食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu04260620305
タイトル 欧州連合(EU)、牛の牛海綿状脳症(BSE)に係る特定危険部位(SRM)の定義を一部改正
資料日付 2015年5月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州連合(EU)は5月7日、牛の牛海綿状脳症(BSE)に係る特定危険部位(SRM)の定義を一部改正し、これまで全月齢牛の十二指腸から直腸までの腸(the intestines from the duodenum to the rectum)」と定義した部位を、小腸の後部4メートル(the last four meters of the small intestine)及び盲腸(the caecum)と改める委員会規則(EU) 2015/728(2015年5月6日)を官報で公表した。概要は以下のとおり。
1. 規則(EC) No 999/2001は、動物における特定の伝達性海綿状脳症(TSEs)の予防、管理及び根絶のための規定を定めている。同規則は、生体動物及び動物由来産物の生産及び販売並びにそれらを輸出する特定の事例に適用される。
2. 規則(EC) No 999/2001は、同規則の附属書Vに従ってSRMを除去し、廃棄するよう定めている。附属書Vに従って、SRMには全月齢牛の十二指腸から直腸までの腸及び腸間膜が含まれている。
3. 欧州食品安全機関(EFSA)は2014年2月13日、牛の腸及び腸間膜の様々な部位におけるBSE感染価の定量化を提示する、牛の腸及び腸間膜におけるBSEリスクに関する科学的意見書を出した。このEFSAの意見書によると、BSE感染牛においては、(i) 36か月齢以下の場合、BSE感染価の90%超が小腸の後部4メートル及び盲腸に関連し、(ii) 36か月齢を超え、60か月齢未満の場合、総感染価に対する腸及び腸間膜の構造の相対的な寄与率には個体間のばらつきが相当あり、(iii) 60か月齢以上の場合、BSE感染価の90%超が腸間膜神経及び腹腔腸間膜神経節複合体(the celiac and mesenteric ganglion complex)に関連し、(iv) 十二指腸、結腸及び腸間膜リンパ節は、と畜月齢に関係なく、感染牛の総感染価に対する寄与率が0.1%未満である。また、このEFSAの意見書は、これらの組織に関連した総感染価は、感染牛の月齢に応じて変化し、60か月齢を超えた牛において段階的に減少する前に、18か月齢未満の牛において最大になると述べている。(訳注:EFSAの当該意見書では、総感染価は、平均すると、24か月齢から48か月齢の牛において段階的に減少し、60か月齢を超えた牛において最小になる前に、18か月齢未満の牛において最大になるとしている。)
4. 腸間膜神経及び腹腔腸間膜神経節複合体は、腸間膜及び腸間膜脂肪に関連した組織であるため、これらの器官を効率よく相互に分離する現実的な方法はない。
5. SRM除去の規定を実行可能にし、かつ、不必要に複雑にせず、また、管理を容易にするため、牛のと畜月齢に基づいて適用されているSRMのリスト中の差異を、適当な場合においては、なくすことが望ましい。高い水準におけるヒトの健康保護を維持するため、小腸の後部4メートル、盲腸及び腸間膜(腸間膜神経、腹腔腸間膜神経節複合体及び腸間膜脂肪から分離できない)を全月齢牛についてのSRMリストに保持することが望ましい。
6. 2011年に公表された動物性加工たん白質(PAPs)が有するBSEリスクの定量的リスク評価の改訂に関するEFSAの科学的意見書は、BSE臨床例における総感染価の90%が中枢神経系組織及び末梢神経系組織に関連し、約10%が回腸遠位部(distal ileum)に関連していると述べている。小腸の後部4メートル及び盲腸を除く腸管部分における残留感染性は、無視できると考えられる。リスクの完全排除は、いかなるリスク管理決定にとっても、現実的な目標ではない。
7. SRMのリストから十二指腸、結腸及び小腸(最後部の4メートルを除く)を削除することによって、EUのSRMリストが国際標準に近づくことになる。実際、国際獣疫事務局(OIE)の陸生動物衛生規約の第11.4.14条は、管理されたBSEリスク国産又はBSEリスク不明国産の全月齢牛の回腸遠位部(小腸の最後部)を貿易しないことが望ましいと勧告している。したがって、牛の腸の残りの部分や腸間膜を貿易しないようにというOIE勧告はない。
8. EFSAの科学的意見書及びOIE陸生動物衛生規約の勧告を根拠として、牛に関するSRMのリストに小腸の後部4メートル、盲腸及び腸間膜(腸間膜神経、腹腔腸間膜神経節複合体及び腸間膜脂肪から分離できない)を含めるが、牛腸の残りの部分、すなわち十二指腸、結腸及び最後部の4メートルを除く小腸を除外するよう当該リストを修正することが望ましい。
 以上の経緯及び観点から、委員会規則(EU) 2015/728に従って規則(EC) No 999/2001の附属書Vのpoint 1(a)(iii)にある牛のSRMの定義を以下のように一部改正することになった。
改正前:「全月齢牛の扁桃、十二指腸から直腸までの腸及び腸間膜」
改正後:「全月齢牛の扁桃、小腸の後部4メートル、盲腸及び腸間膜」
 委員会規則(EU) 2015/728は、官報掲載の20日後に発効する。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州連合(EU)
情報源(報道) 欧州連合(EU)
URL http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32015R0728&from=EN