関する評価が可能となる。 このコリスチン耐性が見つかったことにより、畜産における治療用抗生物質の使用を可能な限り低減する必要性がある。これは、BfRが何年も前から主張してきた点である。 欧州医薬品庁は2013年に、動物用医薬品としてのコリスチンの使用条件を厳しくした。現在、新たな情報収集に基づき見直しを行う意向であり、2016年秋までに報告をまとめる。 Q7:動物からヒトに感染する細菌にコリスチン耐性は多いのか? A7:2011年から行われている、動物の腸内細菌における人獣共通感染症病原体に関する薬剤耐性モニタリングでは、コリスチン耐性菌は、フードチェーンの七面鳥肉及び鶏肉の大腸菌で多かった(それぞれ10~11%及び5~6%)。コリスチン耐性菌の割合は微減した。豚及び牛からの分離株では、コリスチン耐性はほとんど見られなかった(それぞれ約2%及び0.2~2%)。コリスチン耐性が見られた大腸菌のうち、BfRによる検査で、その大部分がmcr-1遺伝子を有していることが分かった。 Q8:消費者が、耐性菌から身を守るには? A8:薬剤耐性を獲得した細菌に関しては、輸送、保存及び調理における食品保護のための衛生措置が必要である。消費者に対する助言は、生肉は最低でも70℃になるまで2分間加熱してから摂取する、生肉の取り扱いにおいては、手や調理器具(包丁、まな板など)により他の食品へ細菌が移らないよう留意する、などである。 Q9:コリスチンのヒト及び動物への使用に関する特定の規則はあるのか? A9:2007年に、国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同専門家会議及び国際獣疫事務局(OIE)は、ヒト及び動物用医薬品として重要な抗菌性物質に関するリストを作成した。コリスチンは、このリストでは、「優先的に重要な抗菌性物質」には分類されていない。 世界保健機関(WHO)は、ヒトの医薬品として重要な抗生物質(非常に重要な抗菌性物質)に関して、重要度リストを公表した。2012年に内容が更新されて以来、コリスチンは、「最優先に重要(同じグループの医薬品の中では最も重要)」ではなく、「非常に重要」に分類されている。 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | http://www.bfr.bund.de/cm/343/fragen-und-antworten-zum-antibiotikum-colistin-und-zur-uebertragbaren-colistin-resistenz-von-bakterien.pdf |