食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04420460314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、イノシシ・豚及びこれらに由来する食品によるE型肝炎ウイルス(HEV)感染に関するQ&Aを公表
資料日付 2016年2月9日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は2月9日、イノシシ・豚及びこれらに由来する食品によるE型肝炎ウイルス(HEV)感染に関するQ&Aを公表した。概要は以下のとおり。
 BfRなどによる最近の調査研究で、ドイツで飼育される豚の40~50%、狩猟されるイノシシの2~68%が、HEVに感染している又はHEVキャリアーであることが分かった。
 質問は全9問である。
Q1:E型肝炎とは?(回答省略)
Q2:ドイツにおけるE型肝炎の有病率は?
A2:ここ数年で、E型肝炎患者の報告件数が急激に増えている。2014年は670人、2015年は1
,246人であった。増加原因は不明である。
Q3:HEVウイルスに感染した場合は常に発病するのか?
A3:大規模研究(4
,422検体)では、ドイツにおける一般集団の16.8%がHEV抗体を持っていた。しかし、E型肝炎患者の報告数は非常に少ない。感染者は散発例であると考えられる。
Q4:感染者はどのような状況で感染したのか?
A4:過去には、主にアジア、アフリカ及び中米地域の一部の国々への旅行者が感染していた。それらの国々では、衛生環境が劣悪である場合があり、飲料水及び食品がHEVに汚染されていたと考えられる。しかし最近は、ドイツで報告される患者の大部分を、ドイツ国内での感染が占める。感染源として、HEV感染動物との直接接触、感染動物に由来する食品、感染動物の糞尿による汚染、環境汚染による間接感染などが、更に、HEVに汚染された血液の輸血による感染や、患者から患者への直接感染も考えられる。
Q5:HEVに感染しているのはどの動物か?
A5:ドイツで飼育される豚の40~50%がHEV抗体を持っている。イノシシでは2~68%。シカにおける散発的な感染の可能性を示す証拠も報告されている。
Q6:豚又はイノシシを介したHEV感染の可能性は?
A6:狩猟者、森林労働者、食肉事業者、食肉検査官、獣医師など、特殊な職業集団において、HEV抗体を有する割合が、一般の人たちと比べて有意に高い。
Q7:家畜及びイノシシ由来の食品はHEV感染の原因となると考えられるか?
A7:豚及びイノシシの肝臓検体及び筋組織検体からウイルスRNAが検出されたことから、BfRは、HEV感染は、豚レバー、イノシシ・豚の生肉及び内臓などを介して生じると推測する。これらの食品を十分に加熱調理すること(油で揚げるなど)により、ウイルスは不活化し、消費者が感染する可能性は考えられない。
 過去には、フランスで、一部の地域特産の豚の生レバー入りソーセージでE型肝炎が発生したことがある。この種類のソーセージは、摂取前に十分加熱調理すべきである。ドイツで販売されるレバーソーセージは、製造段階でウイルスが不活化する加熱が施されている。
 感染動物に由来する生の原料を使った他の食品(非加熱のソーセージなど)を介したHEV感染の可能性については、完全には解明されていない。
Q8:特殊な職業集団は、豚及びイノシシによるHEV感染リスクをどのように低減可能か?
A8:と畜施設では、指定された保護服などの着用により、リスクの低減が可能である。狩猟者は、内臓除去及び獲物の切り分けの際に、保護手袋を着用する。
 最近の調査研究では、HEV感染の大幅な減少が示されている。
Q9:消費者は、HEV感染からどのように身を守ることが可能か?
A9:食品を、万遍なく完全に加熱調理又は油で揚げることで、HEV感染リスクは確実に低減可能である。HEVは熱に対して比較的安定であることから、煮る時間が短い場合又は電子レンジの使用は不十分である。また、食品を冷凍しても、HEVに対する死滅効果はない。
 HEV感染リスクを最小限に抑えたい場合は、生肉製品 挽肉及び熟成の浅い生のソーセージ(生鮮粗挽きソーセージなど)は摂取しない。更に、BfRは、リーフレット「食品を介した細菌感染から身を守る」などを公表している。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/de/fragen_und_antworten_zur_uebertragung_des_hepatitis_e__virus_durch_wild__und_hausschweine_und_daraus_gewonnene_lebensmittel-196528.html