食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu04240340470 |
タイトル | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、2010~2012年の欧州連合・欧州経済領域における7つの主な食品及び水媒介感染症サーベイランス報告書を公表 |
資料日付 | 2015年4月7日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC)は4月7日、2010~2012年の欧州連合・欧州経済領域における7つの主な食品及び水媒介感染症サーベイランス報告書を公表した(277ページ)。 当該報告書は欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)において2010~2012年に発生したカンピロバクター症、リステリア症、非チフス性サルモネラ症、細菌性赤痢、志賀毒素/ベロ毒素産生性大腸菌(STEC/VTEC)感染症、腸チフス・パラチフス、エルシニア症に関する疫学報告書第2版である。 1.カンピロバクター症は依然として最も届出の多い人獣共通感染症で、2010~2012年の確定患者数662 ,521人であった。患者数は2008~2012年の5年間で増加の傾向にあり、患者のピークが6~8月と、明確な季節性を示している。届出の多い2つの主要な菌種では、Campylobacter jejuniは変化ないが、C. coliが過去5年間に著しく増加した。 2.リステリア症は過去5年間で国内感染患者が著しい増加傾向にあった。2010~2012年の届出患者数は4 ,851人で、情報が得られた患者の94%が入院し、致死率は16%と高かった。リステリア症による死亡者数は517人と報告されている。最も多い血清型は1/2a及び4bであった。65歳超の報告件数が増加していた。 3.非チフス性サルモネラ症は減少傾向にあり、2010~2012年の届出患者数は291 ,806人で、2010年から2012年までの間に10 ,013人減少した(減少率10%)。国内感染患者での、特にSalmonella Enteritidis及びS.Typhimuriumの減少が目立つ。サルモネラ症は殆どがEU/EEA内感染であった(83%)。 4.細菌性赤痢確定患者は2008~2012年の間に変化は見られず、2010~2012年の総届出患者数は21 ,969人であった。患者の3分の2は欧州以外の旅行関連症例であった。Shigella sonneiが最も報告件数が多く(56%)、次いでS.flexneriであった(33%)。S.flexneri患者は過去5年間で著しい増加傾向にある。 5.STEC/VTEC感染症は2008~2012年の5年間に著しい増加傾向が見られた。2011年のドイツでのSTEC/VTEC O104:H4大集団感染を除いた2008~2010年でも増加は著しかった。2010~2012年は18 ,995人の確定患者が報告された。届出確定患者数の増加は、大集団感染後の注意喚起の効果及びEU/EEA各国の適応能力の向上によるとみられる。2010~2012年において血清群で最も多いのはO157で、血清型ではO157:H7(26%)、O157:H-(10%)、O104:H4(6.1%)、O26:H11(5.8%)、O103:H2(5.7%)が多かった。 6.腸チフスは2008~2012年で著しく減少した。2012年の患者数は532人。パラチフスも同様の傾向で、2012年は430人の患者が報告された。腸チフス・パラチフスは欧州以外への旅行に関連するものが大部分(>85%)であった。ナリジクス酸に対する薬剤耐性が最も多く報告された(70%超が耐性株)。 7.エルシニア症は2008~2012年の5年間に一定して減少している。2010~2012年に20 ,477人の確定患者の届出があった。患者の98%が国内感染であった。最も多い菌種であるYersinia enterocoliticaによる感染が減少していた。Y.enterocoliticaの血清型ではO:3が88%を占めたが、2008年以降顕著な減少傾向にある。 主な疾病について、リステリア症以外は患者致死率は1%未満であった(2010~2012年のリステリア症致死率は16%)。カンピロバクターやサルモネラ属菌感染に比べてリステリア症患者数は比較的少ないが、疾病の重篤度合や高い致死率から重大な食中毒と考えられる。 リステリア症は高齢者にとって特に注意が必要である。病院や高齢者施設などで出されるRTE食品による感染リスクが過小評価されており、リスク集団におけるRTE食品に関連したリステリア症のリスクついて更なる配慮が求められる。 当該報告書は以下のURLから入手可能。 http://ecdc.europa.eu/en/publications/Publications/food-and-waterborne-diseases-surveillance-report-2015.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | EU |
情報源(公的機関) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
情報源(報道) | 欧州疾病予防管理センター(ECDC) |
URL | http://ecdc.europa.eu/en/publications/_layouts/forms/Publication_DispForm.aspx?List=4f55ad51-4aed-4d32-b960-af70113dbb90&ID=1287 |