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資料管理ID syu04230220301
タイトル 国際がん研究機関、IARCモノグラフ112巻:5種類の有機リン系の殺虫剤及び除草剤の評価を公表
資料日付 2015年3月20日
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分類2 -
概要(記事)  国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer:IARC)は3月20日、IARCモノグラフ112巻:5種類の有機リン系の殺虫剤及び除草剤の評価を公表した。概要は以下のとおり。
 短い論理的根拠と一緒に最終評価書の要約は、現在、THE LANCET Oncology電子版に発表され、評価書の詳細はIARCのモノグラフの112巻に公表される。5種類の農薬は、グリホサート、マラチオン、ダイアジノン、テトラクロロビンホス及びパラチオンである。
 IARCの評価の結果は?
 除草剤のグリホサート並びに殺虫剤のマラチオン及びダイアジノンは、ヒトに対しておそらく発がん性がある(グループ2A)に分類された。殺虫剤のテトラクロロビンホス及びパラチオンは、ヒトに対して発がんの可能性がある(グループ2B)に分類された。
 以下グリホサートに関する部分のみを訳出した。
 IARCの評価の科学的根拠は?
 グリホサートに関しては、ヒトで非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma)の限定された発がん性の科学的根拠がある。ヒトの科学的根拠は、2001年以来発表された、米国、カナダ及びスウェーデンにおける、主に農業上のばく露の研究からである。さらに、グリホサートが実験室の動物でがんを生じるという説得力のある(convincing)科学的根拠がある。
 マウスにおける腫瘍に基づき、米国環境保護庁(USEPA)は、1985年に、最初は、グリホサートを、ヒトに対して発がんがあるかもしれない物質(グループC)に分類した。マウスの試験の再評価の後、EPAは、1991年に、グリホサートの分類を、ヒトに対して発がん性がないという証拠がある物質(グループE)に変更した。
 EPAの科学諮問パネル(Scientific Advisory Panel)は、再評価したグリホサートの結果が、IARCの序文(Preamble)で推奨された統計的試験を使用すると、いまだに有意である(still significant)ことに留意した。IARCの作業グループは、EPAの報告書で検討された重要な知見及び実験動物で十分な発がん性の科学的根拠があると結論付けたいくつかの最近の陽性の結果(positive results)の評価を行った。また、グリホサートは、細菌を使用した試験では陰性だが、ヒトの細胞でDNA及び染色体の損傷を生じた。地域住民(community residents)の1つの研究で、グリホサート製剤(glyphosate formulations)を近くで噴霧した後、染色体損傷の血液中のマーカーである小核の増加が報告された。
 人々はこれらの農薬にどのようにばく露するか?
 グリホサートは、現在、あらゆる除草剤の中で、世界で最も生産されている除草剤である。世界での最大の使用は農業用である。グリホサートの農業用の使用は、グリホサート耐性の遺伝子組換え作物の開発以来、急激に増加してきた。グリホサートは、また、林野、市街地及び家庭でも使用される。
 グリホサートは、噴霧している間には空気中、水中及び食品中で検出される。一般住民は、一番目に(primarily)、噴霧した場所近くの住居、家庭での使用及び食事由来でばく露する。ばく露レベルは、一般に低いと観測されて(observed)きた。
評価はどのように行われたか?
 モノグラフの112巻のため、11か国からの17名の専門家からなる作業グループは、3月3日から10日にIARC(リヨン、フランス)で、5種類の農薬の発がん性を評価するために会合をもった。最新の利用可能な科学的根拠の包括的な検討を含む、1年近くに及ぶ、IARC事務局及び作業グループによる検討及び準備の後、直接会合をもった。
 IARCの評価の意味合いは?
 モノグラフは、科学的文献の包括的な検討に基づき、科学的評価を提供するが、しかし、規制勧告、法律及び公衆衛生介入(public health intervention)に対しては、各国政府及び他の国際機関に引き続き責任がある。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) 国際がん研究機関(IARC)
URL http://www.iarc.fr/en/media-centre/iarcnews/pdf/MonographVolume112.pdf