食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04270840105
タイトル 米国食品医薬品庁(FDA)、ダークチョコレートと牛乳アレルギーに関する調査結果を発表
資料日付 2015年5月21日
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概要(記事)  米国食品医薬品庁(FDA)は5月21日、ダークチョコレートと牛乳アレルギーに関する調査結果を発表した。概要は以下のとおり。
 「牛乳アレルギーなのでチョコはブラックだけ」と言う人が、実際にダークチョコレートを食べてアレルギー反応を起こしたという届出が後を絶たない。安全かどうか事前に分からないものか。FDAはこの問題を調査した。
 牛乳はダークチョコレートの成分として認められているが、8大食品アレルゲンの1つでもある。米国の法律では、メーカーは主要アレルゲンである食品、また主要アレルゲン成分・たん白質を含む食品に表示を義務づけている。ところがアレルゲンの未表示は、FDAが食品リコールを要請する際の主たる原因で、とりわけ牛乳の未表示事案は多い。中でもチョコレートは、牛乳へのアレルギー反応が実際に生じた未表示事案として、最多食品の1つとなっている。
 FDAは100点近いダークチョコレート(板チョコ/チョコバー)を採集して、牛乳含有の有無を調べた。サンプルは全米各地で入手し、各サンプルとも製造ラインもメーカーも別々のものを、表示内容別に分類した。果たしてその結果は。
 残念ながら成分一覧票を確認しても、牛乳含有の有無は見分けがつかないというのが結論だった。検査した94点のダークチョコレートのうち、成分として牛乳が表示されていたのは僅か6点にすぎず、残りの88点は表示がないにもかかわらず、51点に牛乳が検出された。最終的に全体の61%(57/94)に牛乳が含まれていた。
 添加はしていないのに入ってしまったのが一因で、大半の製品は、ミルクチョコレートと同じ製造装置で生産されたことによる。つまり微量の牛乳が意図せずダークチョコレートに混入する。
1. 「かもしれない(may)」は「まず間違いなく(likely)」と読み替えよ
 添加していないのに含まれている可能性がある場合、メーカーの多くはラベルに「注意(advisory)」書きを印字する。文言は多用で次のようなものがある。「牛乳を含んでいるかもしれません。乳製品を含んでいるかもしれません。微量の牛乳を含んでいるかもしれません。牛乳を扱った装置で製造されています。乳製品を加工する工場で加工されました。牛乳を使用する施設で製造されました。」
 こうした注意書きの付いたダークチョコレートを調べた結果、75%の製品から牛乳が検出された。そのうちの幾つかは、含有表示のある製品と含有量が同等だった。この点を全米菓子協会に照会したところ、「注意書きのある製品には実際に牛乳たん白質が含まれているかもしれないので、牛乳アレルギーの消費者は摂取すべきでありません」との回答だった。
2. 「乳製品フリー」は当てにならない
 注意書きのほかに「乳製品フリー」や「乳糖フリー」といった文言もある。ところが今回の調査で、こうした文言のある製品の15%に牛乳が検出された。また「ビーガン(vegan)」(動物由来製品不使用)表示のダークチョコレートも25%が同様だった。
3. 表示がないから牛乳がないことにはならない
 ラベルに牛乳の表示がないからといって、含まれていないと早合点してはならない。そうした製品の33%に現に含まれていた事実を銘記すべきである。
4. 消費者にできること
・ 牛乳アレルギーの強い人は、ダークチョコレートを高リスク食品と心得よ。
・ まず成分一覧票を見よ。
・ ラベルの文言によく目を通し、「乳製品フリー」とか「ビーガン」とあっても、牛乳に関する注意書きがあれば避けよ。
・ 「乳製品フリー」とあり、牛乳に関する注意書きがなくても、メーカーに信頼が置けない場合、専用装置を使用していない場合、製品を疑いの目で見よ。
 食品予防管理規則案は今秋最終規則になる予定だが、これにより食品メーカーには食品安全計画の履行が義務づけられ、食品アレルゲンなどの危害を予防又は大幅に削減するための安全対策を見極めることになっている。同規則には、アレルゲンを含む食品と含まない食品間の意図しない交差接触を予防する条項が盛り込まれている。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) 米国/食品医薬品庁(FDA)
情報源(報道) 米国食品医薬品庁(FDA)
URL http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm433555.htm?source=govdelivery&utm_medium=email&utm_source=govdelivery